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夢はそこで終わった。
夢はそこで終わらせた。
夢はそこで終わらなければならなかった。
おばあさんが死んだとの報告が入ってきた。
おばあさんが死んだのだ
死んだ
死んだ
死んだ
親もおばさんも
みんな
みんな
死んだ
死ぬんだ
死ぬんだ
人間って死ぬんだ
みんな揃って死ぬんだ
私の大切な人ばっか死ぬんだ
死ぬんだ
死ぬんだ
頭の中グルグル回りながら登校していると勇太がきた。
「ねね、一緒に教室行こうぜ!」
と、笑いながらこちらに向かって話してきた。
「また俺のバスケ見てろよ!」
と、嬉しそうな顔をしながら話してきた。
なんだろう…優しいって感情がわかった気がする。
優しいなぁ
優しいなぁ
勇太は
優しい
優しい
優しい
優しい
優しい人…おばあさん、
死んだ
優しい人…死ぬ死ぬってこと?
勇太が…
嫌だ
嫌だ
嫌だよ
重力に囚われていない鳥になりたいなぁ感情も何もないクラゲになりたいなぁただ吠えるだけで可愛いと言われる犬になりたいなぁなんで人間なんだろう、なんで人間になったんだろう、なんで人間にさせたのだろう、なんで人間なんだろう、
『勇太がもしいなくなったら?』
『勇太がもし消えたら?』
『勇太がもし死んだら?』
わからない…わからないよ…ただ最近気づいたことがある。
自分が感情表現について上手くなっていることだ。
これは自分でも驚いているたんぽぽのわたがずっとたんぽぽについていたけれどある日風が吹いて飛んでいくかのような感情だ。
なんだろう…嬉しい気がする。暖かい…太陽みたいだね、勇太は。
寒いな…満月みたいだね、自分は。
嬉しいという感情が胸から飛び出そうなので僕は胸を押さえた。
僕は何がしたいのか少しわかった…気がする…
教室に着くと僕の机は泥だらけだった。
泥にしては綺麗な泥で芽が生えていた。泥から芽生えている芽はどうしても生きたいと、どうしても生き延びたいと叫んで嘆いているかのように伸び伸びとしていた。
しかしその芽は『あいつら』の足によって潰された。
ぐちゃぐちゃになってしまった泥は僕の頬にぶち当たり机の次に僕が汚くなった。
見窄らしくなった。
泥だらけになった。
そんな姿を見た勇太が何をすると言わんばかりにこちらへとくると僕の腕を軽々と掴み持ち上げ学校から逃げるようにと走った。
砂嵐を上げながらももがきながら走る君のその後ろ姿はまるで…重力に囚われていない鳥のようだった。
「…っ、ここまでくればもう安心だな!」
勇太は何かやり遂げたかのような顔で僕に言った。
「うん、でも僕のせいで勇太が」
「俺のことは気にすんな!それよりお前、その泥落とすか!」
「うん…アリガトウ」
「おう!」
君と僕の時間は長く感じた
どうしても君の隣にいたい
どうしても君といたい
そう思って仕舞えば僕は君に落ちる
嗚呼これが恋というんだな
僕の感情は無限大なんだ
結局この世は泥なんだよと言った君
僕はやっと心にホースが届いたよ