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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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後日談です。

相変わらずのノーチェックなので誤字脱字にある可能性大!

1話2話を見てから読んだ方が楽しめると思います






「ぐちーつ」


朝。昨日の俺が頑張ったのだろう。

シーツはフカフカしていて、ぐち逸の髪の毛もサラサラでふわふわ。おまけに俺のパーカーを着てぐっすりと寝ていた

昨日の行為で疲れていたのもわかるが、流石に寝過ぎていて起きるかどうか本当に不安になったので起こすことにする。

ゆらゆらと身体を動かして起こすと、眠そうに目をこすりながら、その瞳がパチリと俺を捉えた


「れだぁさ」

「ん、おはよう」

「おはようございます、…」

「はは、眠そう。もう大丈夫?一応薬飲んどく?」

「…いぇ、大丈夫です、」

「あそう、それは良かった」

「…あの」

「ん?」


水を取りに行こうと立ちあがろうとした瞬間、ぐち逸に僅かな力で袖を引っ張られて振り返る

そこには少し気まずそうに伏せてしまった彼がぽつりと座っていた


「どしたの」

「……あの、……ごめんなさい、」

「え?なんで」

「薬、飲むの忘れてしまって、…その、……」

「ああ、なんだそんな事?いいよそんなん。てか次からは俺が対処するからね」

「…引かないんですか?」

「引く?なんで?なにを?」

「………き、汚い姿をお見せしてしまって」

「…………はぁ、だからお前よく俺に自己肯定感低いって言われんだよ。そうゆうとこ。全く」

「…はあ」

「俺どちらかというとお前のそーゆう姿もっと見たい派の人間だから。悪いヤツなんでね。

…その、…だからそんな変な気使うなよ。俺はお前のことちゃんとスキだから」

「、……」


柄にもない事を言って目を合わせるのが恥ずかしくなる。自分の今の顔を見られたくなくて誤魔化すようにぐち逸の頭にぽすんと手を置くと、俯いたままの体がびくりと跳ねて動かなくなってしまった

あれ、そんなショックだったか?自己肯定感低いって言われるのヤだった?それとも俺もしかして臭い?

心の中で少々焦りながら頭から手を離してぐち逸の様子を伺っていると、とうとう小さく声を漏らしながら泣きだしてしまった


「えっ、え?そんな嫌だった?うそ、泣いてる?」


彼の地雷を踏んでしまったのだろうか。

流石に泣くとは思ってなくて急いでぐち逸を抱き上げると、まだ少し残る甘い匂いが近くなり、ふわりと匂いが鮮明になる。

ぐち逸の普段の匂いと、甘い誘惑するような匂いが合わさって頭がくらくらしてきた

すると途端に、ぇぐぇぐいいながら首元に頭を乗せてぎゅうぅ、と服を掴まれる

そんな風に泣かれてしまって、ましてや泣いている人間の対処は全て夕コや音鳴などのギャング内の比較的明るいメンバーに任せていたからどう声をかけてあげればいいのか分からずに取り敢えずと背中をさすった


「ぇ、ご、ごめんね?ぐち逸?」


取り敢えず謝罪。謝罪してもどうにもならないことの方が多いと前にトピオに言ったことを思い出したが、やっぱり人間、自分が完全に悪いと思ったらまずは謝罪をするのが礼儀だ。

ましてや俺の仲間達は大体が日本人なので日本特有のそうゆう面倒くさい文化が移ってしまったのかもしれない


「ぐちーつ?ごめんね?なにが嫌だった?」

「ぇほっ、ぅぐ、…ッちがぅ、ちがいます、っ」

「え?なに?どしたの?」

「ぇぐ、…んくっ、…ふ、ッ…」

「ぐち逸一回落ち着こっか、落ち着いてから沢山話そ」


とんとんと背中を軽く叩いてぐち逸を撫でて泣き止むのを待っていると、しばらくして落ち着いてきたのかするりと離れていってしまった


「あぁ」

「……取り乱してしまってすみません、」

「?いや、別に良いけど。さっきから謝りすぎでしょ」

「…自分が悪いと自覚してるので。そりゃ謝りますよ」

「いや、別に悪いことしてないけどなあ。

……んで?どしたの」


体が離れても俺の服だけは相変わらず掴んでいたぐちいつの手にきゅう、と力が入るのがわかる。


小さな口でもごもご話し始めたと思えば、その口から出た言葉は“うれしかったから”だった。

嬉しかった??と一瞬思考停止したが、彼曰くオメガの性質は人によって嫌がるアルファもいるから、心の準備も相手にさせずに急に呼んでしまっては絶対に引かれると思った。理性が戻って正気になった時に、もう嫌われてしまうかと思った。

だとか。


そんな事はないと言おうとしたが、あの不安で仕方がない、と言った顔を目の前にしてしまっては、そう簡単に無責任なことを言う訳にはいかなかった

言葉をゆっくりじっくり選んでいる間に、ぎゅうっと抱きしめるとまた肩口に顔を埋めて静かになき始めてしまった


「ぐち逸」

「…俺お前のことスキだよ」

「……なんですか急に、…」

「俺の事もっと信用してくれてもいいんだよ」

「………」

「俺はお前のこと信用してるから、お前も俺の事少しは信用してくれるって信じてるけどね」

「だから。んな心配しなくていーの。俺人信用すること全然無いんだからね?」


そう言うとぐち逸がとうとう顔を真っ赤にして、ぼすりと胸に顔を埋めてしまった


「えへえ?なに?どしたの?」

「……ずるいです。ずるい」

「ずるい?なにが???いや理不尽???」

「……してます、信用。逆に私がされてないのかと、」

「はは、ンなわけ。」


ぺちぺちと頬を叩かれては伸ばされて、俺の存在を確認しているかのように優しく撫でられた。

昨日と同じ、冷たくて小さい手。


「次回もちゃんと言ってよ」

「…はぃ」

「ン。よろしい」


しばらく無言の時間が続いている。

2人で味わうように抱き合って、互いの居場所を求め合う。

ぐち逸がパートナーである印は、どこに付けてあげようか。首輪も良い。指輪だって良い。イヤリングも、ピアスだって良いな。だなんて考えながら、幸せな時間に夢中になって浸っていた。

するとその時間を壊すかのように、ぐち逸がもぞりと動いて口を開く


「………レダーさん」

「ん?」


「ありがとうございます」

「…んふ、いいえ」


唐突な言葉に一瞬驚くも、すぐに嬉しいという気持ちの方が頭の中を埋め尽くしていく

嬉しい。ぐち逸はずっとこれから俺のもの。本当に嬉しい。こんな気持ちになったのは初めてだ。


あぁ、今日は気分がいい。何でも出来る気がする

本当に幸せ。幸せだ!



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