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「世界中の人たちも含めてもあなたが七番目なの。七番目という強い呪術的意味を施されたコーヒー豆。……ラッキーナンバーでもあるわね……。それは、そう……夢の狭間で異界のものになってしまう。でも、そうはならなかった。きっと、あなたはすでに悪夢を変容してきたのよ」
呉林は緊張した面持ちで私を見つめながら話してくれる。
「七番目の意味には、もっと簡単に言うと、夢の世界と現実の世界に挟まる危機的な意味があるわ。それは異界のものになってしまうこと。でも、古い預言書に書いてある七番目の覚醒者というものがあって、あなたはその七番目の覚醒者よ。あなたが元々持っている力とは、現実……。つまり、この場合は元の世界ね。その世界の現実の太陽の力を得られて、あなたは悪夢の世界から現実の世界へと強引に起きられるの。そして、私たちが普段暮らしている現実の世界というのも不思議な力が在って、私たちが普通に暮らせられるのはその力のお陰。そして、あなたの持つ現実(太陽)の力は夢の世界を変容することが出来るの。簡単にいうと異界のものにならずに太陽神の加護を受けて助かっているというわけ」
そこまで話すと呉林はニッコリして、
「気楽に考えましょうよ。難しいのは解るわ」
「ああ」
まとめると、太陽から力を授けられ、とても危険な異界のものになってしまう七番目のコーヒーを飲んだという事。
生れつきで夢から起きやすい。……ただ単に運が良かったのだろうか。
ふと、私は何気なくサイドミラーを見た。
そこには、サイドミラーに映る遥か遠くの複数のフルフェイスのライダースーツが、土煙を撒き散らし、猛スピードでこちらに走って来るのが見えた。まるで暴走族の集団のようだ。手にはそれぞれ斧などの凶器を持っていた。
「霧画さん! 危ない! 武器を手にしたバイクの群れが近付いてくる! 危険だ!」
「え、この車高いのよ!赤羽さんダッシュボードを開けて、中に銃があるわ!」
「銃ですか?」
私はダッシュボードを開けると、本当に一丁の小型拳銃があった。それは弾が6発の回転式拳銃だった。違法なものを目の当たりにしてしまったが、今はそれどころではない。
私は緊張した体を叱咤して銃を握る。