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1話の前書き、普通に忘れました。汗
衝動書きして衝動投稿しちゃったんですよねーー、、
今回ちょいキャラ崩壊あるかもです。
てか、バリオルなんか既視感あるなぁと思ったら、敦芥(文スト)にそっくりなことに気づきました。
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『…どういう、意味だ』
少しの静けさの後、できるだけ相手を刺激しないように、言葉を絞り出す。
『あたしには、分かるっす』
『貴様に分かってたまるものか!!』
バシッ
今にも泣きそうに、
耳を絞り、突き飛ばされる。
相当メンタルにきてるみたいだった。
だが一番嫌なのは、臣下達に己の失態を晒すことだろう…
それはオルフェも分かってくれるはずだ
取り敢えずこの場から離れて話し合いたい…
少し考えたのち、
あたしはオルフェを抱きかかえる。
お姫様抱っこ?と言うやつなのかもしれない。
『な、何をする!?』
観客席にどよめきや黄色い声が湧き上がった。
…オルフェがこんなになってんのに、アイツらは何歓んでんだよ?
尚更怒りが湧いてきた、今すぐこの場から消えたい。
『重いぃ…ちょっと、暴れないで…!!』
『不敬であるぞ!!!降ろせ!!』
少し揉み合い、あたし達はターフから逃げるように駆けていった。
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《京都レース場、控室にて》
…
あたしは壁に寄っ掛かって、オルフェは椅子に座り、机に顔を伏せている。
いつも仁王立ちで偉そうにしてる面影が、一切ない。
本当に、どうしてしまったのだろうか?
沈黙が続く。
『…感謝する』
『へ?』
先に口を開いたのは彼女だった。
相変わらず顔を伏せたまま、言葉をぽつりぽつりと紡いでいく。
『彼処から去らなければ、余は臣下の信頼を失っていただろう』
『…そうっすよ、
あんな大衆の面前で膝をつくなんて、貴方らしくない。』
『その通りだ』
珍しく、今は素直に同意してくれる。
意外な一面に、少しクスッと微笑んだ。
今なら、話してくれるだろうか。
何があったか_____
『聞かせてくれないっすか?
色々あったと、思うんだ』
『良い、話そう』
良かった、すんなりと受け入れてくれた…
歩いていって、オルフェの左側の椅子に座り、伏せている頭を眺めた。
『阪神大賞典前、トレーナーに作戦提案をされた。
追い込むだけのレースじゃ、海外G1・凱旋門賞は届かないと。
だから今回のレースは、先行策で行ってみろと。』
『適性外の脚質を、G2で…』
『そうだ、その所為か混乱し、斜行癖が悪く出た』
『だから最終コーナーで失速したんすね…』
『嗚呼』
取り敢えず阪神大賞典については判ったが、
今日、春天では後方から差そうとしていたはずだ。
では何故…
『じゃあ、今日は?』
『阪神大賞典の後、逸走が原因でトレーニング再審査が行われた。
何度も審査を受けるうちに…走り方を型にはめられ、闘争心は抑え付けられた。』
『やっぱり、』
『そうだ、貴様の言っている意味は理解している。
今の余は《オルフェーヴル》ではない。
持ち味も何も無い、ただのウマ娘だ』
喋る調子が早くなったと思えば、
声は震え、鼻を啜る音がする。
きっと泣いているのだろう。
此方も、気を許してくれたからには
慎重に言葉を選んで、返す。
『オルフェのせいじゃない、絶対に、オルフェは悪く無い。』
『嗚呼…』
『顔を、上げて?』
首を左右にゆすって涙を拭ったのか、
おもむろに顔を上げた。
その瞬間、あたしはオルフェに後ろから抱きついた。
『う、うぅ”ッ、グスッ』
背中を軽く叩くと、啜り泣く声がする。
あいにく彼女ほど賢くは無いので。
ただただ、何時迄も、強く抱きしめていた。