ある晴れた日の午後、私はフランスさんと仕事の合間にカフェに来ていた。
そんな時、フランスさんがポツリ、と呟いた。
『日本君は優しいけど、少し心配だな』
そうフランスさんは言い、優しく笑った。
『…何故心配なんですか?』
私はフランスさんの言葉に上手くついていけなく、首を傾げる。
『いろんな意味でだよ』
私の疑問にフランスさんは深く言う事なく、簡潔にそう言った。
私は少しムッとした。私はそのいろんな意味を知りたいのに。
その気持ちを察してか知らずか、フランスさんは顔をクシャッとして苦笑する。
『ごめんね、あまり分からなかったよね、日本君は優しいからなんでも引き受けて倒れたりしないか不安なんだよ僕はね』
そう言って私の優しく手を包み込む。
『…だからね』
ググッと私の手を先程とは違い、強く握る。
『もし君が辛い思いをしたら絶対助けるよ、仮に誰かが君を傷付けたらそいつは絶対僕が許さない』
私はフランスさんの話にとりあえず愛想笑いをしようとしたが辞めた。
笑う事じゃない。いや、笑えない。
後者が駄目だ。
誰かを…私に何かあったら、フランスさんは何をするのだろうか?
『そうですか…』
私はそう答えるしか出来なかった。
数週間後、私にいつも絡んで来るある方が、私に軽率な態度を取ったという理由で、その方はフランスさんにどこかへ連れて行かれた。
それ以来、その方を見かけた事は一度もない。
end
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