テラーノベル
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プロローグ___
見える世界はない。
あるのは聴覚と味覚、感覚、嗅覚、
失ったのではない。
最初からなかったんだ。
だから親の顔も同級生の顔も上司の顔も
未だに知らない。
散々言われてきた。
「お前なんか産まなきゃよかった。」
「気持ち悪ー、」
「仕事もできないゴミが。」
俺に、何ができるの?
1話_____
生まれてきて良かったことなんてほとんどない
それでも未だに死のうなんて考えはできなかった。
だって一人で死ぬことすらできないから。
生きがいとは言いすぎかもしれなくても、それは俺に幸せを与えてくれた。
音楽だった。
なにか嫌なことがあれば音楽を聞いて眠り、
痛いと思ったら歌詞を思えば耐えれた。
俺には音楽が必要だった。
2話_____
色も形も見えない俺に、“これからよろしく“
と手を握ったやつがいた。
「、、、、よろしく。」
小さく返した言葉。
こいつらはまだ、俺が見えないことを知らない、知ったらきっと、捨てる。
知っていたこと。
喫茶店で会ったこいつらに、まず見えないことを悟られないようにしながら、全員の手を握った。
感覚を覚えるためだ。
ln「こさめの手きれいだね、」
ks「ちょ、きも。」
それは心が傷つく。
ln「いるま、は、指輪?」
il「アクセサリードヤッ」
nt「ドヤるな、」
ln「、、、すち、手貸してっニコッ」
st「いいけど、らんらんさ、」
st「俺の手がどこかわかる?」
心臓が飛び出るくらいびっくりした。
出会ってほんの数分。
それで俺のこと見透かした、とでもいうのか?
なぜバレた?
st「わかるなら握ってほしい、」
ln「ぇ、、、ッ、、、ぁー、、、ぁッうん、、、、、」
内心焦った。
わかりやすすぎるくらいに動揺していた。
心臓が、
呼吸が、
焦るのを感じた。
st「、、、ごめん、ちょっと確認したかっただけギュッ」
ln「ぇ、」
st「追い詰めたかったわけでも困らせたかったわけでもない、」
st「ただ、知りたかっただけ。」
st「らんらん、目が見えない?」
mk「うぇ、そうなん!?」
nt「すち、だとしたらここまで一人でどーやって来たって感じだし、」
nt「仮にそうだとして、どーやって東京ドーム立つんだよ。」
ln「、、、ッ“」
俺らの目的は東京ドーム、それは変わらない。
でも俺がそんな身体だと知れば、
無理だと断定されて捨てられる。
わかりきっていた。
st「らんらん、k」
ln「ごめん、帰るッ“」
st「ぇ、ちょッ“らんらん!?」
土地感覚は冴えている方だ。
あとは人がいるかいないかの問題。
それだけで俺は一人で生きてきた。
ぶつかって怒鳴られることなんてよくあること
だから。
これ以上俺の好きな音楽を、
追い求めてた夢を、
俺の生きがいを。
殺さないでほしい。
ドンッ
ln「ッ“すみませッ」
「ぁ“?」
ln「ッ、、、」
あーぁ、一番だめなタイプにぶつかったみたい
ln「、、、。」
これだから人生は嫌なんだ。
格差があるわけでもないのに他人見下ろす。
人間って愚かだな。
こういうのは、
黙ってこいつの言いなりになる方が楽だ。
「謝ってすまねぇよ、」
「コーヒーシャツにかかってんだしよぉ“」
「弁償してよ。“」
「ぁ、その上殴らせてよ。」
ln「ぇ」
おまけ付きってなんだよ。
「ぁ?“当然だろ、お前が“見てない“から」
ln「ッ“、、、」
「みてないのはお前だろッ“ドカッ」
ln「、、、?」
誰。
il「手貸せ、怪我ない?」
ln「、、、ぁ“ッえっと、」
il「いーよ、今は話さなくて。」
il「俺が知りたいのは、怪我ないか、って話」
ln「、、、ないッ」
気づいてるはずだ、
見えないことぐらい、
「いってぇ“な、、、んだお前はッ!」
il「こいつの連れ、ぁーいや仲間か。」
ln「はッ?」
どーせ裏切るくせに、
捨てるくせに、仲間、なんて綺麗事だよッ“
nt「そーやね、うちのリーダー怖がらしちゃ、いけんよー。」
ks「ぇーこさも一発~!!」
st「だーめ。」
st「こさめちゃんは一番止めても止まらなさそうだから。」
ks「、、言い返す言葉が見当たらないッ“」
mk「残念やわぁ、、、」
mk「仕返しができないなんて。」
st「サイコパスがいるぅ“、、、」
「んだよ、お前らッ“」
il「チームのリーダー、あぁ、いや、、、w」
il「俺らのボスを守るボディーガードみたいな?」
nt「うわぁ、かっけぇ“、」
「ボスってなんだよ、」
nt「なんか面倒だしヤるか。」
il「ボコボコにしまーす。」
nt「ふぅ“完了ー!」
il「弱いな、喧嘩売ってきた割には。」
nt「売られたのお前じゃないけど。」
il「らん、場所変えよ。」
ln「ぁ、、、ッいや、、」
st「大丈夫、少しお話するだけ、」
st「道は俺らで支えるから。」
おかしい。
気づいてる反応だ。
わかっている言いぶりだ、
なのに、どうして優しくするの、
俺に構うの、
わかんない、
3話_____
ks「でさぁ、こっちに移ってきたー!」
il「それ単純にお前がタスクこなせてねぇだけだな、」
ks「嘘ぉー!」
mk「、、、落ち着かない?」
ln「ぇ、」
mk「大丈夫だよ、もう皆、らんらんのこと受け入れる体制だから」
mk「、、、っていうか、それ以前に聞きたいんやけど、見えてないのにどーやってパソコン打てるの?」
nt「それ、俺も知りたい。」
il「点字があっても打つの遅くなると思うんだけど、仕事も早いが上に打つのも早い」
ln「、、、ぇ、、、、」
ks「んな、一斉に詰め寄らないっ!」
ln「、、、感覚」
st「感覚!?“」
ln「パソコンやる人って、基本キーボードって見ないと思うんだけど、、、。」
ks「ぁー、見ないね」
nt「基本は見ねぇな、」
nt「でも、それでもやっぱミスとかさ、」
ln「音声、、、」
il「、、、?」
ln「読み上げ機能使ってるから、基本はミスなしだと思う、、、。」
il「、、、ふーん。」
il「ま、ミスがこちら側で見つけたことはないが。」
il「見つけたらこっちで訂正しとくわ。」
ln「それはッ」
il「だから話したじゃん、助けあいだから。 」
ks「そーそ!だかららんくんは甘えて頼っちゃえばっそれでいい!」
ln「、、、ッ“」
st(あまり気に喰わないようで。)
4話_____
ln「、、、家まで送らなくても。」
ks「死なれたら困ります」
st「安全のため。」
il「警備っすから」
nt「飲もーぜ」
mk「まだ話したいことあるし!」
ks「一人違うなぁ!?」
nt「死ぬはねぇわ。」
ks「こさなの!?」
ln「、、、ん?」
il「どうした?」
ln「、、、、鍵さがして、」
ks「鍵?」
nt「鍵、ないっすけど。」
ln「、、、ん、、、?」
ln「ぶつかったときに“また“落としたのかな」
il「また、なんだ。」
ln「よくあるよ、、、」
ln「、、、まぁいいや、」
ln「外で寝るし、」
st「駄目です。」
ln「、、、慣れたことだし」
nt「絶対だめ。」
ln「、、、別に俺一人だし良くない?」
mk「じゃ俺らも外で!」
ln「それはやめて。」
mk「、、、ならなっちゃん家いこ!」
nt「はぁ!?」
nt「悪いが散らかっている。」
nt「急に行こうなんか言ったお前らが悪い。」
ln「、、、ごめ」
nt「らん以外なッ“!?」
nt「はぁッ“」
st「、、、暇ちゃん、らんらんのこと好きすぎない?」
nt「そこまで言ってません」
nt「勘違いすんな」
ks「ぁ、」
ln「、、、。」
nt「いや違うくもないけど、いや友達としての好きはあるかもしれないけど“!!」
il「ある、“かも“しれない???」
nt「いや、それなりにあるよッ“、、、」
nt「、、、ッ何言わせてんだよ!!」
ks「らんくん、みんなはらんくんのこと好きだからねー。」
ln「わかんない。」
il「ぇ?」
ln「好きとか、、“言われたことないし“」
ks「え。」
st「らんらん、親いないんだっけ?」
ln「父親はね。」
il「は?じゃあ母親は?」
ln「君ら変わってるよねー、」
ln「今まで話してきた人皆口揃えて“邪魔“、“死ねばいいのに“っていうのに」
ln「仲間とか、友達とか、好きだとか 」
ln「よくわかんないこと言う、、、」
st「、、、ギュッ」
mk「んわ、ずるい!ギュッ」
ks「こさめも、っ、ギュッ」
il「、、ッwはぁ、、、、ギュッ」
nt「俺は入るとこないッ!?」
ln「、、?」
ks「こさ達、らんくんのこと否定したりしないよ。」
ks「大丈夫、らんくんはここにいていいよ」
ln「ッぁ、、、ッポロッ」
ks「ぇ、」
ln「ごめッなさッ、、、ポロポロッ」
nt「、、、泣いとけば?ナデナデ」
人生約20年分の泣き声が、
涙が溢れた気がした
5話_____
ln「邪魔、、、」
ks「こさはらんくんに引っ付いていたい」
nt「おい、仕事の邪魔はすんな、」
il「許したれ、らんは3徹だ。」
st「寝てぇ“!?」
mk「ぁーすちママが、、、。」
ln「これ終わったらー。」
ln「ねる。」
mk「、、、んぇ、らんらん?」
ln「スゥーッzzz」
st「、、、ぇ、椅子で寝た?」
ks「こさの温もりがっ、、、」
nt「腰痛めんぞ?」
il「、、、布団まで運べばいーじゃん」
st「誰が?」
il「俺無理」
ks「こさも非力なので。」
nt「おい、」
su「俺今料理中、」
mk「ごめ、俺も無理。」
nt「、、、は?」
il「頑張れー。」
nt「はぁッ、、、ヒョイッ」
nt「軽すぎ」
nt「平均体重−10だろ。」
st「それは生きてない。」
nt「いやまじで。」
nt「布団運び完了ー、」
ks「にしても本当にミスない。」
il「ぁ?今日読み上げ機能使ってたっけ」
st「なんも?」
il「あいつ慣れでこなしてやがる、、、ッ」
nt「うわぁー、13年活動してるけど腹立ってきた」
mk「なんでなん!?」
今ではこうしてらんを支えるためのシェアハウスをしているが、らんの生活には驚くことがかなりあった。
盲目なだけでその差別をされる人生。
俺らにはわからない。
でも、今を守ることが大事だと思ったから。
らんの私生活はもちろん、全てにおいて全力のサポートは俺らの役目。
なのに。
らんは頼ることを知らない。
そのせいで。
ドカッ
il「ぁ、なんの音、、、」
nt「、、、階段、、、ッ」
st「ぇ、ちょッらんらん!?」
ln「、、、落ちた」
ks「そりゃそーでしょッ!?」
il「お前不死身か?」
nt「落ちて痛いもなしなん!?」
ln「慣れた」
st「なれないで。」
mk「うぇ、でもやっぱ救急車とか、」
mk「病院で見てもらうほうが」
st「みこちゃんは焦りすぎ、」
ln「、、、ッ“」
il「ッおい、無理すんなって、」
ln「仕事残ってるもん、」
mk「うぇ、まだやるん!?」
nt「お前なぁ、、、“」
コメント
4件
神 … 神なんですよ … 内容結構重いはずなのに 胃もたれせずに読めるって ほんとに蔘様だけな気がして … えっと、はい、つまり、神って事です((語彙力