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「龍聖君の体……すごく綺麗」
「琴音の体の方が綺麗だ……」
「そんなこと……ない」
ジムに行けなくても十分筋肉質で魅力的な体。この引き締まった肉体に包まれてる安心感は半端ない。
すごく、嬉しい――
「琴音は男を喜ばせる体をしてる。こんなにも感じやすくて……」
途切れることなく敏感になった体を責め続けられ、いやらしい声が部屋中を埋め尽くす。
なのに……
瞬間的にまた浮かんでしまう悲しい疑問。
やっぱり、あなたはただ女性を抱きたいだけなの?
食事をする「食欲」、眠りたくなる「睡眠欲」、そして……女性を抱きたくなる「性欲」。
ただそれが発動しているだけ?
相手は……
あの時みたいに誰でもいいんだよね?
きっとそうなんだってわかってる。
私は、それでもいいと納得して抱かれているのだから。本当に、理由なんて……いらないのかも知れないね。
いつかこの人は、私ではない別の女性を抱く時が来る。
龍聖君が本気で愛した女性のことを――
私はそれまでの繋ぎにすぎない、そう思うと苦しくなる。今、こんなにも気持ち良くて、体もすごく満たされているのに……
ううん、満たされているからこそ、龍聖君が他の女性を……と考えると胸がざわついてしまうのだろう。
この男らしい肉体に抱かれると、その人は必ず龍聖君の虜になる。
私がそうだったように。
龍聖君の愛する人は、この体を独り占めできるんだ……
「琴音? どうした?」
「えっ……」
「……泣いてるのか?」
「あっ、ううん。何でもない。ごめん」
バカな私は、勝手に先の未来を想像して涙を流し、せっかくのムードをぶち壊してしまった。
「悪かった……。無理やり過ぎたよな」
「ううん、違うよ。そんなことないから。私、疲れてる龍聖君のために何かしたいの」
「琴音……俺……」