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「……?」
「いや、何でもない。俺……琴音にはすごく感謝してる」
「私も、感謝してるよ。ねえ、龍聖君……」
「ん?」
「お願い、もっと、抱いて」
泣いても仕方がない。
これが現実だから。だったら、この瞬間は龍聖君に思いっきり抱かれたい。
「ああ。お前が望むなら、いくらでも」
濃密な時間はそこからしばらく続き、私達はお互いを満足させ合って、上り詰めるような快感に包まれながら最高の瞬間を迎えた。
息があがるほど抱き合った後の最後のキス。
舌が絡み合う間、私は、龍聖君との体の相性の良さを痛感していた。
***
それからは、時間が許す時だけ、何かに引き寄せられるようにお互いを求め合った。
龍聖君が私に甘えてくれること、それが何より嬉しかった。
「琴音、美味しそうだな」
「ダメだよ。今カレー作ってるんだから」
後ろから腰に回す両方の腕。
首に這わせる唇。
「ダメだって……」
「夜は部屋で仕事が詰まってるんだ。だから、今ここで……」
龍聖君との短いスキンシップ。
だからといって適当に済ませることはしない。
優しく唇にキスをして、気持ちを最大限にまで引き出し、私をトロトロにとろけさせてくれる。こんな風にされる度、私は自分が女であることを実感している。
これは、夫婦の真似ごと……それでもすごく幸せなんだ。
毎日、甘えたり甘えられたり。
仕事で机に向かっている時、仕事の電話をしている時……
そんな真剣モードとのギャップがすごくて、龍聖君が可愛くて可愛くてたまらない。ギュッと抱きしめたくなって、キュンキュンしてしまう。
止めたくても止められないくらいのスピードと、想像もできないくらいの熱量で、私は龍聖君をどんどん好きになっていった。
あっという間に膨らんだこの想い。
いったいどこまで「好き」が溢れ出すのか、自分でもわからない。