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さかな
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#WB夢
紅葉 転生
53
時刻は朝5時。朝日が昇り始め、空は青くなる。
.「…パチッ」
深夜入院してきた男の子が目を覚ます。
.「…まま…?」
知らない場所に彼は不安を募らせる。
小児科ということもあり、
子どもが不安にならないように 壁はカラフルに彩られているが、彼にとっては恐怖に導く材料でしか無かった。
小児科のベッドは柵が高く、はたからみれば檻のような感じである。
彼は柵に手をかけ、強く揺さぶった。
ガシャンガシャンと大きな音がなるのも気にせず続ける。
右手首が動かないことに気がつき、
ふと見てみると柵と手首が布で繋がれている。
.「ハッ…ハッ…ハッ…」
どんどん息はあがり、目には涙が浮かんできた。
……ガシャン…ガシャン…
早朝の病棟に慣れない金属音が鳴る。
業務を終えた蘇枋は淹れたての紅茶を啜りながら、ふと時計を見る。
蘇枋「そろそろ鎮静剤が切れる頃か…」
楡井は入院対応の後仮眠に入り、そのままでいる。
蘇枋はティーカップを机に置いて、ナースステーションから近い病室に向かう。
そっ、と横開きの扉を開く。
中では男の子が柵を壊そうとしているのか、ガシャガシャと動かしていた。
蘇枋はカルテの内容を思い出し、
大人に何らかの抵抗があると察して遠くから声をかけることにした。
蘇枋「おはよう」
.「ビクッ」
分かりやすく肩を震わせて振り向く彼。
蘇枋「朝早いね。よく寝れた?」
.「……」
蘇枋「どこか痛いところある?」
.「……」
彼の綺麗なオッドアイは蘇枋を捉えたまま微動だにしない。
鼓動が早くなる。緊張が顔が強ばっていった。
蘇枋「そっち行ってもいいかな」
.「……」
沈黙を貫く。
これじゃ埒が明かないと思った蘇枋はゆっくり彼に近づいた。
.「っ…」
彼はベッドの中で後ずさりした。
蘇枋「ごめんね。怖かったね」
彼の目とあうようにしゃがみ、柵越しに会話する。
蘇枋「ここどこか分かる?」
.「…」
彼は小さく首を振り、『いいえ』を表した。
初めて返事をしてくれたことに、
蘇枋は少しの喜びを感じた。
蘇枋「ありがとう。ここは病院。風鈴総合病院って言うところ」
「昨日、君が公園で倒れてて、ここに運ばれてきたんだよ」
.「…びょーぃん」
蘇枋「!…そうそう」
「オレはこの病院の看護師。蘇枋隼飛って言います。よろしくね」
.「…コクッ」
蘇枋「君の名前教えて欲しいな」
桜「…さくら、はるか」
蘇枋「さくら君。よろしくね」
桜「…ん、コクッ」
部屋の時計を見ると、5時20分を指していた。
蘇枋「(少し早いけど、
検温と酸素濃度だけ一回測ろうかな)」
慣れるまで時間がかかると判断し、
蘇枋は脳内でスケジュールを組む。
蘇枋「さくら君、熱測ろうか」
桜「…ねつ?」
蘇枋「そう。体温計渡すからちょっと待っててね」
手際よく胸ポケットから体温計を取り出す。
蘇枋「はい。どうぞ」
なるべく桜に触れないよう、
自分でしてもらうことを判断した蘇枋が体温計を手渡す。
桜は手に置かれた棒状のソレを見つめる。
桜「…これ、なに?」
蘇枋を見ながら首をかしげた。
コメント
1件
第4話、めっちゃよかった…!😭💕 朝5時の静かな病棟で、蘇枋さんが桜くんに寄り添う距離感がもう優しすぎて泣ける。「こっち行ってもいいかな」って一言にプロの尊厳を感じたし、桜くんが初めて「びょーいん」ってつぶやいた瞬間、こっちも息止まっちゃったよ…。 オッドアイなのに震えてる姿と、蘇枋さんのゆっくりなペース、相性よすぎんか??次の話がもう待ちきれない~!🌸