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ゆき.
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無理だ。
朝からずっとそれしか言ってない気がする。
吉田 にゃ 、、
情けない声が出る。
いや本当に無理。
だって今の状況どう考えてもおかしい。
佐野 ほら 、こっちこい 。
ソファに座ったまま、勇斗が軽く手を叩く。
呼んでる。
完全に呼んでる。
吉田 …… にゃ 、
行くな。行くな俺。
これは罠だ。
いや罠じゃないけど、
これは精神的に死ぬやつ。
佐野 こねぇの?
少し首を傾げる。
その仕草がいちいちずるい。
吉田 …… にゃあ 、
気づいたら足が動いてた。
終わりだ。本当終わり。
佐野 んはっ 、やっぱくるじゃん!笑
嬉しそうに笑う声。
そのままひょいと持ち上げられる。
吉田 ん” にゃっ!?
軽い。
自分でもびっくりするくらい簡単に抱きあげ
られる。
そして、膝の上。
吉田 に” 、にゃぅ 、、
固まる。
いやちょっとまて、これはダメだろ。
距離が近いとかそういえ話じゃない。
密着してる。完全に。
佐野 大人しいなお前 、
頭を撫でられる。
ゆっくり、優しく。
逃げようと思えば逃げられるのに。
体が動かない。
むしろ、
吉田 んにゃ ~ 、、
目を細めてる自分がいる、
終わってる。
完全に順応してる。
佐野 気持ちいいの?笑
くすっと笑う声。
そのまま、顎の下を軽く撫でられる。
吉田 っ 、”
びくっと体が跳ねる。
なにそれ、なにそれっ、!!
やばいっ、!!!
佐野 ここ好きなの?
やめろ、それ以上気づくな。
吉田 にゃっ 、にゃぁ 、、!
否定したいのに声が裏切る。
ていうか身体も裏切る。
勝手にすり寄るな。やめろ俺。
佐野 ほんとわかりやすい 、笑
楽しそうに笑う。
その声を聞いてるだけで胸がざわつく。
近い、近すぎる。
こんなの耐えられるわけがない。
佐野 なぁ 、
声のトーンが少し落ちた。
佐野 今日 、疲れたわ 、、
ぽつりと落ちた言葉。
手が、少しだけ止まる。
吉田 … にゃ 、、
顔を上げる。
目が合う。
いつもより、少しだけ力の抜けた表情。
昨日見なかった。知らなかった顔。
佐野 … お前はいいよな 、笑
苦笑する。
佐野 なんも考えてなくて 。
その言葉に、胸がちくっと痛む。
何も考えてないわけない。
むしろ、考えすぎてるくらいだ。
言えないけど。
伝わらないけど。
吉田 にゃっ 、
気づいたら身体が動いてた。
膝の上で、少しだけ前に出る。
勇斗の腕に頭を押し付ける。
佐野 ん 、?
小さく首を傾げる。
でも、離れない。
そのまま、ぎゅっと目を閉じる。
言えない代わりに、せめてこれだけ。
佐野 っはは 、笑
小さく笑う声。
また、優しく撫でられる。
佐野 やっぱお前変な猫だな。
そう言いながら、
さっきより少し近くに引き寄せられる。
吉田 … にゃ 、
心臓がうるさい。
こんなの反則だ。
この距離で、こんな優しくされて。
好きにならないほうが無理だろ。
… まぁもう好きだけど。
佐野 なぁ 、
また呼ばれる。
今度はさっきより少し低い声で。
佐野 … 俺さ 、
言いかけて、止まる。
何かを迷うみたいに。
吉田 んにゃっ 、?
もどかしい。
聞きたいのに、でも聞けない。
この身体じゃ、なんもできない。
ただ、こうしてそばにいることしか。
佐野 … ほんと 、居なくなんなよ 。
その一言に、心臓が止まりそうになる。
吉田 … にゃぅ 、
小さく鳴く。
約束なんてできないのに。
このままでいれる保証なんてないのに。
それでも、離れたくないって思ってしまう。
こんな距離、知ってしまったから。
もう、戻れない。
コメント
5件

猫種なんだろ...ちょっとガチめに頭を撫でくりまわしたい()
今からでも、動物愛護団体って、入れますかね?? 佐野さん1日だけって約束なんで早く渡してください。吉田猫を。