その優しさで私をほどいて。

その優しさで私をほどいて。

オメガバース×百合

あらすじ必読

少し書き方変えました。

【side👯】

この世界は男女の1つ目の性とα・β・Ωの2つ目の性のそれぞれをもった世界だ。ここで詳しく話すと長くなるからあまり話せないが、自分はこの中でも一番立ち位置の低い「Ω」。

元々ウサギはどうやら生物的なヒエラルキーでも立場が弱いらしい。そこが強く協調されたのか私の2つ目の性である、「α」、「β」、「Ω」のうち、これも立場の弱い「Ω」になった。まぁ言い方は良くないけど、「α」の性処理で次の世代の優秀な「α」を残すための道具でしかないんだろう。正直「α」に本能的な意味合いで守られるとする以外、「Ω」として生きるのにはハードルが高すぎる。「α」は好印象な目では見れないし、誰かの道具になるくらいなら、自分（Ω）の短い一生を自由に過ごす方が良いなんて思ってた。でもそんな自分でも養ってもらえる相手（α）が出来た。

「あ、あのっ…ぺこら…？」

「…どうしたぺこか。」

「な、なんで私の上に…乗ってるの…？？？」

「…あんたがぺこーらのヒート（Ωの発情期）に反応してるから。」

「だ、ダメだって…あたし達、まだ“番”じゃないでしょ…？」

「…するのはダメってことぺこか？」

ぺこーらと付き合っている相手（α）というのは、マリン。付き合ってはいる、交際もしている。けれど、“番”じゃないし、まだ”そういうこと“はしたことがない。絶賛マリンは今、ぺこーらのヒート（Ωの発情期）に当てられて、ラット（αの誘発性発情）を起こしているらしい。”ラット“っていうのは「Ω」のヒート（Ωの発情期）時や日常的に分泌される

”フェロモン“によって「α」がそれを刺激として受け取って、発情状態になる。理性を制御できず、本能に支配された「α」は「Ω」をその場で強姦したり、暴力的な行動を取ったり…と、

とにかく余裕がなくなってしまう。「Ω」が抑制剤や首輪をなしに自由に街を出歩けないのはこれが要因の一つでもある。そしてそのラット（αの誘発性発情）を一時的に抑える方法は一つしかない。それは”ヒート（Ωの発情期）状態にある「Ω」と性行為（◯ックス）をして、「α」が「Ω」のうなじに噛みついて“番”を成立させること。“免疫の強さとか、そもそもの体の強さが「α」にはあるため、抑制剤で抑える云々は実際不可能に近い。

でも、なんだろう…マリンとなら……

「だ、ダメに決まって………」

「じゃあどうやって治すぺこか。方法は一つしかないぺこでしょ？」

「ｯだからってぺこらは自分の体許していいなんて思ってんの！？」

「ｯ……！」

【side🏴‍☠️】

自分でも驚くくらいの声が出たし、ぺこらに対して大きな声で怒ったのはこれが初めてかもしれない。確かにぺこらの言いたいことは分かる。実際ラット（αの誘発性発情）は”あの方法“でしか治せない。「α」の丈夫な体には抑制剤なんてもんは効きはしない1人で自慰したって治るのには時間がかかりすぎる。だったらもう方法はそれしかないのである。

「ま、マリリン…？」

「……「α」は怖いんだぞ？」

決して強いから自慢したいとかそういう意味合いじゃなくて。ただぺこらは「Ω」にしては

”αの本能“を知らなさすぎると思った。

「別にどうってことなんか……」

ﾄﾞｻｯ…

「ｯ…！？//」

「……こんなことされて、怖くないと思える？」

「ま、マリン……？」

「ほら、怖いでしょ？今から服脱がされるんだよ？裸見られるかもしれないんだよ？首とかうなじを噛まれるんだよ？挿れられるかもしれないんだよ？妊娠するかもしれないんだよ？」

「ｯ……マリンなら良いって、なんで分かってくれないぺこか…！//」

「…え…？」

「マリンが「α」でぺこーらが「Ω」って分かってて付き合ったぺこなんでしょ！？何もかも初めてみたいに言うなっつってんの…！！」

「ぺ…こ…ら…、」

「あんたが最初なんだから、ぺこーらのこと、ちゃんと“暴いて”よ…」

ぺこらが涙目でこちらを見つめる。今にも泣きそうで。

「っ……分かった。じゃあ…“番”になるんだね、マリン達。」

「……ほんとおそい。ばかマリン。」

「…ごめん、じゃあ服脱いで？」

「言われなくても分かってるぺこ……」

ああなんだろう、ぺこらは私がずっと悩んできたことをこう簡単に打ち砕いて…私が「α」であることが恥ずかしく思えてきた。訴えてきた時のぺこらは確かに強かったけど、涙目と涙声で私を見てきた姿は「脆さ」と「儚さ」を感じた。やっぱりそういうところも守っていかないといけないのが私、「α」の役目なんだって。だからこそ私達は今までの曖昧な関係性を抜け出して、線を引いたけじめをつけないといけない。

「ぺこら…もう…いい？」

「はやくしろ…ぺこっ…ばかっ…//」

「ん、かわいい。じゃあ、噛むね？」

そう問うとぺこらは私にだけ見えるように小さく頷いた。そして私は、ぺこらの色白な肌に

ゆっくり優しく歯を立てた。

その瞬間、初めて心から一つになれた気がした。

END