…嫌な夢を見た
体は汗だらけ
背中に服がくっついて気持ち悪い。
『きっと、大丈夫。』そう言い聞かせるしか無いから
あくまで、星街すいせいを演じるの、今の、すいちゃんは要らないの…
私は仮面を被る。
みこちがホロメンに抱き着いたりしている…
!、っ…!?
自分を貫くそんなかっこいい“星街すいせい“
弱々しい私じゃない。
あくまでビジネスなんだよ
『やっほ〜!ぷにち!』
「でゃまれ!w」
なんていつも通りの会話をする
いつも通りなのに、なんで…
なんで…こんなに胸が苦しいの…?
…たすけてよ。
誰にも聞こえないSOS
「星街ぃ〜、ちょっとさ、こっちおいでぇ〜!!」
…? 何だろう?まつりちゃんが私を呼ぶなんて珍しいな…
『うん!分かったよ〜!』
また、仮面を被るんだ。
『まつりちゃん、どうしたの?』
「ん〜とね、まつりからのお話」
『お話?』
まつりちゃんは微笑みながら頷いた
そして、口を開く。
「道化師は愛されないし、報われないよ、死に追い込むだけ。」
『…?』
「星街ってさ、みこちを見ている時に、ほんの一瞬だけさ
凄い苦しそうな顔をするだよね」
「お話より忠告かなぁ?、星街が悲しむのも、死に追いやっちゃうのも、まつりは見たくないから。」
言葉が上手く出ない
…よりによって、まつりちゃんに、バレたってことだ
絶対に気づかれないと思ってたのに…
「星街、まつりは大丈夫だよ、じゃっ!話は終わり!!」
『っえ?ちょっ_』
「またね!!」
「あれ?、すいちゃん、今日しらけんで配信するんじゃなかったっけ?」
『え、あ!?、そうだった!ありがとフブさん!』
時間もあまり無く、駆け出した
途中で転びそうになったが何とか体勢を保ったのだった。
その後、無事に遅れること無く、配信を終えた。
フブさんに今度、お礼をしないとなっと考えていた。
いつも通りに仕事や、書類をまとめ
帰宅する準備をしていた時だった
「シオン先輩のティッシュ…おほっ♡」
『!?!?』
見なかったことにしよう…
………今日も、ホロライブは平和だなぁ
私もあんなふうには、なりたく無い
流石に…ね?
………帰るかぁ…
私は、何も見てない…うん、見てないから…
事務所から出て
何となく歩いて帰ることにした
夜の月はとても綺麗で
さくらみたい…。
貴方と一緒ならば、私はまた恋してる
また恋で、ぐちゃぐちゃな心は、綺麗なさくら色になるんだろうな
貴方は致死量の麻酔薬だ
勝手に惚れてるよ、とっくにさ
絶対言わないよ、墓場まで連れてゆく想い。
風が吹いて、私の髪揺れる
貴方が好きだと言ってくれた髪
私の足音一つ
ふと、歌う
届かない歌。
結末の歌。
深淵に包まれ
誰も居ない
多幸で焚き付けるよ
でも、満たされない
満たされないまま
厭世
サクラカゼが吹く
星が光る気がした
私はそんな
不完全
完璧じゃないの
厭になる
夢の果て
私の足音
道化師の獣耳
ぴょこぴょこ
貴方と私。
濁った彗星
誰も報われないまま〜♪
冷たい雨
雨のメロディー
酷く私を刺す雨
薬瓶を手に持つ
水を用意する
1錠ずつ水で飲み込んでゆく。
ただ時間が過ぎる
気づけば後、10錠
いつの間にか、お酒の缶が机に一つ。
ただふわふわしている
目の前がぐちゃぐちゃで揺れてる
耳もおかしいな
すいちゃんって…
みこがさ、私に愛してるって
お腹の下が、疼くんだ
貴方は愛してくれるの?
恋は報われますか?
何も分かんない
痛いの嫌い
お酒久しぶりにのんだな
天井に君の笑顔が…。
…すいちゃん、独り嫌い。
「…んっ?あ、すいちゃん大丈夫か〜?」
『うぇ…?みこ、ち?』
「ありゃありゃ、駄目だったかぁ…うーん…」
夢の中のみこちが頭を撫でる
壊れ物を扱うような、優しい手つきだった
いつもの感じじゃない…すいちゃんにも分かる
でも、目を瞑る、だって夢なんだから。
「あたしは___だよ」
みこちは何かを言っていたけど…
よく分かんない…。
『???』
「あー…やっぱりかぁ…まぁ、しょうがないよね」
みこちはぴょこぴょこと揺らす
…みこちに”フェネック”みたいな獣耳なんて生えてたっけ?
でも、夢の中だから、そんなこともあるかぁ…
獣耳があるみこちも『可愛いなぁ…』
「うぇ!?すいちゃ…!?!?」
みこちは耳まで真っ赤
人の耳もあるんだな〜、じゃあ全部で4つ?
耳が良いと大変そうだなぁ…なんて他人事。
これは夢なんだから、全部さ、暴露してしまおう
『ねぇ〜、みこち』
「…っ、どったの?」
『私ね、みこちの事が…すき、だいすき、あいしてる。』
「…知ってるよ」
『夢の中だもんね、そりゃ知ってるかぁ~』
「…あたしも好きだし、大好きで、誰よりも愛してるよ」
『えへへ〜、そっかぁ…夢でもさ…嬉しいなぁ…!』
自然と目から汗が出る
ずっと欲しかった言葉、だだ今を生きている。
『じゃあさ、たすけてよ…』
みこちは微笑み、口を開いた
「…うん。」
朝日の日差し、静かな部屋
そこにみこちの温もりがあったような気がした
目を瞑る
絶え間なく溢れる水滴
毛布に包まって、独り、自分で頭を撫でる
たすけて欲しかった…夢の話
考え込んでいたら、突然
インターホンが鳴った
重い身体を起こし、目を擦る。
頭の中も ぐちゃぐちゃ。
ドアを開けるとポルカがいた…?
なんで?と考えていたら
抱きしめられた
『へっ?なんで…?』
自然と涙が溢れてしまった
「何でだろうね?」
ポルカはふにゃっと笑う…
見覚えがある…何度も何千回も見てきた…みこちの笑顔みたいだ…
そっと、ポルカの背中に手を伸ばす
そうするとポルカは、私の頭を撫でようと、背伸びをするので
少し、しゃがみ撫でて貰った。
ただ心地よく、ふわふわとしている
「さて、部屋…入るよ?片付けないとね、色々と」
『…うん………?』
あれ、なんでポルカ…いや、そっかぁ
こんなふうだもんね、こんな状態じゃ、片付ける気にもならないし
でも、うーん…そっかぁ…。
私は、無理やり納得させたのだった。
ポルカが一瞬、一瞬だけ
みこちに見えた。
気づけばよく家にみこちが来るようになった
家を片付けたり、ご飯を作ってくれたり、一緒にお風呂に入ったり
みこちと居られるなら全部どうでもいい
「すいちゃん」
『えへへ、みーこち♡約束守ってね!』
すいちゃんは、幸せだ
目の前はぐわんぐわんしてるけど
みこちが見えるならいいよ
『そういや、今日獣耳無いんだね?
でも、夢の中だからそんな時もあるかぁ…』
「あー…分かんないかぁ…」
「…ごめんね。」
「今日は、ほんもの」
不意に笑ってしまった
『みこちが、いつも言ってるじゃん、ほんものってさ』
『でも、そんなばかちも可愛いよ〜!』
「…うん」
「…目の前にあるに、届かないなぁ…」
『え、???』
「んーん、何でも無いにぇ!」
「じゃ、お風呂に行くよ_
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続編が楽しみ...