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僕は、この針鼠、シャドウと共に街へ来ていた。食料を探さなければいけない。
「成程、ここには面白いものが多い様だ。」
「…物好きだな。」
「先に食料を探すか。」
僕はシャドウを放ったらかしで食料を探していた。
ゼルダにいつの間にか貰っていた、多少の小遣い…否、これは多少なのか?
数えるだけでも10万はあるぞ…?
成程、姫様だから金持ちなのか…と、僕は何故か納得してしまった。
(この金さえあれば、この店のもの全て買える…)
そう考えた時、隣で親子…そう、助けた時の親子が、店を見渡しながら悲しそうな顔で見ていた。
「…おいそこの親子、何故そんな顔をしているんだ。」
「…はう、あの時のお兄ちゃん…」
「…」
僕は、しゃがんで問いかけた。
「何が欲しいんだ、買ってやる。」
「で、でも…」
「たまには甘えるといい、大人に甘えられるのは子供の間だけだからな。」
「う、うん…あのね…これが欲しいの…」
指を指したのは、菓子パンだった。
菓子パンが好きなのだろう、涙目で菓子パンを見つめる少年、そしてその親。
僕はなにかの衝動に駆られた。
「嗚呼、いいぞ買ってやる。ただし、僕の分も買うからな。」
「…!うん!」
「ありがとうございます…!」
「別に構わん、僕も食料を探しに来たんだからな。」
そう言ってシャドウの静止も聞かず、僕は菓子パンを買った。
親子は僕に頭を下げる。
嗚呼、杉本鈴美…彼奴はこのことを、僕にしていたのか…そう感じてしまった。
「いいのか、彼奴らに買ってやって。」
「嗚呼、別に構わん、僕のやりたかった事だ。」
「…」
シャドウは呆れていた、何故呆れる。
それはそれだ、別に関係ない。
改めて食料を探すため、僕は中を見て回る。
「どれもが美味しそうだ、しかし…
買うのなら、僕は…」
商品を手に取らず、僕は店を出た。
外を見るためだ。
「何故外へ行く、馬鹿か。」
「僕の勝手だと言った筈だ。」
「…」
僕は奴の忠告を無視して外へ出る。
この景色が好きなのだ。
少し荒れたこの土地、その中から見つけられるものは、ただの残酷な過去なのだ。
残酷な過去の中にも、ほんの少しだけ、幸せが見える。
(この景色も、すごく美しく見える。
ほんの少しだけ、幸せがある。
先程の親子のように、幸せが。)
いつかこの街も、この世界も、幸せに包まれるのだろう。
そんなことはもういい、僕は再び食料を集めに、あの針鼠を置いて、別の場所スーパーへ向かったのだ。
街へ来たのはいい、だが、やはり荒れている。
「ここも、荒れているのか。
この世界は、少し脆いな。」
僕はそんなことを考えながら、街中を歩く。
荒れているのは仕方ないことなのだろうが、荒れすぎているのもまた事実。
「仗助なら、直せていたのか…。」
あのクソッタレのことを考えると、色々複雑なのだが、やつの能力なら直せないことも無いだろう。
僕は、先程の親子を見て思ったのだ。僕にも、ちゃんとした家族が居たのだと。
(とはいえ、この世界は不思議だ。僕の思うような出来事は無いが、その分楽しめるだろう。)
街中を歩く、歩き進める。するとそこにソニックが居るじゃあないか。
「Hey!露伴、こんなとこで何してんだ?」
「暇を持て余していた、それだけだ。」
「ってかシャドウは?」
「置いてきた、奴と居ても面倒なだけだからな。それに小言が五月蝿い。」
「あはは…シャドウはそういうとこあるからな…」
ソニックまで呆れていた。仕方ないことなのだろう、奴は僕のすることに一々小言を言うのだから。
「そうだ、この街の調査してんだ。良かったら協力してくれないか?」
「別に構わんが、そこまで頼りになるか知らんぞ。それでも良ければ協力してやろう。」
「嗚呼、分からないことがあるなら教えてやるしな!」
「感謝しよう。」
「んじゃあ歩きながらでも説明してやるさ。」
「わかった。」
僕とソニックはなんだかんだ相性が良いのかもしれない。歩きながら説明をされた。
この世界のこと、この世界の人間、人外のこと、そして、能力者達のこと。
ゼルダも能力持ちであったことが、今ようやく明かされた。
「先に言え、あのゼルダとかいう小娘…」
「言ってなかったのか?!」
「聞かされてない、むしろ隠してやがった。」
「ん〜、まぁ、過保護なリンクが居るからなぁ〜。面倒だよな。」
「嗚呼、すごく面倒だ。」
雑談をしながら、僕ら2人は街の中枢へ来た。
中枢の辺りはまだ安全であった。
そこで見たのは、桃色の針鼠、エミー・ローズだ。
「露伴さんにソニック、こんな所まで来てたの?」
「あ〜、まぁ、そうだな。調査も兼ねて来てたんだ。」
(ソニックとエミーは恋人?にしてはソニックの反応がいまいちだな。)
「それにしても露伴さん、怪我してないのね。」
「まぁ、戦闘経験は豊富だからな。」
「へ〜?なるほどね。」
そして僕ら3人は買い物もすることに。
「何を買うんだ?」
「今日の晩御飯よ、ここまで来て買わないといけないのは辛いわ…」
「そりゃあな、当たり前だろう。近い街が壊されていたのだからな。」
「hmm…だよな、不便だぜ。」
(あのクソッタレ仗助が居たら楽だっただろうに…。)
そして僕達は買い物をしに、スーパーへ向かったのだ。