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ある日カラ松が監禁された。僕達は『どうせまたチビ太だろ』と思い、そこまで気にしていなかった。
……それから1ヶ月も過ぎたある日、チリリリリンと我が家の固形電話のなる音が家に響く。「もしもし、松野ですが」1番近くに居た僕が電話を手に取った。
『もしもし、明日の午前8時に〇〇高校の廃校で待ってるよ。』
「はぁ?なんですか急に」
『そこに俺がお前達のよく知る人物を監禁している、会いたければ…』
と電話の向こうの誰かが言いかける。すると
「ま、まさかカラ松!?お前か犯人待ってろよ!絶対行って助けてやるからなカラ松!」
と僕は思いっきり電話の相手に向かって叫んでしまった。その瞬間残りの4人が居間からとてもビックリした顔を僕に向ける。全員同じ顔をしている。やはり6つ子だからか。だが今は1ヶ月も前からずっと1人抜けてしまっている状態が続いている。
「明日の8時に〇〇高校の廃校で待ってるって。犯人は一人称からしておそらく男性。」僕は電話からわかった情報をみんなに伝えた。
「よし、じゃあ明日の為に今日はもう寝ような」そういうとおそ松兄さんは布団を敷いて次の瞬間にはもう寝ていた。他のみんなも眠たそうにしている。僕らは最近近所の聞き込みやら記憶を頼りに後を辿っていったりやら探偵や警察のような事をしていた。そのためみんな寝ておらず…いや、眠れず今までずっと起きていた。それに今はもう深夜 1:00。なぜか今日はぐっすりと眠れた。まだカラ松兄さんは生きているとわかり少し安心したからだろう。
朝、僕らは全員同時に起きた。現在時刻 5:37。時間にはまだまだだけれどもうみんな出かける支度をして〇〇高校の前まで来ていた。
「よし、じゃあもう入ろうぜ」
とおそ松兄さん。
「うん、そうだね、早くしないと。待っててよね、カラ松兄さん」
と、怖さをも忘れて我先にと入っていくトド松。
中に入り探索した。ただいま 7:19。残りは体育館,放送室,校長室のみ。体育館前まで来ると誰かの声が聞こえる。「……..!!……、…..!」
叫んでいる?もしかしてカラ松か?助けを求めている?なら今すぐ助けないと!
そう思い扉を開けると僕らはみんな予想外すぎる展開にビックリし呆然としたまま突っ立っていた。
助けを求めていたんじゃないのか?助けて欲しかったんじゃないの?
僕らの目の前 体育館の中心、そこには2人の男が居た。1人は松野家の 僕らの次男、松野カラ松。もう1人は黒と白のプルオーバーに青のロングパンツ姿のいかにもモテそうなイケメン男子。おそらく監禁した犯人だろう。
そうじゃない、僕らが驚いているのはそれじゃない、確かに犯人はモテモテオーラが凄くてウザイほどに殺したいほどだし驚いてはいるのだがそうじゃない、更に驚く光景が目の前にあるのだ。カラ松は、僕らの次男はなぜか縛られておらず、犯人(仮)の顔を見つめながら頬を赤らめワクワクの表情で
「なぁなぁなぁ♪罰はまだか?まだなのか?早くしてくれ!お願いだ!早く罰をくれないと精神的に死にそうだ!あ、でも切断だけはやめてくれ、他の罰が受けにくくなるからな!」
などと訳の分からない事を呪文のように唱えている。そして僕らが来た事に気づいた犯人(仮)こちら側を向き、
「あれ、早いね。まだ時間まで40分くらいあるのに。まぁいいか。カラ松君もそっちの方が喜ぶだろうし。」
そういった瞬間カラ松がやっと僕らに気づき「おぉブラザー!来てくれたのか!嬉しいぞ!あ、もしかして今日の罰はみんなの前でやるのか?ならとっておきのどんと苦しい罰にしてくれ!みんな喜ぶだろ!」
カラ松が意味のわからない事を言っている。普通なら「み、みんな!助けてくれ!今すぐに!」とか言ってイタイキャラを忘れてまで泣きながら怯えながら助けを求めるはずだ。なのにカラ松はなぜか楽しそうだ。そう思っていると犯人は答えた。
あぁ、みんなわかんないよね、なんでカラ松君がこうなっちゃったのか。1か月と少し前、俺は毎日のように橋に来る彼を毎日見つめていた。だがある日彼は大怪我をして、包帯ぐるぐる巻きで橋に来ていた。俺はとてもびっくりしたよ。だからカラ松君と仲良くなるチャンスだと思った。俺は「大丈夫ですか?」と尋ねたさ。すると「あぁ、大丈夫だ。これはなんでもないさ。本当に大丈夫だから」と、自分に言い聞かせるように教えてくれた。
この時僕たち1人欠けた6つ子は “カラ松事変” の事だと直ぐにわかった。あの日あの時僕たちはまさか全てカラ松に当たっていたなんて思ってもみなかった。あの時寝ぼけすぎていてよく見ていなかったせいだと思う。あれはカラ松とチビ太だったのか、近所のリア充共がイチャイチャでもしていたのかと思ったのだ。とんだ勘違いをした。
まぁいろいろあってそれから俺たちは仲良くなった。そして丁度1か月前にカラ松君を誘拐…いや、君たちから助けてあげたのさ。
は?助けてあげた?僕達から?どういう事だよ また犯人は意味の分からない事を言う。
あれ、やっぱり気づいてなかったみたいだね。カラ松君はあの大怪我をしてきた日以降君たち兄弟が怖かったらしい。それはそれは怯えていたし嫌っていたさ。なんで? そりゃあ君たちが彼を傷つけたからだよ。そんな事もわかんないんだな、さすが赤塚の悪魔の6つ子だけあるよww
あ、そうだったそうだった、なんでカラ松君がこんな罰を欲しがるようになっちゃったか を教えて欲しかったんだよね!ごめんごめん、俺忘れっぽい性格だからさ。カラ松君はまわりからの扱いが普段から違っていた。それは君たちの方がよく知ってて分かってるんじゃないのかな?そんな扱いを何年も受け続けてきたカラ松君はもう慣れて何時しか彼は “それが普通なんだ” と受け取るようになってしまっていた。だからか僕が優しくするととてもビックリして少し怯えていた。たぶん優しさはあまり経験した事がないから慣れなかったんだろう、
この事を知った僕はこれ以上に無いくらい優しくした、でも彼はやっぱり優しくされる事に慣れてないからか逆にそれも “何か裏がある” と思ってしまって苦痛だったらしい。それで困っていた俺に今度は彼自ら『今度は俺を雑に扱ってみてくれ』と頼んできた。俺は彼の事を思って少し抵抗があったが実際言われた通りに接してみると彼は調子が戻ってきたらしい。それから彼からの頼みがどんどんヒートアップしていって現在の罰をくれないと精神的に死にそうになる様な体になってしまったっけ訳さ。彼自身がそう願ったんだ。
つまりカラ松君は今罰を受ける事で幸福感を得ている
自傷行為と似たような物さ、わかった?
そう言うと犯人は僕らの方を睨んだ。
” こうなってしまったのは全てお前らのせいだ “
とでも言うかのようで僕らは全てを知って絶望し後悔し思い知った。