テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
369
第11話「やっとかよ」
放課後。
俺は廊下を歩いてた。
特に用事はない。
ただ、
教室に忘れ物しただけ。
(めんどくさ)
自分の教室の前まで来て、
扉に手をかける。
その瞬間、
中から、声。
「……嫌じゃない」
(……は?)
聞き覚えある声。
ぷりっつ。
思わず手、止める。
(何の話?)
もう一つ、声がする。
あっきぃ。
(あー)
なんか嫌な予感する。
開けるか迷う。
でも、
ちょっとだけ気になる。
ほんの少しだけ、
扉、開ける。
隙間から中を見る。
(……は?)
まず見えたの、
2人の距離。
近いとかいうレベルじゃない。
ほぼない。
しかも、
ぷりっつ、顔真っ赤。
あっきぃ、めっちゃ余裕の顔。
(あー……)
完全に理解した。
(そういうことね)
ちょうどそのタイミングで、
あっきぃがぷりちゃんの額に軽く口付けする。
(うわ)
見たくなかったやつ。
一瞬で察する。
(終わったなこいつら)
いや、
始まったのか。
どっちでもいいけど。
「……」
静かに扉閉める。
(入れねえわ)
今入ったら、
絶対気まずい。
というか、
俺が邪魔。
少しその場で考える。
どうするか。
結論。
(あとででいいか)
忘れ物なんて、どうでもよくなる。
それより、
さっきの光景が頭から離れない。
(ついにか)
前から怪しかったけど。
ここまで分かりやすいとは思ってなかった。
というか、
ぷりっつ、あいつ顔に出すぎ。
(絶対いじれるやつやん)
口元が少し緩む。
あっきぃはあっきぃで、
あれ絶対分かっててやってる。
(性格悪)
でも、
楽しそうだった。
あいつがあんな顔するの、
正直ちょっと珍しい。
ちょっと俺としては寂しさもあるけど
(まあ)
悪くはないか。
階段降りながら、
軽く考える。
次会った時のこと。
「……」
ニヤける。
(どういじるか)
ぷりっつ。
あいつ、
絶対隠しきれてない。
「彼女できたん?」
とか言ったら、
一発で顔に出るな。
(楽しみ)
あっきぃはたぶん、
止めない。
むしろ横で見てる。
(最悪なコンビ)
でもまあ、
嫌いじゃない。
むしろ、
ちょっと面白い。
「やっとかよ」
誰もいない廊下で、
小さく呟いた。
翌日。
教室。
(来た)
朝、扉開けた瞬間で分かる。
空気。
あいつら、
何も変わってないつもりで変わりすぎ。
ぷりっつw
席についてるけど、
落ち着きなさすぎ。
で、あっきぃ。
普通の顔してる。
(いや普通じゃないな)
たまにぷりちゃんの方見て、
ちょっと口元緩んでる。
(あー、なるほどね)
完全に理解。
俺はそのまま、
何も知らない顔で近づく。
「おはよ」
「……ぉはよ」
声、ぎこちない。
あっきぃは普通に、
「おはよ」
席に座りながら、
わざとらしくため息。
「昨日さー」
その一言で、
ぷりちゃんの肩がビクってなる。
(分かりやす)
「放課後教室行ったんだけどさ」
「……」
「誰もいなくて」
チラッと見る。
ぷりちゃん、固まってる。
あっきぃ、
ニヤニヤしてる。
(こいつ止める気ゼロだな)
「なんかさ」
わざと間を置く。
「甘い空気だけ残ってたんだよね」
「は!?」
ぷりちゃん声でかい。
周りちょっと見る。
「何の話や!!」
「いや別に?」
しれっと返す。
「でも不思議だよなー」
さらに続ける。
「教室ってあんな空気になるんだ」
「知らん!!」
顔、真っ赤。
(最高におもろい)
あっきぃの方見る。
目、合う。
完全に通じてる。
(あ、これいけるわ)
「なあ、あっきぃ」
「ん?」
「ぷりちゃんってさ」
わざとらしく考えるふり。
「彼女できた?」
「はあ!?」
爆発。
教室の空気が一瞬止まる。
周りのやつらも軽く注目。
(きた)
「なんでそうなんねん!!」
「いやだって」
肩すくめる。
「昨日の反応的に」
「何の反応や!!」
あっきぃ、
横で普通に笑ってる。
(止めろよ一応)
いや止めないか。
「違うの?」
「違うわ!!」
即答。
でも説得力ないよ。
「へえ」
ニヤッとする。
「じゃあさ、好きな人できた?」
「っ……!!」
詰み。
完全に言葉止まる。
(分かりやすすぎ)
周りの空気、
ちょっとざわつき始める。
「え、マジ?」
「誰誰?」
(いいね、広がってきた)
「ちゃうって!!」
「何が?」
「そんなんちゃう!!」
(“そんなん”って何)
あっきぃがそこで口開く。
「じゃあ俺じゃないってこと?」
(おい)
あ、ぷりちゃん固まった。
「……っ」
完全に止まる。
教室、
一瞬で静かになる。
全員、察し始める。
(終わったな)
「ちが……」
言いかけて、
止まる。
言えない。
否定できない。
「え、え、ちょっと待って」
「そういうこと?」
周り、一気に盛り上がる。
ぷりちゃんは顔覆ってる。
「もう無理や……」
小さい声。
耳まで真っ赤。
あっきぃ、
そんなぷりちゃん見て、
めちゃくちゃ楽しそうに笑ってる。
(ほんと性格悪いな)
でもいつもより、
ちょっとだけ優しくも見える。
そのまま、
ぷりちゃんの肩、軽く引き寄せる。
(おいおい)
「否定しないならそういうことだよね」
さらっと言う。
トドメ。
「マジじゃん!!」
「やば!!」
ぷりちゃん、真っ赤なまま固まってる。
俺はそれ見て、
軽く笑う。
「隠す気ないなら、もういいだろ」
あっきぃと目が合う。
向こうも少し笑う。
(まあ)
悪くないな。
この感じ。
コメント
1件
もうクラス公認✨️