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わたしが望むのは
ケンカのない仲良しな夫婦だった
わたしがわたしだと認識したのは
年中の頃
幼稚園はバス通園で
ある帰りにハッとそこにいる自分に
魂が入ったように気づいた
どのバスに乗るのか
記憶を探っても
0%
先生たちの目に気付かれず
目の前のバスにとりあえず乗るが
知らない子達の顔
窓の外も知らない景色
あゝ間違えてるんだなと
これから大騒ぎになるんだと
冷静に思ったことが
わたしの始まり
わたしは母方の祖父母と
姉弟たちと両親と暮らしてた
祖父母は
戦争時代を生き抜いた人たちで
質実剛健
母はおおらかで適当
鈍感だからこその罪がある人
でもこの母でなければ
その後もあの父と離婚せずにいたんだと思う
現在も厄介な存在のお酒大好きな父
気弱なくせにプライドばかり大きくて
怒る時はよくこんな表情になるなと
世の中を全て敵にしたような顔つきで
話はどんどんヒートアップする
これは現在進行形
これまでも
何度も繰り返し繰り返しこの姿を見せられて
諦めていたけど
つい最近の母の病気後のことで
こころが折れてしまった
わたしの周りの男って
周りの人の気持ちには反応しないくせに
自分の気持ちばかりを主張するのか
実家でも…
家庭でも…
今は連絡してない
母とだけLINEでやり取りの日々
思い起こせばそんな父に
家族は振り回されていた
マスオさんで
居場所がなかったのか
当たるところが小さく
何かのスイッチが入ると
みんなで楽しく見ていたテレビのコンセントを
抜いてだれのお金で見れるんだと
あの顔つきでまくしたてる
だれのなんて言うなら
結婚もしなけりゃいいのに
子供もつくらなければ
同居もしなければいいのに
身近にこんな大人がいると
心はむりやりに
無邪気さを
大人たちはわかっていたのだろうか
テスト前、楽しいイベント前では
必ず夫婦喧嘩で離婚だ!なんだと
祖父母やわたしたちが間に入っていた
よくもまぁ、
なんでこんなにケンカを見せるのだろう
別れないのだろう
同居となってから
プライドが高い父は自営となるが
案の定借金を作り
逃げた父
その時は本気の離婚話が出たけど
祖父母が肩代わりして
わたしたちは祖父母のために
良い子でいた気がする
相変わらずの性格も出るが
母とは金婚式も過ぎ
孫の前では好々爺の顔も見せる父になるとは
その頃はわからなかった
わたしがこの家族という渦の中で
暮らしたからこそ
結婚するなら
ケンカをしない
(子供前では絶対にしない)
誰のおかげでとお金のことは言わない人
が、最優先条件となったのだと思う
まさか
そんな風に選んだ相手が
関心がないからケンカをしなくなるとは
思わなかった
あの両親の激しさは
ある意味カラダごとぶつかりあっていて
幸せだったのか…