ある日 愛する人は意識を失い目の前で倒れた
どんなに叫んでも
どんなに揺らしても
目を覚ますことはなかった
🐰『ジミニ…目を覚ましてよ』
ジミンが倒れてから1年が過ぎた
🐰『ジミニ…おはよう 今日は天気がいいよwセミが鳴き始めてるんだ』
グクはジミンの身体を優しくマッサージをするのが日課だった
看護師『あら 今日は早いのねw』
🐰『仕事休みだったんで』
看護師『ジミンさんは幸せ者ねw早く起きなきゃ損よwそれじゃまた後で来ますね』
🐰『はい、ありがとうございます』
🐰『……そうだよ…早く目覚まして今の僕を見て…ジミニ』
グクは泣くのを我慢しながら優しく顔を撫でた
先生『グクさん…』
🐰『あ、先生』
先生『ちょっとお話いいですか?』
🐰『はい…』
先生『この1年あらゆる治療や薬を試しましたが今の医療の限界があります…』
先生『心苦しいのですが…この先延命治療を続けるのはジミンさんにも酷なのではと…』
🐰『先生…それってつまり…』
先生『はい…ジミンさんの為にも終わりにしてあげるべきかと…』
🐰『…………』
🐰『えっ……いや、でも!!』
先生『グクさんの気持ちは分かります…ですが…私たち側の気持ちもお察しください…』
🐰『……考えさせてください』
先生『……はい』
🐰『ジミニ…聞いた?早く起きて…ジミニ起きてよ!!早く起きろよ!!じゃなきゃ…じゃなきゃ…ジミニ…うぁぁぁぁぁ』
部屋中 グクの泣き叫ぶ声が響いた
看護師『グクさん…』
いつしかグクは寝ていた
🐰『あっ…』
看護師『そろそろ面会時間が…』
🐰『はい…』
看護師『大丈夫ですか?』
🐰『……ペコッ』
何も言葉が出なかった
あれから毎日ジミンの見舞いに来ては変わらず声をかけ、マッサージをした
🐰『ジミニ…最近毎日夜が怖いんだ』
🐰『寝てしまったら…ジミニがいなくなりそうで…』
🐰『何だか…ジミニといると安心するな…』
🐰『ちょっとだけ一緒に寝ていい?』
そう言うとジミンの横に寝た
🐥『グクw本当に甘えん坊なんだからw』
🐰『ジミニ?…だってジミニの傍が1番落ち着くんだもん♡』
🐥『僕もグクの傍にいるのが1番好きだよ』
🐰『なら 早く起きてよ!!寝坊し過ぎ!!』
🐥『上手く起きれないんだwごめんよ?』
🐰『え〜謝っても許せないな〜』
🐥『なんでだよwwwじゃどうしたら許してくれる?』
🐰『キスして♡』
🐥『え?w』
🐰『早く!!』
🐥『まったくw』
2人は優しく甘いキスをした
🐰『あれ?wなんで涙が溢れるんだ?w』
🐥『グク 幸せだねw』
🐰『幸せだよジミニ』
🐥『僕もずっとずっと幸せだったよ』
🐰『えっwなに急にw』
🐥『グク…ありがとうw』
🐰『ジミニ?w』
🐥『辛い事は僕が全部受け止めるからねw』
🐰『え?』
🐥『僕は幸せだーーーーーwww』
グクは眠りから覚めた
🐰『……』
その時
ピッピッピッ ピーーーーーー
部屋中に鳴り響くジミンの心拍音
🐰『ジミナ…?ジミナ!!』
🐰『先生!!!!早く!!ジミニが…』
部屋に担当医師、看護師が慌ただしく出入りを繰り返し ジミンに呼びかけ 心臓マッサージを繰り返していた
看護師『グクさん…1回廊下に…』
🐰『いや、そばにいさせてください』
看護師『……はい』
それから先生はゆっくりベットから降り 時計に視線を落とし呟いた
先生『午前11時8分…』
あんなに慌ただしかった病室が嘘のように静まりかえっていた
🐰『先生…ありがとうございました』
先生『力及ばず申し訳ございませんでした』
看護師『ジミンさん…お疲れ様でした。キレイにしてあげましょうね』
グクはその場に立っている事で精一杯だった
看護師『グクさん 終わりました。今日はゆっくり過ごしてくださいね』
🐰『ありがとうございます』
そしてやっと2人きりになった
🐰『ジミニ…なんで…』
🐰『僕に辛い判断をさせないように自ら?』
🐰『なら…起きてよ!!起きて救ってよ!!』
🐰『ジミナァァァ!!うぁぁぁぁぁ』
その時ふわっとグクの身体を優しい風が吹いた
🐰『ジミナ?』
ドアも窓も閉まっていた
🐰『もう…ジミニはずるいよ…』
グクは窓の外を見た
🐰『あ、ジミニ…見て 月がキレイだよ』
空にはキレイな三日月
🐰『やっぱりジミニはキレイだね…』
グクは止まらぬ涙を拭き ジミニに微笑み返した
END