「おはようハヤセ」「おはようリーニ、朝ごはん置いてあるよ」「どこか出かけるの?」「うん。鉱石を買いに行ってくるね」「どの鉱石の需要が高くなってるかシュリメルが聞きに行ってるんじゃないの?」「そうだったね。シュリメルが帰ってくるまで待ってようか」つい気が前のめりになってしまって少し恥ずかしかった「リーニはどう思う?」「どうって?」フレンチトーストを頬張りながら言う「侯爵のこととかその商人と武装集団のこととか」「どうって聞かれても何も言えないよ。あたしはただハヤセの計画が上手くいくならそれでいいよ。全部終わった後に解説してくれればあたしも賢くなれるし」「ありがと」こんな他愛のない会話をしながらシュリメルの帰ってくる日没まで過ごしていると夕食を抱えたシュリメルが帰ってきた「2人ともとってもいい情報が入った!必要とされている鉱石は鉄鉱石で必要としている国はノルディア連邦っていうここから荷馬車で半日のところだ」「方角は?」「西」「よし。飯食ったら買い出し行くぞ?」「何買いに行くんだよ?」「鉄鉱石」「なるほど需要量が多い所に供給することで利益を生むんだな!?」「半分正解!残り半分は自分で考えておいて。終わったら答え合わせしてやるよ」「へいへい」その会話を最後に俺らはすぐに夕食を食べきり鉄鉱石を多く取り扱っている店に向かった「親方!こんな時間に悪いんだけど鉄鉱石を売ってくれないか?」「おぉハヤセル久しぶりだな、いくら分だ?」「金貨4000枚分だ」「4000…」「できれば急ぎで頼めるかな?」「わ、わかったお前の荷馬車に直接でいいか?」「あぁ、助かるよ」そう言って俺は親方に金貨4000枚が入った袋を渡した。売買が成立し契約書を貰うと「本当に助かったよ。親方、今度会うときは組合の奴らと一緒に酒でも飲もうや」「おうよ。酒となりゃ俺も手加減はしねぇぜ」「リーニもいるからお手柔らかにな。それじゃ」そうして俺らは西のノルディア連邦に向かい始めた。荷馬車で半日となると夜の間でも交代で進むしかないそのためシュリメルはさっさと寝てしまった。馬車の手綱を握りながら俺は鉄鉱石がどれくらい値上がりしているのかや武装集団や商人の事を考えていたが「そんなに考えても現地に行かないことには何も分からないんじゃない?」「それもそうだね。今のうちに聞きたいこととかあったりする?」「鉄鉱石を鎧にするときに手数料とかってかかったりするの?」「かかるね。使う鉄鉱石の半分の値段だ。でも大丈夫。鉄鉱石を鎧に変えるんじゃなくて鍛冶屋が買って変えてくれてる鎧を買い占めるんだよ」「確かにそれなら手数料かからないし価値が下がった直後なら格安で買えるわけだ」「ここ数日の成長っぷりに毎回驚かされるよ」日が暮れ始めランタンに火を灯しシュリメルを起こした。リーニはさっさと寝てしまっていたので俺もおとなしく寝てしまった。しばらくしてシュリメルと交代し日が昇る頃にまた交代した。次に目を覚ますとノルディアが見え始めてきていた「もう着くか?」「見えてるだろ?もう着くよ」「わかった。こっちは身分証明書と契約書の準備してるから」そういい俺は書類を取り出した。ノルディアに入った後は鉱石のセリが行われているという広場に向かった。そこには異様な値段で売りに出されている鉄鉱石が並んでいた「鉄鉱石1g1000金貨(日本円で10万円)!?」「俺が買った鉄鉱石は100g10金貨で4000金貨分だから重さにして400kgか…ここで全て売り払ったら金貨4億枚…聖金貨にしておよそ40枚文か…」「えげつなさすぎだろ…」「とにかくこれを売りに行こう。シュリメルはこのまま馬車で移動してくれ。俺は先に行って話を通してくる」
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