叶さんのご飯はすごくおいしかった。
あったかくて、心が少しほっとする。
『ちょっと落ち着いた?』
「お陰様で…。」
『葛葉は?』
お陰様で、と俺の言葉を真似て言う目は真っ赤で声も枯れていた。
『ほら、食べな。』
〈うわぁぁぁぁあーーーーー〉
そう叫んで叶さんに抱きついてまた泣いた。
『葛葉まだゆっくりしてていいから。』
また叶さんと2人になる。
「あの…叶さん?」
『ん?』
「なんで……あんな泣いてたの?」
『………。』
「叶さん?」
『明那。座って。』
「?はい。」
自分の正面に叶さんが座る。
『明那さ…多分記憶無いんだと思う。』
「え…?なんの?何言って…。」
『ふわっちの事。』
「……ふわっちがどうしたって、、」
『いないんでしょ、不破っち。』
「それは連絡まだつかないだけで」
『死ん……だ、って。』
「なにそれ。叶…さん、?どうしたの」
『明那、ごめん……。』
叶さんの綺麗な瞼が瞳を閉ざす。
それから、ゆっくり目に手を当てて深呼吸をする。
嫌だ、おかしい。絶対違う。そんなの……。
そんなの。
「叶さんそれは考えすぎじゃ…いくら連絡つかないからって」
『事故ったんだって、!!』
『っ……。昨日連絡あったでしょ……。』
喉から冷たい息が伝った。
心臓の奥がぎゅっと捥ぎれたような、
肺がぐちゃっと潰されるような、
分かんない…。とにかく心の辺がいたい。
いたい。
いたい。
いたい。
痛い。
痛い。
痛い。
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