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百済るくあ【colorful】
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#執着
猫とろ
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臣桜
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その日の夜。
俺は、なぜか小森と手をつないでいた。
場所は、実家の俺の部屋。
俺の布団のすぐ隣には、彼女の布団が敷かれている。
しかも、手をつないでいる。
……なんで、こうなった?
やばい。心臓がうるさい。
事態は、数時間前にさかのぼる。
***
結局その後も、俺の暗黒史鑑賞大会は続いた。
母さんと莉央と小森さんは、アルバムを囲んだまま、妙に盛り上がっている。
「これ、流星が小学校の卒業式で泣いた時の写真ね」
「母さん、それはもういいから」
「兄ちゃん、式の前から泣いてた。昔から泣き虫」
「かわいいですね」
「小森さんまで乗らないで……」
完全に公開処刑だった。
夕食後。
母さんは、缶チューハイ片手に、小森と再び『看護師あるある』で盛り上がっていた。そして、帰ろうとした彼女を引き留めた。
「もう遅いし、泊まっていきなさい」
「えっ、でも……」
「お母さんには私から連絡しておくわよ~」
その流れのまま、あっという間に宿泊が決定した。
俺はてっきり、小森は母さんの部屋か、莉央の部屋に泊まるのだと思っていた。
だが。
「流星の部屋が一番片づいてるから、そこに布団を敷きましょう」
「はああああ?」
思わず変な声が出た。
「いやいやいや、母さん。それはさすがにまずくない?」
「布団を二組敷けるの、あなたの部屋だけなのよ」
「莉央の部屋は?」
「無理。人を入れる状態じゃない」
莉央が即答した。
「片づけろよ!」
「兄ちゃんに言われたくない。引っ越す前、部屋にゴキブリ出てたくせに」
「それを今ここで言うな……」
事実だった。
実家を出る時にほとんどの物を処分した俺の部屋に残っているのは、例の反逆系ゲームの攻略本と、その元になった原作漫画が数冊くらいだ。
俺の部屋に入るなり、小森は本棚の前で足を止め、漫画を一冊手に取った。
ぱらぱらとページをめくる。
「あ、これがさっきのゲームですか?」
「はい……」
「王子谷さん、このゲーム、本当に好きだったんですね」
(その話題、できれば今日は封印したい……)
その後、母さんに言われて一階の収納から二組の布団を部屋に運び込んだ。
近い。いや、どう考えても近い。
俺の部屋は、そこまで広くない。だから当然、布団と布団の距離も近い。
「……」
(俺にどうしろと……?)
枕を取りに収納へ向かい、それを持って戻ろうとした廊下で、莉央に出くわした。
「兄ちゃん」
「なに」
「変なことしたら、お母さん呼ぶから」
「しないから!」
(はあ、なんなんだよ……)
その時、彼女が部屋から顔を出した。
「あの、私もお手伝いしますよ?」
「この枕を運んだら終わりなんで、大丈夫っすよ」
「小森さん、おやすみなさい」
「あ、はい。おやすみなさい」
俺への信用だけを廊下に置き去りにして、莉央は隣の自分の部屋へ去っていった。
ぱたん、とドアが閉まる。
静かな部屋には、二人だけだけ。
コメント
1件
第240話読みました! 流星くんの心臓バクバクが手に取るように伝わってきて、こっちまで照れちゃいますね……(笑) 莉央ちゃんの「変なことしたらお母さん呼ぶから」が効いてて、家族の空気感も好きです。 暗黒史を小森さんに見られる羞恥と、手をつないだ静かな夜のギャップがたまらない🖤 続きが気になります、ひよりさん🤍