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僕らは海辺を離れ、少し遠い森の中までやってきた。ここはどうやら、不思議な事ばかり起きるらしい。

まァ、僕はあまり信じないタイプなのだが、六壁坂の妖怪、富豪村の噂…色んなものを耳にした僕だからこそ、こういう森の中は楽しいものだ。

こうして、森をしばらく歩いていると、僕を、この岸辺露伴を置いていった2人に出会った。


「お前達こんな所に居たのか。

置いていくとはな。」

「すみません露伴さん…」

「ゼルダ、謝ることはないよ。

置いていって正解さ。」

「はぁ?!何言ってんのアンタは!」


また始まった、まぁ置いていったのが悪いのだがな。

くだらないことでいちいち騒がしくされるのも困るんだが、仕方ないだろう。

許可も無しに置いていったのだからな。


「はぁ、全く、頭の弱い奴はこれだから嫌いだ。

何故見知らぬ世界で1人な僕を置いていく?

普通は連れて行くだろう。馬鹿か。」

「は?何言ってんだ、ゼルダに手を出そうとした野郎が。」

「何をどうしたらそうなるんだ、馬鹿なのかお前は。」


そうして言い合って、何時間?いや、何分だな。

数分ぐらい経っただろう。

しばらくしてから、僕らは歩き進めた。


(不思議だ、嫌な感じもしない。楽しいとも思わない…何故だ…)

「露伴ちゃん?」

「なんだ。」

「顔色悪いけど、大丈夫?」

「ハッ、ビビってんのか。仕方ないよなぁ、こんな場所に来てしまったんだもんな。」


嗚呼、此奴はクソッタレ仗助と同じぐらいウザイ…

嗚呼ダメだ、考えるな岸辺露伴。


「腹が減ったな、何か無いものか…」


見回してみた、でも食料がある場所はどこにも無い。


「食料は持参してるものだろ?なんも用意してねぇのかよ。」

「黙ってろカス。」

「は?」

「まぁまぁ、喧嘩しないでっ!ね!」

「…やれやれ。」


僕は呆れながらも、食料を探す。

森の中、そんな中で探せるものなのだろうか。

そんな事を考えながら、森の奥へ進む。そうすると、騒がしい声が聞こえた。

どうやら、別の街に着いたらしい。リンク達は着いてきている。どうでもいい事だ。


(珍しい、今まで通った道より、今まで訪れた街より、遥かに賑わっている。清々しいな。)


街を見回す。清々しいほど街は賑わっている。

僕はこの景色が、いつまで続くのだろうか、少し疑問に思っていた。


「ここは、とても素晴らしいな。新鮮だ。」


僕はそのまま歩みを進める。かと言って何か得られる訳でもない。

街の中はとても裕福そうであり、娯楽、病院、学校、様々な建物があった。

絵にしたくて堪らないが、今は控えよう。

[newpage]

しばらくして、また1人になった。

何故僕はこうも1人になりやすいんだ。

別に構わないが…。

街を歩いていると、悲鳴が聞こえてくる。


「悲鳴…?何処からだ…?」


僕は悲鳴のする方へ走って行った。

そこには、学校に居た例の化け物と青、白、黒の針鼠が居た。

これは絵になるぞ…

しかし、子供も守りながらだと辛いだろう。

針鼠達の表情は、どこか疲れていた。

白い針鼠に至っては子供を常に守っている。


「良くもまぁ、耐えているがもう時期…」


ボソッと言った。

次の瞬間、化け物が隙を見て子供に襲いかかる。


「しまった!!!」


白い針鼠は叫ぶ。

僕は一目散に駆け出し、子供を抱き抱え…


「ふえ…?」

「チィッ…!」


間一髪避けた。ただ少し掠った。

子供は泣きながら


「お兄ちゃん…ありがと…」


と言った。

僕は子供を降ろして、


「早く逃げないと死ぬぞ。

さっさと親の元へ行くがいい。」


そう言った。子供は親の方へ駆け出す。

掠った為、ダメージは極僅かだった。

針鼠達は僕に逃げろと言う。

だが僕は〖逃げ出さない〗。

逃げ出したら何か違うんじゃあないか、あのクソッタレ仗助でも逃げ出さないのだから。


「あの化け物、見た事があると思ったが、学校に居た化け物とそっくりじゃあないか。」

「Hey!御前逃げないと!」

「心配はいらない、目の前の敵に集中するがいい。」


僕はそっとペンを取り出す。

そして…


【 [[rb:天国への扉 > ヘブンズ・ドア]] 】


化け物の所へサッと何かを書く。

書いたのは…


【 時速70kmで背後に吹っ飛ぶ 】


と言う、簡単なものだ。

そして化け物は背後に吹っ飛んだ。

それを見た針鼠達は唖然としていた。


「…こんなものか。また調べる必要がありそうだ。」

「…お前!お前強いんだな!」


白い針鼠は僕に言った。強いと。

そこまで強くないのにな。


「僕はそこまで強くない。」

「それでも!それでも生身で庇うのは勇気が必要だろ?!

かっこよかったぜ!」


なんて言う。どこがだ、どこがかっこいいと言うんだ。

くだらないことを吐き捨てる白い針鼠。

嗚呼…杉本鈴美ならなんて言うだろう。

“露伴ちゃん、かっこよかったよ。”だろうか、それとも、”もう、露伴ちゃん無理しちゃだめ。”だろうか。

知ったこっちゃ無いが、白い針鼠は僕に対して尊敬の意を表している。


「…。」

「何故僕に銃口を向けるんだ。」


黒い針鼠は僕に銃口を向けた。

何故奴が僕に態々銃口を向けるのだろうか。


「貴様…何者だ…」

「僕はただの人間だ、それ以外にあるか?」

「ただの人間なら、今のアレはなんなんだ。」

「別に君に言う必要は無いだろう。何故言わなければいけないんだ?」


更にイラつかせたのか、引き金に…

そこでまた白い針鼠の割り込みが。


「シャドウ!銃口を向けるな!この人は助けてくれたんだぞ!」

「何を言う、シルバー。奴は何者かわからないんだ、怪しいにも程があるだろう。」

「…呆れた、まさか人外も頭が悪いとはな。」

「なんだと貴様…!」


嗚呼、挑発に乗るとはまだまだ甘いやつだ。

クソッタレ仗助でも流石に乗らない。

アホの億泰なら乗るだろう。


「御前強いんだな、ただの人間だと思ってちょいとなめてたぜ。」

「…はぁ?」


僕は青い針鼠を少し睨んだ。

奴は煽りが上手いらしい。


「んな事より、その傷は大丈夫か?痛くないか?」

「別に痛くない。僕は慣れてるんだ。心配されるほどでもない。」

「そ、そうか、それなら良かった!」


白い針鼠は純粋なんだな、奴は何かに騙されるのも容易いだろう。

正義感が強いのは、色々知り合いに似ている。

だが、クソッタレ仗助の方がまだマシなのだ。


「なぁなぁ、お前名前は?!」

「僕は岸辺露伴、漫画家だ。」

「俺はシルバー!よろしくな露伴!!」


元気の良い、白い針鼠はシルバーというらしい。

名前、安直過ぎないか…?と思ったのは秘密だ。


「ほら!自己紹介しろよ!」

「…シャドウだ。」


黒い針鼠はシャドウ、そういう名前らしい。

安直、では無いだろう。

影という名前の意味があるのだろう。


「俺はソニック!よろしくな。」

「…嗚呼。」


青い針鼠はソニック。青い針鼠、黒い針鼠、白い針鼠、針鼠は二足歩行しないだろ。


「…街は荒れてしまったな、どうするべきか。」

「何故荒れたんだ、まぁ大半は化け物のおかげだろうがな。」


僕は崩れていた建物の残骸の方へ向かって歩いた。

見るも無惨な姿に変わり果てたんだ、復興出来ないのも無理はない。

僕はその残骸の上に座り、街を眺めた。

何故か心に響くものがある、それが何かわからなかった。

だが、モヤモヤしていても仕方ない。

そんな僕は、針鼠達について行くことにした。


「貴様が僕らに着いてくる?巫山戯た事を抜かすな。」

「むっ、シャドウ、失礼だぞ。」

「そうだぜシャドウ〜、失礼だぜ〜?」


何処かあの3人に似ている気がした、気の所為ではなかった。

あの3人、元気にしているだろうか。


「僕は生憎、住むところが無いんでな、泊まるぐらい良いだろう?それともなんだ、早急に死ねとでも言うのか?ただの人間に。」

「ふん…」

「俺は歓迎するぜ露伴!!!」


シルバーは優しかった。あの杉本鈴美の様に。

嗚呼、そうか、僕が欲しかったものは、すぐそこにあったのか。

その愛情と、笑顔。僕はそのまま、針鼠達について行く。

ヤツらは音速で走れるらしいが、僕はただの人間なので速さを合わせてくれている。

歩くのが好きな僕は、ゆっくりと歩みを進めていた。

[newpage]

しばらくして、奴らのアジト的な場所に着いた。


「露伴、歓迎するぜ。」

「嗚呼。」


僕は、たった一言告げれば、ソファに深く腰をかけた。

そこには人外が多かった、何故この世界は人外が多いんだ。


「皆〜、紹介するぜ!この人は岸辺露伴!漫画家らしいぜ!」

(おいおいおいおいおいおい、素直に紹介するんじゃあないよ。)

「漫画家?なんでこんな所に連れてきたんだ。無力な奴だろうが。」

「Hey、それは露伴の実力を見て言ってくれねぇかなぁ?」

(おいおいおいおいおいおい、どこまで素直に話すんだ?ただの阿呆か。)

「僕らはこの目でハッキリ見た。ヤツは戦える。」

(おいおいおいおい、困るぞその言い方は。)


どこまでハッキリ言うんだこの針鼠共は…

別に良かったのだが、困る。普通に困る。


「露伴、念の為、もう一度自己紹介してもらってもいいか…?ごめんな…」

「別に構わん。君が気にすることでも無いだろう。」

「…改めて、僕は岸辺露伴。漫画家だ、さっきは大変だっただろうな、3色の針鼠。」

「だぁかぁらぁ!シルバーだぁって!」

「…1個1個名前を言うのが面倒なんだ。」


僕は、そんな針鼠達の家に”一応”泊めてもらうことに。

もしかしたら居候も有り得る、この針鼠達は僕のことをなんだと思っているのか…。

僕を睨むなり、怖がるなり…色々だった。


「…それで、あの化け物については、露伴、御前が詳しいと聞いたが?」

「おいおいおいおいおいおい、それを誰から聞いたんだ?」

「ゼルダから聞いた!」

「嗚呼、あの小娘か…奴なら安心出来るな…」

「アンタね!お姫様になんてこと言うの!」

「僕には関係のないことだ、別に僕がどう呼ぼうが自由だろ。」

「敬意も全く無い奴だな。」

「別に僕はそういう立場等は興味が無いからな。」


針鼠達は、僕を怪しむ。シルバー以外は。

シルバーという針鼠は、僕を怪しむことはなく純粋な瞳で僕を見る。


「なぁなぁ、露伴、本当に協力してくれるのか?」

「そもそも僕が元の世界へ戻る方法を探さなきゃあいけないんだ。当たり前だろう。」

「そうなのか、なんか申し訳ないぜ。」

「あまり気にすることじゃあないさ、僕は僕で色々困惑してることもあるからな。」


そう、僕は何故ここに来たのか分からない。

どうやってここへ来た。

何故僕はこんな過酷なことをしている。

ここに来てから、記憶が少し曖昧だ、置いていかれるわ、巻き込まれるわ…もう散々だ。

[newpage]

時間がしばらく経過して、僕はあの針鼠達と行動していた。

まだ手がかりも掴めていない、何が起きているのかなんて、知ったことではなかったのだ。


「…結局手がかりは無いのか、どうなってるんだこの世界の情報管理は。」

「一々五月蝿い野郎だな。」

「馬鹿か、情報管理がガバガバすぎるんだよ。

どうやったらこんな状況になるまで情報開示をしなかったんだ。」


殆ど情報が出回ってない。

何故だ、こんなに危機的状況なのに、何故情報が少ないんだ。

少しぐらい手がかりがあってもいいだろうに。


「…腹が減った、仕方ない、少しだけ外に出るか。」

「今外に出ると危険だぞぉ…?」

「少し出るだけだ、着いてきたいなら来るがいいさ。」

「…貴様1人では何をするのかわからん、僕がついて行こう。」

「…何故君なのかわからん、まぁ別に構わんが。」


そうして僕は、シャドウを連れて行った。

[newpage]

僕は街中を歩いていた。

隣の奴が邪魔で仕方ないんだが…


「…さてと、何があるのか見てみようじゃあないか。」

「御前が望むものは無いと思うがな。」

「僕が普通のものを望むと思うか?望まないね。」


僕は店の中を見た、どうやら珍しいものが多かった。

これはネタになる!と思ったものの、食料を先に探さなければ…

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