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『LINE見た?あれから。』
開けばそれは記憶にあるようで、ないような、会話。
『明那、ショックで家飛び出したんでしょ。』
「え、、」
『走ってる明那見たから、声かけたんだ僕。』
『そしたら、「ふわっちに、」って言うなり倒れたの、明那。』
『そんで、今に至るって話。』
「でもふわっちと電話して…俺」
『幻聴だよ、それ。もういないんだ、ふわっちは。』
そんな、、。でも。
でも、どこかでわかってたような気がする。
ふわっちが死んだって事実から逃げたかっただけ。
まゆが居なくなってから、ふわっちと悲しさも冷たさも
全部共有してきて、支え合って生きてきて、あったかくて、
大好きだったふわっちが、
突然俺の世界から 消えた?
「ふわっち、帰ってくるって…言ったのになぁ。」
言われてしまえばすんなり受け入れちゃうもんなのかな。
叶さんの真剣な表情とかたい声が、嘘なわけないから。
ふと脳裏に浮かんだ歌を口ずさむ。
「みじめになっても よるべのない
あなたが ぼくの
きずぐちになったら
なおらないように」
『何の曲?』
「わかんない。」
そう言って無気力に床に転がった。
暫くの沈黙の後、叶さんが口を開いた。
『明日さ、海行こうよ。』
「海…?」
『会いたくない?ふたりに。』
叶さんの言う海が、何のことなのかわかった。
「行きたいです。」
『明日さ、通夜なんだ。』
ふわっちの、通夜。
すごく新鮮な言葉だった。
『その前に、行こうよ』
『式場がね、近くなんだよ、あの海に。だからついでにね。』
そうですね、って言葉が出なくて目を伏せる。
やっぱり、死んだことを理解できない。
まだこの世界のどこかで生きてるんじゃないかって
思っちゃったりする。
でも、ほんとなんだろうな。
まだ実感湧かなくて涙も出ないけど。
ふわっち、、今何してる?