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しむたゃんこれみて🥺
色々リスペクトした作品になってるかも
誤字脱字あったらごめんなさい
SFです
設定は多分読んでたらわかります
黒桃(♀)です
私が物心着く頃には父親は居なかった
私が生まれて直ぐに事故で死んじゃったんだって
母親が女手1つで私のことを育ててくれたけど、
過労のせいなのか、はたまた持病のせいなのか、
私が8歳の時に母親も帰らぬ人となってしまった
その後、私は祖父母に引き取られた
祖父母の家はとっても暖かくて、安心出来る場所だった
でも、私の祖父母も
私のことを引き取ってすぐに亡くなった
お医者さんは寿命だって言ってたけれど、ほんとうのことはわからない
周りの大人たちは私のことを
可哀想な子だ って言ってたけれど、
そのうち そう言われるようになった
その後はたしか、ご近所さんに引き取られた
でもあんまりいい記憶はない
疫病神だからという理由で差別的な扱いを受けてきたから
でもね、そのご近所さんも私が来て1ヶ月もしないぐらいで死んじゃったの
死因はたしか、
野生動物に襲われた、とかだった気がする
見るも無惨な姿で死んでたらしいよ
正直ざまぁって思っちゃった私は
やっぱり疫病神なのかな
その後、私は村を出た
出たって言うよりかは追い出されたって感じだけどね
でも私もここの村はあんまり好きじゃなかったから、別に嫌ではなかった
問題なのは生きていく術がないこと
近くは森とか山とか、そんな感じだったから
生き延びるには十分なんだろうけれど
当時の私は11歳
川があったから飲水は確保出来たけど、
食べ物はないし火もないし、寝床もないし
野生動物いっぱいいるし、私このまま死んじゃうのかな ~ って
ふらふらそのへん歩いてたら
1つの小屋があってね
人に嫌われてたし、私も正直人の事嫌ってたから
入るの躊躇ったんだけど
やっぱり生きたいって言う意志が勝っちゃって
その小屋に入ったの
そしたらそこに蛇が居て、
私の目をじっと見てきた
やっぱり私はここで死ぬ運命なのかな
って思ってたら、その蛇が人間の姿になってさ
びっくりしたよね、えって声出ちゃったもん
聞いたらその人、能力が蛇なだけだったらしくて
その人のことを詳しく聞くと、
黒蛇は縁起が悪いっていうレッテルを貼られてて、そのせいで村から追い出されちゃったんだって
でも蛇だからある程度は生きてこれたらしい
この人は今15歳で、
それで今はここで密かに暮らしてる …みたいな
それでね、その後は私の話を聞いてくれて、
あったかいご飯も、寝床も用意してくれて、
私のことを匿ってくれた
この世の中には、こんなに優しい人がいるんだって
でもさ、私疫病神だから、
私がこの人の近くにいたら、この人も死んじゃうかも知れない
そう思って出ていこうとしたの
ある程度の知識は教わったしね
そしたらその人、なんて言ったと思う?
「俺はお前から離れない、だからお前も俺から離れるな」
だってさ
ずるいよね、ほんとにずるい
ずっとここに居ていいよってさ
もっと好きになっちゃうじゃん
生まれてすぐは恵まれた環境やったと思う
家もそこそこ裕福で、
まぁまぁ贅沢な暮らしをさせて貰ってきた
でも、自分の能力が黒蛇だってことを知ると、
村の人達は悪運が付くだの縁起が悪いだの
好き放題言って、俺の事を避けるようになった
村の人はそうでも、家族ならきっとわかってくれる
そう思って自分が隠していた能力を打ち明けた
そしたら家族にも同じ反応をされた
出て行けって言われた
悲しみ、悔しみ、怒り、
どれにも当てはまらない感情が心の中でぐるぐると渦巻いていて、気付いたら家を飛び出してた
近くに山はあったから、生きてはいけるだろう
そう思ったけれど、狩の仕方も火の起こし方も何も知らない
…が、能力が蛇のおかげか、本能のおかげか、
自然と生き延びることができた
狩などにも慣れた頃、
流石にずっと蛇の姿でいるのはしんどかったから家を建てた
家っていっても、ちいさい小屋みたいなもんやけど
それでも、自分で作った割には頑丈で、安心出来る場所となった
1人で静かに暮らしてたある日
やることは一通り終わったし、蛇の姿でリラックスしてたら突然人がやって来た
見た感じ俺よりも年下の女の子って感じ
可愛らしい見た目をしてたけど、なにかに怯えてるような、少し暗い顔をしていた
とりあえずそいつの話を聞いてみた
そしたら、そいつ…ないこってやつは
俺と似たような境遇で過ごしていたらしく、
どうしてもほっとけなかった
だから、とりあえず飯を食わせてやろうと思って、ないこの好き嫌いがわからんかったから色々出してみた
するとそれだけ腹が空いていたのか、
はたまたよく食べるだけなのか、
出した食べ物がみるみるうちに、
面白いぐらいに口に吸い込まれていく
美味そうに食べるその姿に、俺は見惚れてしまった
その後はとりあえず風呂に入れてやり、
簡単に寝床を作ってそこで寝かせてやった
すやすやとちいさな子供のように眠るその姿に愛おしさを覚えた
しばらく、ほぼ同棲みたいな生活をしていたある日、ないこが突然出ていくと言い出した
この生活が嫌になったのか、
それとも気に入らなかったのか
理由を聞いてみると
「アニキに死んで欲しくないから」
という
どういうことかと問うと、
ないこは過去のことを引きずっているのか
自身を本気で疫病神だと信じ込んでいるらしく、
周りの人間が皆死んでしまうため、そのうち俺の事も殺してしまうと思っているらしい
「俺はお前から離れない、だからお前も俺から離れるな」
なぜかそう言ってしまった
自分で言った割にくさいセリフだな、とは思った
まぁ、「ずっとここに居ていいよ」って言うよりかは
お前に、ないこにずっとここにおって欲しかったってだけやねんけどな
黒:なぁないこ ~ ?
桃:ん ~ ?どしたのあにき
黒:結局、お前の能力ってなんなん?
桃:え、だから疫病神だって …
黒:やってそれは村の奴らがそう騒いどっただけやろ?
実際俺は死んでへんどころか不幸な目にすらあってへんし、なんなら運気上がっとる気するし
桃:まぁ … それはそうだけどさ …
黒:今度調べてもらいに行かへん?
桃:え、いいよわざわざ、めんどくさいし …
黒:俺はお前の能力知りたいけどな ~
めんどくさい、なんていう嘘をついたけれど
あにき曰く、私の能力はもっといいものだって思ってるらしい
これで本当に疫病神だったらどうしようっていう不安があるから、調べたくないんだと思う
でも、あにきなら、
仮に私が疫病神だったとしても、ずっと一緒に居てくれる
そう思わせてくれた人が言うのだから、
せっかくだし行ってみようかなって思って
へぇ、能力確かめるのってこんな占いみたいな感じなんだ
ちょっと面白いかも
話を聞いたところ、
この能力を調べてくれるおばあさんの能力は、人の過去や記憶を少しだけ見れるらしい
ちょっと怖いよね 笑
『これは…』
そんな事を考えていると結果が出たみたい
なんだか険しそうな顔をしている
やっぱり私の能力、よくないのかな
黒:どうでしたか?
『口で説明するのは難しいのですが …』
『所謂「神」というやつと等しいような能力ですねぇ』
桃:その神って言うのは … 疫病神とかそういう類ですか … ?
恐る恐る尋ねてみる
『いいえぇ、そんな類のものじゃないですよ』
『見方によってはそうもなるのかもしれませんがねぇ』
どういうこと … ?
隣にいるあにきもきょとんとした顔をしている
『お嬢さんねぇ、人に幸も不幸も与えることができるんですよ』
桃:…???
余計に頭の中がクエスチョンマークで埋まる
『貴方に守護神みたいなのがついててねぇ、貴方のことを守ってくれとるんよ』
桃:はぁ… ?
『貴方過去に疫病神とか言われてたらしいけどねぇ』
『それは貴方のことを守ろうとした守護神がとった行動みたいよ?』
桃:えぇ ~ …
ちょっと酷くないか守護神
これほんとに守護神なの???
黒:えっと … ないこから聞いた感じ、親とか祖父母に関しては悪いことないと思うんですけど …
そうだよね?私別に何もされてないよ?
『あ ~ 、それがねぇ
お嬢さん、自分が何かされたっていう自覚はないらしいんだけどねぇ』
『結構酷いことされてるっぽいよ』
桃:え …
話を聞くと、私の父親は私が産まれてくる前からDVをしていた男だったらしい
それで、私のことを女手1つで育ててくれた母も、まぁ私に暴力を振るってたみたい
祖父母はなんというか…
直接的にではないんだけど、ご飯の中に異物入れたり、わざと私の寝床だけ汚したり、結構酷いことされてたっぽい
んで村の人達はまぁ…言うまでもないかな
『周りの人の死因が色々違うかったでしょう?』
『それは多分ね、貴方の気持ちも関係してるんじゃないかなぁ』
たしかに …、
私のことを引き取ってくれたご近所さんは結構えげつない死に方してたし
一理あるのかな
『多分お嬢さんの守護神は
「このままじゃこの子が死んじゃう」
そう思ってそういう行動をとったんだと思うよ』
桃:そう、ですか …
帰り道
黒:…行ったこと、後悔しとるか?
桃:ん ー ん、してないよ
桃:むしろ能力とか自分の本当の過去しれてよかったって思ってる
黒:そうか …
黒:なんか ごめんな
桃:…あにき、あんまり自分のこと責めちゃダメだよ?
桃:行くって言ったのは私なんだから 笑
黒:ふ、そっか 笑
桃:あ、そういえばさ
桃:あのおばあさん、私が幸を操れるとか言ってたよね?
黒:あ ~ 、なんか言っとったな?
桃:今あにきにいい事が起こるように願ってみたんだけど…
桃:なんか変化とかない?♪
黒:え ~ 、特にはないけど…笑
桃:ん ~、やっぱ私にはそんな能力ないのかなぁ
黒:そもそもいい事なんか滅多に起こらへんねやし、
仮に能力あったとしてもそんなもんやって 笑
桃:それもそうだね 笑
すると突然、あにきが立ち止まった
桃:あにき、どしたの?
黒:…なんかいい予感がするんよなぁ
そう言ってあにきは茂みの方に駆けて行った
桃:え、なになに …
黒:…いいのみっけた…!♪
そんな彼の手には、
7つ葉のクローバーが握られていた
𝑒𝑛𝑑