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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜
第3章 『遺された手紙と道標』
〜最愛の人が残した最後のお宝〜
第3章 最終話 悲しみと落胆
あの日から早5日。屋敷は静寂に包まれていた。
デビルズパレス 食堂
『……。』
ガチャ。
『百合菜様、主様は…?』
『…今日も出てこないみたい。』
『そうですか…。もう出て来なくなって5日です。何も口にしてくれませんし…主様の体調が心配ですね…。』
『…私の責任だ。私が主様を引き留めたから…。』
『ルカスさんのせいじゃないですよ…。
私だって同じ立場なら…きっと…。』
『…。我々にとって主様は何よりも大切な存在だ。この命に替えても守りたい人だ。』
『ミヤジさん…。』
『街の人の命と主様の命。どちらかを天秤にかけることなんてそんなこと出来ません……。』
『そうだね…。とにかく主様の体調も心配だし後で部屋に行ってみよう。』
『はい。』
一方その頃――。
『私のせいだ…。私が依頼を引き受けたから…こんなことになったんだ…。私が未熟なせいで……っ!』
コンコンッ。
『…!誰…?』
『主様、私です。ベリアンです。開けて貰えませんか?』
『っ、嫌。今は誰とも会いたくないの。1人にして…。』
『お姉ちゃん…。』
『困りましたね……。何も食べて貰えないんじゃ……。』
『…あ、そうだ。』
『何か思いついたんですか?』
『うん。』
『え?僕にですか?』
『ムーちゃんなら入れてくれると思うからね。お願い出来る?』
『分かりました!僕だって主様に元気になって欲しいですから!』
『コンコンッ。主様〜僕です、ムーですよ〜。』
『ムー…?…。』
(ムーならいいか…。)
私は鍵を開ける。
ガチャッ。
『お姉ちゃん!』
『主様!』
『わっ!』
ムーが私の胸に飛び込んでくるのと同時に
ベリアンたちが入ってくる。
『みんな…なんで……。』
『お姉ちゃんが心配だからだよ…。ごめんね騙すようなことして。ムーちゃんなら入れてくれるかなって思って。』
『百合菜……。』
『主様。今回の件は主様のせいじゃありません。ですからご自分を責めないで下さい。』
『ベリアン…。』
『主様のお陰でガラスの靴は守られて、救える命もありました。貴方に依頼して笑顔になった人は沢山いるじゃありませんか。』
『……。』
『お姉ちゃん。私はお姉ちゃんが元気じゃないと嫌だよ…。』
『…私はみんなの笑顔が見たくて探偵になったの。時には辛いことも苦しい時もあったけど…みんなが居たから…。』
『お姉ちゃん……。』
『心配かけてごめんなさい。…お腹が空いたわ…何も食べてないから…。』
『そういうと思ってロノにお姉ちゃんの好物を沢山作ってもらったの!食堂に行くよ!』
百合菜は私の手を引っ張る。
『ま、待ちなさい百合菜!わっ!』
『美味しい、凄く…。ふふっ。』
『あの、主様……。』
『ルカス、ごめんなさいね。あなたを責めるようなことをして…。』
『いいえ。私も申し訳ございませんでした。』
『これからも…その、私の仕事について来てくれる?』
『!えぇ。もちろんです。』
『主様!俺も主様の仕事について行きたいっす!』
『お、俺も…行きたいかも。』
『アモンはうるさいからダメだろ。』
『そんなことないっすよ!ちゃんとお手伝いするっす!』
『じゃあ次から私とベリアンじゃなくて他の執事の誰かにするかい?』
『そういうことなら負けらんねぇな。』
『えぇ。私も主様の仕事姿みたいです。』
『みんな落ち着いて…。』
デビルズパレスはいつもの騒がしい日々に戻った。これからもみんなとずっと一緒にいられるといいな……。
次回
第4章 『愛するが故に犯してしまった罪
破った約束』
〜護る為に嘘を吐く〜
第1話 夏の暑さに罪を犯す