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⚠️注意⚠️

この物語は、特定の国を批判する、戦争賛美などの意図はありません。

※BL要素️⭕️

※🇺🇸×🇨🇳

※口付けシーンあり

※匂わせあり

これらが良い方は本編へ↓







洒落たBGMと豪華な飾りが、店内を陽気な雰囲気に染める。

ここは中国が経営する、中華料理屋 兼 宿屋だ。

しかしあまり目立たない場所に建っているようで、お客は少ない。


中国『……。』


案の定、中国はお店のカウンターで頬杖をついている。

今日のお客は今の所0。

この店でやっていこうとは思っていないが、流石に誰も来ないと悲しいものだ。

やはり立地が悪かったかと考えていると、カランカラン と軽い音を鳴らして客が入ってきた。


中国『いらっしゃいネ……って、はぁ…』


中国は今日初めて来た客を歓迎するが、その気持ちは一瞬にして崩れ去った。

なぜなら、そのお客が―――


アメリカ『…よぉ、China』


美国アメリカだったからだ。


中国『……何しに来たアル、美国。』


中国は、来たヤツがアメリカだと知った瞬間、態度を変えて睨みつけた。

それに対してアメリカは、怯えることも無くヘラヘラとしながら中国に近づいた。


アメリカ『そんな警戒すんなって。笑       すこーしだけ…』

『お前と話すだけだからさ。』


いつも身につけているサングラスを少しずらし、中国に伝えた。

彼の青く透き通った瞳が、中国の黄色と真っ黒の目を覗く。

中国は、自分の考えていること全てがバレているのではないかと思い、恐怖を感じた。


中国『…ッ……だったら、早く済ませるヨロシ。お前には1秒でも早く帰って欲しいアルからな。』


何とかアメリカに対しての恐怖心に蓋をし、言葉を返す。

するとアメリカは、中国の目の前に座ってこう言った。


アメリカ『……俺の嫁になれ、中国。 』


中国『…………は?お前、何言っ…?』


中国は驚き、数秒だけ固まってしまった 。

それもそのはず、だって敵国が告白してきたのだ。


中国『……笑、気色悪い冗談アル。ついに頭でもおかしくなったか?美国。』


だがすぐに冷静さを取り戻し、返事をする。

まずこいつのことは好きではないし、こんな見え見えの罠、回避しないわけが無い。

だと言うのに、アメリカは


アメリカ『……俺は本気だぜ?』


と真剣な顔で言い、なかなか引かない。

そんなアメリカに中国は嫌な予感を感じながら、言葉を返した。


中国『そんなに我を東側そっちに引きずり込みたいアルか。』


アメリカ『そんなことねぇよ。俺はお前が好きで嫁になってほしい、それだけだ。』


まだ化けの皮を外さないアメリカに、痺れを切らした中国は最悪の質問をしてしまった。その後自分がどうなるかも知らずに。


中国『…じゃあお前は我相手に”そういうこと”もできるんだな?笑』


中国はアメリカに問いた。その時の中国のイタズラな笑みが、アメリカを釘付けにする。

少し間があき、アメリカの葛藤する顔が見れるかと中国は思っていたが、それは違っていた。


アメリカ『あぁ、できる。』


中国『なッ…』


顔色変えずに、こちらをじっと見つめてアメリカは答えた。 中国は顔を青くするが、時既に遅し。アメリカの顔はもう近くにあった。 リップ音が店内に響き、少しの喘ぎ声も聞こえた。

しばらくして アメリカが口を離すと、中国はふらつきながら口元を抑え、後退りする。


中国『… お、前……!』


アメリカ『……ここって、宿屋でもあったよな。』


睨みつける中国をよそに、アメリカは独り言を呟き好きな人中国を姫抱きした。


中国『!?!?ちょ、離せっ!本気か!?』


当然中国は暴れるが、アメリカはそんなのお構い無しに部屋の寝室へと足を進める。


そこへ着くと、まだ暴れている中国に一言。


アメリカ『…じゃ…』

『楽しもうな?♡』










翌日




カーテンの隙間から太陽が覗く。

その光で、眠っていた中国は目覚めた。


中国『……ぅ”…ん”…』


少しだけ声を出してみると、ものすごく声が枯れていたので水を取りに布団から出ようとした。


中国『………!?ッ〜〜〜〜〜!』


が、それは腰の痛みによって阻まれた。


中国『いっだ…』


そうやって中国が腰に手を当て痛みに悶えていると、扉の奥からアメリカが食パンと1杯の水を持ってやって来た。


アメリカ『!あぁ、起きたか。…昨日はすまないな、激しくしすぎたぜ。』


はははと悪びれもなく笑うアメリカは、そう言いながら朝食を差し出した。

受け取った中国は1杯の水を全て飲み干すと、言葉を発した。


中国『…思い出したアル……よくもやってくれたな美国。』


キッとアメリカを睨みつける中国だが、その目には昨日の嫌悪さは見えず、どこか優しさが混じっていた。


アメリカ『言ったのはお前だろ?俺は行動に移しただけだっつーのー!』


睨まれた本人は、自分は悪くないと中国に責任を擦り付けている。


中国『行動に移すなアル!!』


中国がそうツッコミを入れれば、ドッと2人の間で笑いが起きる。

そう2人で笑いあって、一瞬の幸せな時を過ごした。





アメリカ『………なぁ、昨日の返事…って…。』


落ち着いたところで、アメリカは中国に聞いた。昨日の告白についてだ。


中国『………』


中国は少しだけ驚いた顔して、アメリカから少し視線を外し答えた。


中国『……言ったはずヨ、美国。我はお前とは恋人関係にならないと。』


アメリカ『……』


中国『我はお前の敵国ネ。そんな奴がお前の隣に立つのは周りから見れば不愉快ヨ。』


いつもの中国とは違い、優しさが溢れる声色で話す。


アメリカ『……… 』

だが、それも今日でおしまい。最初で最後だ。

中国『……だから、諦めろ。美国。』

釘を刺すように、強めにアメリカへ言う。

アメリカ『……はは、わかったよ。今は諦めてやる。』

だがそれでもこのアメリカというやつは諦めないようだ。


アメリカ『……いつか、お前を俺の隣に立たせてやる。』


中国『……ふんッ、やってみろアル。できるモンならな。』


お互いを見つめ、そう言った。





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