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都心から少し離れた郊外の高校。その校舎は、見た目も成績もトップクラスのエリート校だった。制服はピシッとしたブレザー、校則は厳格。だが、その校則の隙間を縫うように、ひとつの伝説が生まれていた。
それが――
「交響六人衆」。
らん、こさめ、いるま、ひまなつ、すち、みこと。
この六人は、成績優秀で品行方正な顔を持ちながらも、裏では“最強の不良グループ”として校内外に名を轟かせていた。
卒業後も、六人はそれぞれ有名大学に進学。理系、文系、スポーツ推薦、バラバラの学部でも、変わらぬ友情は続いていた。
「みんな、そろそろ集合しろよ」
らんがグループのリーダーらしく、控えめな声で号令をかける。彼の前では、普段のクラスでの礼儀正しい彼らの姿は想像できなかった。
「今日もやることやって、終わったらみんなで遊ぼー!」
元気いっぱいのこさめは、その声に応えるように跳ねる。やんちゃな笑顔が、逆に彼らの結束力を強めていた。
「大学って言っても、俺たち、ただの学生じゃねえからな」
いるまが腕組みをして言う。彼の言葉に、みんなが頷く。
「表の顔は真面目な大学生。裏の顔は……ってな」
ひまなつは気だるげに、でもその目は真剣だった。
表向きはエリート、でも裏では街の不良たちに一目置かれる存在。
彼らはそれぞれが抱える事情と秘密を胸に、今日もまた顔を合わせる。
「どんなに遠く離れても、縁は切れないよ」
すちが静かに言った。
「それが、俺たちの誓いだから」
みことはほんわかと微笑む。だが、その瞳にはどこか影があった。
六つの影がひとつに溶け合う――
それは、誰にも真似できない、強くて優しい絆の物語の始まりだった。