コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
僕らは海辺を離れ、少し遠い森の中までやってきた。ここはどうやら、不思議な事ばかり起きるらしい。
まァ、僕はあまり信じないタイプなのだが、六壁坂の妖怪、富豪村の噂…色んなものを耳にした僕だからこそ、こういう森の中は楽しいものだ。
こうして、森をしばらく歩いていると、僕を、この岸辺露伴を置いていった2人に出会った。
「お前達こんな所に居たのか。
置いていくとはな。」
「すみません露伴さん…」
「ゼルダ、謝ることはないよ。
置いていって正解さ。」
「はぁ?!何言ってんのアンタは!」
また始まった、まぁ置いていったのが悪いのだがな。
くだらないことでいちいち騒がしくされるのも困るんだが、仕方ないだろう。
許可も無しに置いていったのだからな。
「はぁ、全く、頭の弱い奴はこれだから嫌いだ。
何故見知らぬ世界で1人な僕を置いていく?
普通は連れて行くだろう。馬鹿か。」
「は?何言ってんだ、ゼルダに手を出そうとした野郎が。」
「何をどうしたらそうなるんだ、馬鹿なのかお前は。」
そうして言い合って、何時間?いや、何分だな。
数分ぐらい経っただろう。
しばらくしてから、僕らは歩き進めた。
(不思議だ、嫌な感じもしない。楽しいとも思わない…何故だ…)
「露伴ちゃん?」
「なんだ。」
「顔色悪いけど、大丈夫?」
「ハッ、ビビってんのか。仕方ないよなぁ、こんな場所に来てしまったんだもんな。」
嗚呼、此奴はクソッタレ仗助と同じぐらいウザイ…
嗚呼ダメだ、考えるな岸辺露伴。
「腹が減ったな、何か無いものか…」
見回してみた、でも食料がある場所はどこにも無い。
「食料は持参してるものだろ?なんも用意してねぇのかよ。」
「黙ってろカス。」
「は?」
「まぁまぁ、喧嘩しないでっ!ね!」
「…やれやれ。」
僕は呆れながらも、食料を探す。
森の中、そんな中で探せるものなのだろうか。
そんな事を考えながら、森の奥へ進む。そうすると、騒がしい声が聞こえた。
どうやら、別の街に着いたらしい。リンク達は着いてきている。どうでもいい事だ。
(珍しい、今まで通った道より、今まで訪れた街より、遥かに賑わっている。清々しいな。)
街を見回す。清々しいほど街は賑わっている。
僕はこの景色が、いつまで続くのだろうか、少し疑問に思っていた。
「ここは、とても素晴らしいな。新鮮だ。」
僕はそのまま歩みを進める。かと言って何か得られる訳でもない。
街の中はとても裕福そうであり、娯楽、病院、学校、様々な建物があった。
絵にしたくて堪らないが、今は控えよう。
[newpage]
しばらくして、また1人になった。
何故僕はこうも1人になりやすいんだ。
別に構わないが…。
街を歩いていると、悲鳴が聞こえてくる。
「悲鳴…?何処からだ…?」
僕は悲鳴のする方へ走って行った。
そこには、学校に居た例の化け物と青、白、黒の針鼠が居た。
これは絵になるぞ…
しかし、子供も守りながらだと辛いだろう。
針鼠達の表情は、どこか疲れていた。
白い針鼠に至っては子供を常に守っている。
「良くもまぁ、耐えているがもう時期…」
ボソッと言った。
次の瞬間、化け物が隙を見て子供に襲いかかる。
「しまった!!!」
白い針鼠は叫ぶ。
僕は一目散に駆け出し、子供を抱き抱え…
「ふえ…?」
「チィッ…!」
間一髪避けた。ただ少し掠った。
子供は泣きながら
「お兄ちゃん…ありがと…」
と言った。
僕は子供を降ろして、
「早く逃げないと死ぬぞ。
さっさと親の元へ行くがいい。」
そう言った。子供は親の方へ駆け出す。
掠った為、ダメージは極僅かだった。
針鼠達は僕に逃げろと言う。
だが僕は〖逃げ出さない〗。
逃げ出したら何か違うんじゃあないか、あのクソッタレ仗助でも逃げ出さないのだから。
「あの化け物、見た事があると思ったが、学校に居た化け物とそっくりじゃあないか。」
「Hey!御前逃げないと!」
「心配はいらない、目の前の敵に集中するがいい。」
僕はそっとペンを取り出す。
そして…
【 [[rb:天国への扉 > ヘブンズ・ドア]] 】
化け物の所へサッと何かを書く。
書いたのは…
【 時速70kmで背後に吹っ飛ぶ 】
と言う、簡単なものだ。
そして化け物は背後に吹っ飛んだ。
それを見た針鼠達は唖然としていた。
「…こんなものか。また調べる必要がありそうだ。」
「…お前!お前強いんだな!」
白い針鼠は僕に言った。強いと。
そこまで強くないのにな。
「僕はそこまで強くない。」
「それでも!それでも生身で庇うのは勇気が必要だろ?!
かっこよかったぜ!」
なんて言う。どこがだ、どこがかっこいいと言うんだ。
くだらないことを吐き捨てる白い針鼠。
嗚呼…杉本鈴美ならなんて言うだろう。
“露伴ちゃん、かっこよかったよ。”だろうか、それとも、”もう、露伴ちゃん無理しちゃだめ。”だろうか。
知ったこっちゃ無いが、白い針鼠は僕に対して尊敬の意を表している。
「…。」
「何故僕に銃口を向けるんだ。」
黒い針鼠は僕に銃口を向けた。
何故奴が僕に態々銃口を向けるのだろうか。
「貴様…何者だ…」
「僕はただの人間だ、それ以外にあるか?」
「ただの人間なら、今のアレはなんなんだ。」
「別に君に言う必要は無いだろう。何故言わなければいけないんだ?」
更にイラつかせたのか、引き金に…
そこでまた白い針鼠の割り込みが。
「シャドウ!銃口を向けるな!この人は助けてくれたんだぞ!」
「何を言う、シルバー。奴は何者かわからないんだ、怪しいにも程があるだろう。」
「…呆れた、まさか人外も頭が悪いとはな。」
「なんだと貴様…!」
嗚呼、挑発に乗るとはまだまだ甘いやつだ。
クソッタレ仗助でも流石に乗らない。
アホの億泰なら乗るだろう。
「御前強いんだな、ただの人間だと思ってちょいとなめてたぜ。」
「…はぁ?」
僕は青い針鼠を少し睨んだ。
奴は煽りが上手いらしい。
「んな事より、その傷は大丈夫か?痛くないか?」
「別に痛くない。僕は慣れてるんだ。心配されるほどでもない。」
「そ、そうか、それなら良かった!」
白い針鼠は純粋なんだな、奴は何かに騙されるのも容易いだろう。
正義感が強いのは、色々知り合いに似ている。
だが、クソッタレ仗助の方がまだマシなのだ。
「なぁなぁ、お前名前は?!」
「僕は岸辺露伴、漫画家だ。」
「俺はシルバー!よろしくな露伴!!」
元気の良い、白い針鼠はシルバーというらしい。
名前、安直過ぎないか…?と思ったのは秘密だ。
「ほら!自己紹介しろよ!」
「…シャドウだ。」
黒い針鼠はシャドウ、そういう名前らしい。
安直、では無いだろう。
影という名前の意味があるのだろう。
「俺はソニック!よろしくな。」
「…嗚呼。」
青い針鼠はソニック。青い針鼠、黒い針鼠、白い針鼠、針鼠は二足歩行しないだろ。
「…街は荒れてしまったな、どうするべきか。」
「何故荒れたんだ、まぁ大半は化け物のおかげだろうがな。」
僕は崩れていた建物の残骸の方へ向かって歩いた。
見るも無惨な姿に変わり果てたんだ、復興出来ないのも無理はない。
僕はその残骸の上に座り、街を眺めた。
何故か心に響くものがある、それが何かわからなかった。
だが、モヤモヤしていても仕方ない。
そんな僕は、針鼠達について行くことにした。
「貴様が僕らに着いてくる?巫山戯た事を抜かすな。」
「むっ、シャドウ、失礼だぞ。」
「そうだぜシャドウ〜、失礼だぜ〜?」
何処かあの3人に似ている気がした、気の所為ではなかった。
あの3人、元気にしているだろうか。
「僕は生憎、住むところが無いんでな、泊まるぐらい良いだろう?それともなんだ、早急に死ねとでも言うのか?ただの人間に。」
「ふん…」
「俺は歓迎するぜ露伴!!!」
シルバーは優しかった。あの杉本鈴美の様に。
嗚呼、そうか、僕が欲しかったものは、すぐそこにあったのか。
その愛情と、笑顔。僕はそのまま、針鼠達について行く。
ヤツらは音速で走れるらしいが、僕はただの人間なので速さを合わせてくれている。
歩くのが好きな僕は、ゆっくりと歩みを進めていた。
[newpage]
しばらくして、奴らのアジト的な場所に着いた。
「露伴、歓迎するぜ。」
「嗚呼。」
僕は、たった一言告げれば、ソファに深く腰をかけた。
そこには人外が多かった、何故この世界は人外が多いんだ。
「皆〜、紹介するぜ!この人は岸辺露伴!漫画家らしいぜ!」
(おいおいおいおいおいおい、素直に紹介するんじゃあないよ。)
「漫画家?なんでこんな所に連れてきたんだ。無力な奴だろうが。」
「Hey、それは露伴の実力を見て言ってくれねぇかなぁ?」
(おいおいおいおいおいおい、どこまで素直に話すんだ?ただの阿呆か。)
「僕らはこの目でハッキリ見た。ヤツは戦える。」
(おいおいおいおい、困るぞその言い方は。)
どこまでハッキリ言うんだこの針鼠共は…
別に良かったのだが、困る。普通に困る。
「露伴、念の為、もう一度自己紹介してもらってもいいか…?ごめんな…」
「別に構わん。君が気にすることでも無いだろう。」
「…改めて、僕は岸辺露伴。漫画家だ、さっきは大変だっただろうな、3色の針鼠。」
「だぁかぁらぁ!シルバーだぁって!」
「…1個1個名前を言うのが面倒なんだ。」
僕は、そんな針鼠達の家に”一応”泊めてもらうことに。
もしかしたら居候も有り得る、この針鼠達は僕のことをなんだと思っているのか…。
僕を睨むなり、怖がるなり…色々だった。
「…それで、あの化け物については、露伴、御前が詳しいと聞いたが?」
「おいおいおいおいおいおい、それを誰から聞いたんだ?」
「ゼルダから聞いた!」
「嗚呼、あの小娘か…奴なら安心出来るな…」
「アンタね!お姫様になんてこと言うの!」
「僕には関係のないことだ、別に僕がどう呼ぼうが自由だろ。」
「敬意も全く無い奴だな。」
「別に僕はそういう立場等は興味が無いからな。」
針鼠達は、僕を怪しむ。シルバー以外は。
シルバーという針鼠は、僕を怪しむことはなく純粋な瞳で僕を見る。
「なぁなぁ、露伴、本当に協力してくれるのか?」
「そもそも僕が元の世界へ戻る方法を探さなきゃあいけないんだ。当たり前だろう。」
「そうなのか、なんか申し訳ないぜ。」
「あまり気にすることじゃあないさ、僕は僕で色々困惑してることもあるからな。」
そう、僕は何故ここに来たのか分からない。
どうやってここへ来た。
何故僕はこんな過酷なことをしている。
ここに来てから、記憶が少し曖昧だ、置いていかれるわ、巻き込まれるわ…もう散々だ。
[newpage]
時間がしばらく経過して、僕はあの針鼠達と行動していた。
まだ手がかりも掴めていない、何が起きているのかなんて、知ったことではなかったのだ。
「…結局手がかりは無いのか、どうなってるんだこの世界の情報管理は。」
「一々五月蝿い野郎だな。」
「馬鹿か、情報管理がガバガバすぎるんだよ。
どうやったらこんな状況になるまで情報開示をしなかったんだ。」
殆ど情報が出回ってない。
何故だ、こんなに危機的状況なのに、何故情報が少ないんだ。
少しぐらい手がかりがあってもいいだろうに。
「…腹が減った、仕方ない、少しだけ外に出るか。」
「今外に出ると危険だぞぉ…?」
「少し出るだけだ、着いてきたいなら来るがいいさ。」
「…貴様1人では何をするのかわからん、僕がついて行こう。」
「…何故君なのかわからん、まぁ別に構わんが。」
そうして僕は、シャドウを連れて行った。
[newpage]
僕は街中を歩いていた。
隣の奴が邪魔で仕方ないんだが…
「…さてと、何があるのか見てみようじゃあないか。」
「御前が望むものは無いと思うがな。」
「僕が普通のものを望むと思うか?望まないね。」
僕は店の中を見た、どうやら珍しいものが多かった。
これはネタになる!と思ったものの、食料を先に探さなければ…