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『そういえばえななん、昨日はどうして来なかったの?』
「昨日、昨日っ……!」
『え、何怖い』
私は瑞希に昨日あったことの全貌を話した。
まず宮女で小テストがあって、私が単語帳から問題を出そうとしたこと、そして発音が悪く、なんなら間違っており訂正されたこと、それから読み方をトレーニングされたこと。
瑞希にこの話はしたくなかった。反応が予想できるからだ。案の定瑞希は──。
『アッハハハハ! えななん、何の単語をなんて言ったの?』
「いやもう覚えてないわよ、とりあえずinterpretを……」
『めちゃくちゃ発音いいし!』
と、瑞希は机を叩いて声を押し殺して大爆笑。
『……いやー大変だったよね。雪が』
「雪じゃなくて、私の方が大変だったから。何時間拘束されたと思ってるのよ、こんなことなら学校行けばよかった……」
『え、ちょっともう一回あの単語言ってよ』
「interpret」
『っ〜〜〜〜〜〜!』
そうして声にならない笑い声を上げる瑞希。
そこまで笑うこともないと思うんだが。それからピコン、とログインする音が聞こえてきて、声が入る。
『もう二人共いるんだね』
「あ、K〜。Amiaどうにかしてよ」
『っいやもう、ほんとムリ……ふふっ』
『Amiaがどうしかしたの?』
「ほら、昨日私──」
と、私は昨日あった出来事を話していく。瑞希はようやく笑いが収まり、静かになっていた、
『だからいなかったんだ。Amiaはなんでそんなに笑ってたの?』
『ほら〜えななん言ってよ〜』
「いやそんな面白いものでもないから。interpret」
『おお〜』
奏の感心する声と、瑞希が笑う声が聞こえてくる。なんだかここまで笑われると流石にムカつく。
「いや、それ以外にも練習したからね。えっと、requestとかovercomeとか」
『はつ、おんッ……くっ……!』
『えななんは凄いね』
「でしょでしょ! 昨日頑張ったんだから」
ずっと笑っている瑞希は放っておこう。奏はこうやって認めてくれるから好きなんだ。
『はぁあ〜……。ちなみに、えななんってその意味知ってるの?』
「意味……? さあ……」
『それ意味なッ……っ──あ、ちょっとボクもうむり』
瑞希はミュートし、残された奏と私。
『そっか、昨日セカイに行っていれば……』
「え?」
『ううん、何でもないよ。作業しよっか』
キーボードの音が鳴り出す。
もし奏も来ていて、英語ができたなら、鬼コーチが二人になるから嫌だ、とは言い出せなかった。