テラーノベル
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ナイフでぼくのからだを
切ってみると
とげとげとした
ハリネズミみたいな
心が出てきた
よくみてみるととげとげは
ぜんぶガラスへんだったよ
さわると
てがきれちゃっていたかった
このとげとげのガラスへんの
しょうたいはなんだろう
もーとっ
顔がきれるぐらいに
かおをちかずけてみた
それはきょううけた
こころのモヤモヤや
おこられたこと
ちゅういされたこと
いやだったこと
かなしいこと
りふじんなこと
みとめきれないこと
こまった、かなしい
ぜんぶぜんぶ
かたくなって
シーグラスよりも
きたなくどすぐろく
きらきらとひかっている
みていると
こわしたくなってきた
こわれてしまえば
いいのにとっ
おもった
おもいっきり
なげようかとおもったけど
こわくてなげれなかった
ぼくはじぶんがきらいになった
だれかにこわしてもらおうとしたけど
むりだった
だれもこわしてはくれない
『だいじだからね』
『ひつようだからね』
それはきみたち
おとなのかちかんでしょ
ぼくはつらいからいってるのに
あれっ
やめてよ
そんなこと
ねぇ
やさしくハグなんてしないで
ぼくはやさしさなんて
わからないから
やさしくしても
みんなおこるんだから
ぜんぶぜんぶ
しっぱいするんだから
じぶんがいたくなるんだから
そんなに
やさしくしないでよ
かばわないでよ
よけいに
くやしく、みじめににるんだから
ねぇ
ぬわないで
いれないで
こころのなんてひつようないのに
こんなかんじょう
ぼくきらいだよ
『やさしさ』
なんて
ひかりのせかいにいったって
いたくなって
ぼろぼろになって
かえってくるんだから
だって
かえってきて
いやになったから
すてようとしたのに
また
だれかをぼく
はきずつけるんだろうな
てをひかれていっても
こんどはきみかもしれないし
きみの
たいせつなひとかもしれない
なんできみは
それでもいいというの?
きみのことを
ほんとうの『やさしさ』てっ
いうんだね
あたたかいよ
うれしいよ
とげとげが
とけていく
ひだまりのなかで
コメント
1件
うわあ……これ、すごく胸に刺さりました。ガラス片みたいな心の描写が痛いくらいリアルで、子どもが抱える「見えない傷」をまざまざと見せられた気がしました。特に「やさしくハグなんてしないで」のところ、大人の善意が逆に子どもを追い詰めることへの叫びに感じられて、読んでいて苦しくなりました。でも最後の「とげとげがとけていく」にほっとした。日溜まりのような優しさが、ちゃんと届く世界であってほしいです。