この作品はいかがでしたか?
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──────いえもんさん視点──────
「おはようございます…」
レイラーさんが眠そうにまぶたをこする。やはり、レイラーさんだったようだ。
「おはようございます。ご飯出来てますよー」
めめさんはさも自分が作ったかのように言っているが、実際に作ったのは俺だし、なんなら見た目でわかるだろ…。めめさんと俺じゃあ明らかに料理スキルも飾り付けも全く異なるし、出来栄えは天と地の差だろう。
「いや、作ったのは俺なんですけど…」
「でしょうね〜師匠がお茶を点てると思えませんし。」
あ、そこで気づいたのか。てっきり料理の出来栄えかと思ったが…レイラーさんの優しさが身に染みる。
「あちゃ〜バレましたか…」
「バレますよ…どれくらい弟子やってると思ってるんですか…」
レイラーさんが呆れている。まあ、そこのふたりが何年師弟関係か分からないけど相当長いことやってるんだろうな、なんて思っておこう。
さて、朝食をとり終え、丸いテーブルを3人で囲むように椅子を並べる。白く、背が高めの机はどこかの国のお城とかに並べられていても違和感はないほどに立派な机だ。
椅子もアンティーク状になっており、めめさん…いや、作ったのはレイラーさんだろうか?まあ、どちらかのこだわりを感じる。
「私は今から1つ目の人狼事件について調べてきますね」
めめさんが第一声にその言葉を発する。その瞬間から会議が始まる。
「いや、師匠はここに留まるべきではないでしょうか?依頼組達からのSOSもあるかもしれませんし…」
「そうですね…俺もめめさんが直接行くことには反対ですね。」
レイラーさんは依頼組のメンバーの心配をしているらしい。
その発言から根は優しいこであることが容易に想像がつく。
まあ、俺はどれだけめめさんが強いってことがわかっても、不安なものは不安なため単独行動をして欲しくないだけだが…
「しかし我々がここで留まるのも…って感じなんですよね」
「なら、私が行きましょう!」
レイラーさんが勢いよく手を挙げ、その勢いでテーブルを叩く。
その音には俺、音の元凶でもあるレイラーさんがビクッと肩を跳ね上がらせる。
レイラーさんが短く咳払いをして、このグダクダになってしまった空気を一旦正す。その後にレイラーさんは話を続ける。
「私が師匠の手と足となり働きましょう!魔女の情報網を侮らないでくださいね!」
「…可愛い弟子には旅をさせよ…って言いますけど…相手は無差別殺人犯共ですよ?うかつに手を出すのは危ないと思います」
レイラーさんは自信ありげに、めめさんは不安げに話す様子は2人の意見の違いが見える。
めめさん的にはレイラーさんを危険な目に合わせたくなくて、レイラーさん的にはめめさんの役にたちたい。こんな感じで話が少しズレている。
「まあ、師匠がそこまで言うなら適当な魔女との視覚共有をして情報集めますよ?私種族長なんで✨」
レイラーさんの気合いに負けたのか、それともその明るいオーラにやられたのかついにめめさんが折れた。
「…わかりました。レイラーさんは情報収集お願いしますね。ただ視覚共有にしましょう。いざとなったら依頼組を助けられるようにしておきましょう」
「俺はどうします?」
「能力強化訓練を行いましょう。人間は到底人外に勝てませんから。」
「わかりました」
遠回しに戦力にならないと言われた気がする。まあ、実際その通りだからなんも言えないが…
「じゃ、視覚共有するのでしばらくもぬけの殻になると思います」
「わかってますよ。頑張ってくださいね。期待しています」
「ッ!!」
レイラーさんが親指を立て、グッドを表すように手を変形させ、その後にダラりと手が下がり、魂が抜けたかのように椅子に寄りかかり、重力にしたがって身体をおとす。
「…え?」
思わず声をもらす。いや、え?
「あれ?いえもんさんは見るのは初めてですか?」
めめさんの平然とした表情を浮かべているため、尚意味がわからない。どういうことだ…?と混乱していると、めめさんが解説してくれる
「視覚共有している間はレイラーさんの場合全ての魔女の情報を見ているので、それだけに集中するために、ほかの機能を一時的に低下させて、その分を情報を見る分に回しているんです。」
「…簡単に言いましょう。今、レイラーさんは見ることに全能力を振っているんです」
「なるほど…少しわかりました。ありがとうございます」
「あ、少しなんですね…」
まあ、種族長の能力の1種程度に思っておこう。
「さて、それじゃあ訓練を──────」
──────ザバァァンッッ
めめさんの言葉を遮るように大きな音が城内に響き渡る。
すぐにわかった。これは水の音だ。
めめさんを見ると既に風呂場に駆け出している。俺もそのあとを追うことにした────
ここで切ります!最近出すのギリギリだな〜とか個人的に思ってます。まあ、今日は習い事があったのでしょうがないと思って欲しいです…
それでは!おつはる!
コメント
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魔女…すげぇなぁ
ウパさん達帰ってきたか?