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「この広い世界の頂点で。」
第三章 ‐ 探し物 ‐ 1
長い頭痛が続いた後、
俺たちがみた景色は。
誰もいない、商店街。
ky「誰も…いない」
rt「ここのカフェの人達も消えた…?」
ky「外、出て、みる?」
rt「そうやな」
レジの隣にお金を置き、お店を出る。
rt「…、」
街はシーンとしていて、
誰もいない。
車も通っていない。
信号もずっと青信号。
rt「とりあえず歩いてみよか」
ky「う、うん」
こういう状況でも、
やっぱりタメ口は慣れない。
rt「…キヨくん、あれ」
レト先輩が指を指す。
その先には──
赤い襟足に
黒い猫耳が付いているニット帽。
人だ。人の後ろ姿がある。
俺に似てるな、と思った。
ky「追いかけ、る?」
rt「追いかけるで」
レト先輩は俺の手を取り、
走り出す。
俺は思わずドキッとする。
そのままあの後ろ姿に向かって
走って走って、やっと追いつく。
rt「あの!」
すると、その人は振り向く。
ky「…え?」
俺だ。
何を言っているのか
分からないと思うが、
顔も体型も、俺だ。
?「…見つけた」
俺の腕を掴み、
俺を引きずるように
どこかへ連れていこうとする。
rt「キヨくん!!」
俺は必死にキヨくんに手を伸ばした。
でも、キヨくんは、
キヨくんに似た…
いや、キヨくんのドッペルゲンガー?
に、腕を引っ張られ、
そのまま、瞬く間に消えた。
rt「キヨ…くん? 」
返事は返ってこない。
rt「そうや、DM…」
DMでメッセージを送るも、
やっぱり、返ってくるはずもない
その場にしゃがみ込む。
キヨくんはどこに行ったのか。
俺はもうこのまま一人なのか。
そんなことを考えていると
?「…やっと見つけたわ、」
後ろから声がする。
恐る恐る振り返ると…
顔も体型も、
俺と同じ人間が俺を見下ろしていた。
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