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読了しました〜!今回の話、喧嘩からの仲直りの流れがすごく丁寧でほっこりしました☺️💕特にカゲツくんの「トマト作戦」が可愛くて優しくて…あれ、殺虫剤じゃないのにちゃんと効果あったの面白かったです(笑)伊波くんの冷静な対応と、最後にみんなでハンバーグ食べるところ、本当にいいチームだなって思いました。星導くんと小柳くんが互いに報告書書いてたの、じわじわ来ました…素直になれない感じ、すごく伝わってきましたよ🖤
喧嘩した星導と小柳を何とか元に戻す話。
星導「雑魚狼。」
小柳「タコ。」
伊波「あいつら終わってんな。」
任務後、のんびりとした昼下がり。そんな中、ディティカの拠点ではちょっとした口論が起こっていた。
きっかけは、報告書の始末。ロウが書き忘れていた報告書を、るべが見つけて指摘、ロウを散々煽りちらかす。
案の定ロウはキレてるべの書いてない報告書を引っ張り出して反論。そして今に至る。
俺からしたらどっちもさっさと終わらしてくれ、と言いたいところだけど、注意してうだうだ言われるのも面倒くさいので放置している。
叢雲「もうはよ書きいな。」
星導「書こうとはしましたよ。小柳君が邪魔するんです。」
小柳「はぁ?お前だって俺のボールペン取ったじゃねぇかよ。」
また虚言癖だのバカだの口論を始めるアホ共。そろそろ注意しようかと思っていた矢先、るべがやらかした。
星導「この負け犬狼!」
小柳「……は?お前もっかい言ってみろ?」
星導「負け犬だって言ってんの。」
小柳「もうお前知らない。もうきーらい。」
星導「こっちこそ好かれるのは願い下げですよ。」
叢雲「おいお前ら…!」
カゲツの仲裁も間に合わず、ロウは拠点から出ていき、るべは自室へ帰った。
無機質な扉の閉まる音が響き、リビングには二人の喧嘩して散らかした机しか残っていない。
恐らくロウのであろうボールペンが、カツンと床に落ちた。
くよくよしていても何も始まらない。ボールペンを拾い上げ、机に置く。どうするか考えていると、ふと冷蔵庫がからだったことを思い出した。
伊波「しゃーない。カゲツ、スーパー行って買い物しよ。」
叢雲「はーい。」
スーパーで、今週のご飯を考えながらカゲツと話す。スーパーの中は、軽快な音楽と宣伝ビデオの音、家族の会話で賑やかだった。
伊波「なーんで喧嘩するかなー。」
叢雲「あいつら煽り合いだけは得意やからな。」
伊波「仲良く戦ってくれたらすごい強いのにね。」
なんて、そんな叶うはずもない理想をぼやきながらもやしをかごに入れていると、カゲツが何かいいものを見つけたらしい。
ガシッと何かを掴んで、ててて、とこちらに持ってきた。
叢雲「ほい。トマト。」
出た。赤色の悪魔。近づかないよう、少し顔を後ろに引く。
伊波「うげ……。何…カゲツ食べんの?」
恐る恐るキラキラと目を輝かせるカゲツに問いかけると、いや?と否定で返ってきた。
叢雲「星導の部屋の中入れたら出てきたりせえへん?」
伊波「そんな殺虫剤じゃないんだから…。返してきなさい。」
叢雲「はーい。」
伊波「あ。カゲツ、ココアの粉買ってきて。」
叢雲「もうないん?」
伊波「もうあと1杯くらい。」
今日の晩御飯はカゲツの熱い要望でハンバーグ。材料をガサガサと袋の中から探していると、あってはならない異物が混入していた。
すぐさまカゲツを呼ぶ。俺は入れた覚えがないので、カゲツの仕業だろう。
伊波「カゲツ君。お話があります。」
叢雲「はい。」
当のカゲツは、何も分かっていないようだった。
伊波「これ。異物。カゲツが入れたの?」
叢雲「うん。僕や。ごめん…。……あの、伊波。トマトのこと異物って言わんといてあげて。」
真っ直ぐ、何の悪意もない目で見つめられる。俺はこの顔に弱い。
伊波「ごめんって。…なにに使うの?」
叢雲「なんとなく。タコんとこ置いて来てや。」
再度繰り広げられる叢雲ワールドに頭をハテナにしていると、カゲツがさらに笑顔で付け加えてきた。
叢雲「ええやん。僕がハンバーグ作っとくからさ。」
そこまで言われちゃ仕方ない。この赤い悪魔をるべのところまで持ってってやろう。
伊波「るべぇ?入るよ〜?」
ドアをノックして、すぐさま入る。ノックしたから不法侵入じゃないね。なんて心の中で言い訳をして。
いつもは返事を待っている俺が問答無用で入ったもんだから、るべがびっくりしたようにこちらを向く。
俺いいよって言ってない、だのわーわー言い出すので、皿に乗った悪魔を見せてあげる。
星導「なんで……っひ!?ライ、マジで何しに来たの…?」
途端に静かになるるべ。一歩後退って、明らかな警戒心をあらわにしている。これ面白いな。
伊波「カゲツがるべのとこに持ってって、ってさ。」
星導「カゲツが…?なんで…。」
伊波「それよりさ。」
この際だから注意してしまおう。そう口を開き、トマトを傍にある机に置いた。
伊波「これ。食べたくなかったら話聞いてね?」
無言の圧を送ると、ぎょっとしたような鋭い目が、折れたようにふにゃっとした目に変わった。
星導「はーい。」
伊波「今日の喧嘩な。るべ、「負け犬」はさすがに言い過ぎじゃない?ロウもプライド高いんだからさ。」
沈黙が続く。普段怒っているときの俺ならここから更に追い打ちをかけるだろう。でも、今日は俺もやけに落ち着いていた。正座させて問い詰めたり、追い打ちをかける気はない。
まだ沈黙は続く。
しばらくして、るべが、相変わらずトマトから顔を背けたまま、ポツリと呟いた。
星導「…言い過ぎたのはわかってるんだよ……。」
まるで子犬みたいにか細い声。るべは今の気持ちに合う言葉を探しているのか、言うのを少し躊躇っているのか、サイドの髪の毛をいじりだした。
星導「…そりゃ、俺も悪いとは思ってるし、ついカッとなって…言い過ぎたな、って…。」
一つ一つ、るべの口から言葉が漏れる。ゆっくりだけど、それを急かすこともせずに、ただゆっくりと待つ。るべの口から、本音が出てくるように。
星導「謝り…たいけど、どうやって謝ればいいか…わかんなくって。」
伊波「うん。」
星導「小柳君、もう帰ってきてるんだけどさ。顔合わせたくなくて、報告書バカみたいに書いて。子供みたいだってわかってるけど…言い出せなくて。」
伊波「うん。言えたじゃん。報告書書けて偉いね〜。さ、報告書持って。謝りに行くぞ〜。」
星導「…いや話聞いてた?謝り方がわかんないっ………て!?」
露骨に嫌そうな顔をするるべに報告書を持たせ、その腕をガシッと掴む。右手に星導、左手にトマトを持ってズルズルと引っ張り、強引に部屋から出す。
さて、ここからどうするか、と考えていると、無邪気なカゲツの声が拠点中に響いた。
叢雲「伊波〜!ハンバーグの…焼く前のやつ作れたぁ!」
伊波「え?もう混ぜ終わったの?」
驚いて聞き返すと、カゲツがまた無邪気な声で答えてくれた。
叢雲「ん〜?ああ、ロウが手伝ってくれたから!」
伊波「ロウが?…るべ!いくよ!」
星導「やだ。」
重心を落としてイヤイヤ期の子供のように動かない星導をリビングへと引きずる。
叢雲「あ!タコぉ!」
伊波「おーまえ…手…。」
リビングへと向かっている、いや、引きずられているるべの姿を見つけるや否や駆け寄ってきたカゲツの手は、両方ともひき肉にまみれていた。
伊波「ほら、洗って。」
叢雲「はーい。」
シンクの蛇口をひねって水を出し、バシャバシャと手を洗わせる。
ふと問題の彼らを見ると、絶妙な距離、絶妙な顔、絶妙な声で何やらゴニョゴニョと話していた。
星導「その…昼間は…えっと……。」
小柳「あ〜……。」
あと一息。頑張れるべ。お前ならごめんなさいくらい言える。そんな思いを込めた目を彼に向けると、パチリと目が合った。
るべも何かを感じ取ってくれたのか、バッとロウの方を向いた。
星導「ぅ〜…っ…その、昼間は言い過ぎてごめん…。」
口元は腕で隠してるけど、ちゃんと綺麗に謝れてる。満足気にカゲツを見つめると、カゲツもニコニコと笑っていた。
するとるべが報告書を両手で持ち直し、相変わらず目線を逸らしたままロウの胸に押しつけた。
星導「えっ…と…報告書、書いといたから…。ごめん、ついカッとなっちゃって…。」
両者とも何とも言えない雰囲気が流れる。
伊波「うん。あれならいけるでしょ。カゲツ、ハンバーグ焼こっか。」
叢雲「うん。」
小柳「おま、俺のやってくれたん…?」
星導「…うん。」
今度はロウが机に置いてあった紙切れを渡した。気になってよく見ると、報告書。まさか。
小柳「俺…も、煽りすぎたな…って思って…。お前の分、書いてた…。」
二人ともブワッと顔が赤くなる。そりゃそうだろう。自分より相手を優先した結果、お互いが同じ事をしているんだから。
星導「…もー…。ほんとバカじゃん…。」
小柳「…考えてること一緒かよ…。最悪…。」
また軽口を叩きあっている。でも、昼間の刺々しい雰囲気はどこにもなくて、ただ嬉しそうに呆れている、とでも言った感じだ。
叢雲「ほらタコも狼も!はよ手伝って!」
カゲツの言葉に、やれやれといった様子でこちらに向かってくる二人。ようやく元の、いつもの距離感に戻ったみたいだ。
そんな二人を見つめながら、カゲツの方へ囁く。
伊波「カゲツ、まさかトマトのときから仕組んでたの…?」
叢雲「んー?何がー?」
そんな事はどうでもいい、とでも言うようにワクワクしながらフライパンを見つめるカゲツを見て、今回のMVPはカゲツだな、なんて考える。すると、視界の端に焼き上がったハンバーグに伸びる手が映った。
伊波「おいロウ!つまみ食い禁止!」
星導「ふ、バレてやんの〜。」
それからしばらくして、ワイワイと賑やかなテーブルを囲み、みんなで焼き上がったハンバーグを食べる時間がやってきた。
叢雲「え…?ケチャップじゃないん…?」
星導「え?おろしポン酢が一番美味しい。」
小柳「いやハンバーグにはデミだろ。」
伊波「ケチャップとウスター混ぜて肉汁と煮詰めたソースでしょ。これが一番美味しい。」
やいやいとそれぞれが自分の推しソースのプレゼンをしていると、るべがあ、と急に大きな声を出した。
伊波「うおびっくりしたぁ…。」
星導「ごめんごめん。みんな1個ずつ違う味付けで食べてみよ。」
叢雲「タコ…お前天才。」
小柳「おろし増やそうぜ……むぐ…!?」
大根を持ってこようと小柳が立ち上がると、星導がハンバーグを小柳の口の中に無理やり入れてきた。
星導「おら。俺が態々作ってあげたんだから。さっさと食え。」
星導を睨みながら黙々とハンバーグを食べる小柳。しばらくして全て食べ終わった小柳が口を開く。
小柳「美味しかったけどお前の態度のせいで10点。」
星導「10点中ね。」
小柳「なわけ。1000点中じゃボケ。」
星導「嘘!?100点中じゃなくて…!?」
るべとロウが元の距離に戻ったディティカ拠点は、今日も騒がしい。
でも、それが俺たちだな、なんて。
おろしポン酢のハンバーグを一口かじった。
あとがき
翠蓮です。言い過ぎて喧嘩しちゃう星導さんと小柳さんはいます。多分。
星導さんは相手の心情だったり次に何をするかだったり、相手の行動で言葉を選んでそうなんですよ。(偏見)
だから、想定外の事が起きた時、どう対処するか分からなくなって籠っちゃうと思うんですよね。
小柳さんも、プライドに触るような事を言われるとキレるけど、しばらくして後悔するタイプだと思うんです。
何が言いたいかって、二人とも意地張って仲直り難しそうだなって話です。
11⁄5
#イラスト部屋
おちゃ @1週間猫化&執事化
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#言えない くせに 望んで しまうよ