ア・プリオリ

ここからはやっとお話が進みます。

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今日の仕事も無事に終わり、俺はスマホを眺める。

アツシさんに連絡をとってOKすればいいのか断ればいいのか、どうすればいいか自分でもわからない。

『 友達からでいい』と言ってくれたアツシさん。アツシさんと話すのはきっと楽しいに決まっている。でも本当にそんな失礼な事をしてしまっていいのだろうか？

スマホを手に取り百面相をしていると後ろから声がかかる。

「涼ちゃん」

「あっ、元貴どうしたの？」

慌てて視線をスマホから上げ振り返ると、なんだか深刻な顔をした元貴が立っていた。

「話しあるんだけどちょっといいかな？」

「？大丈夫だけどなに？」

どうしたんだろう？いつもと違う雰囲気にちょっと驚く。

「こっちに来て」

そう言って少し離れた誰もいない部屋に連れて行かれる。

先に部屋に入るように促した元貴が後ろ手にカギを閉めたのがわかった。

なんだかよくわからない沈黙が続く。

「ねぇ、涼ちゃん。今日はアツシさんと飲みに行くの？」

「えっ？」

突然の質問にびっくりして目を見開く。

「ごめん、さっき廊下で聞いちゃったんだ。それに前にもアツシさんと２人で飲みに行ったの？」

聞かれていたのか…。

「あっ、うん。前に会った時に連絡先交換してて、前の仕事休みの日に誘われたんだ」

こちらをじっと見つめてくる元貴の目を見ている事ができず視線をそらしてしまう。

「涼ちゃん、アツシさんに口説かれてるんだろ？」

えっ？とびっくりして元貴の顔を見つめる。

「さっきアツシさんに言われたんだ。涼ちゃんの事本気で口説いてるんだって」

「…ごめん」

顔をしかめる元貴に無意識のうちにあやまっていた。

「どうして涼ちゃんがあやまるんだよ。何か悪い事でもしたの？」

「いや、そうじゃないけど…でも元貴には変なこと想像させちゃったんでしょ？気持ち悪い思いさせちゃったよね、ごめん」

きっとあの日の事があってからそういう方面に敏感になってしまったんだろう。元貴がしめす拒否反応に心が沈む。

「でも大丈夫、安心して。俺、絶対に元貴と一緒の時はお酒飲んだりしないしさ」

少しでも元貴に嫌われたくないと必死に言葉を紡ぐ。

「もう絶対に元貴とあんな事しないから、安心して。二度とないって約束する」

だからお願いだから俺の事を拒絶しないで。

そうすると元貴が足元を見つめたまま聞き取れないほど小さな声で何事かをボソリとつぶやいた。

「元貴？」

そう声をかけた途端、元貴がバッと顔を上げすごい形相で俺との距離を詰めてくる。

身体がくっつきそうなところまできた元貴は俺を見上げると、何が何だかわからずオロオロしている俺を一瞬すごい顔でにらみつけてきた。

「もっ、元貴？」

動揺しながら声をかける俺の首の後ろに元貴の手が回されグイッとすごい力で引き寄せられたかと思うと、そのままの勢いで唇を塞がれた。

えっ？

俺はあまりの驚きと引き寄せられた勢いで足元のバランスが崩れて床に座り込んでしまう。そうすると驚きで開いた口の間をすり抜けて元貴の舌が入り込んできた。すごい力で抱きしめられ思いっきり舌を絡ませてくる。

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大変お待たせして申し訳ございませんでした。やっと２人の関係が進み始めました。

でも甘い雰囲気の全くない展開です。

それにしても涼ちゃんもっくんの神経逆撫でするのうますぎ😅