「銀河、あとで、みんなも来るからって」
「ああ…」と、銀河が答える。
「疲れたなら、少し眠っていてもいいよ?」
言う私に、「いや…」と、銀河が首を横に振る。
「……俺に、ずっと付いていてくれたんだろう、理沙。
おまえの方こそ、疲れてるんじゃないのか……」
「……私の心配なんて、しなくていいから……」
涙が目の縁にじんわりと滲んでくる。
「私は、銀河が目を覚ましてくれたら、それだけでいいんだから……」
銀河の指先が、私の目尻に触れ、滲み出した涙をすくい取る。
「泣くなよ…理沙…」
こくりと頷くと、そっと体が引き寄せられ、腕の中に抱きしめられた。
「なぁ、理沙。あいつらが来る前に、聞いておきたいことがあるんだが……」
「聞いておきたいことって……?」
ベッドの上に上半身を起こしている銀河に、毛布をかけ直す。
「……俺を刺した彼女は、どうなったんだ……?」
「えっ…」と、言葉に詰まる。
「どうなったのか、教えてほしい」
「……あの女の人は、警察に逮捕されたって……」
「逮捕…?」
銀河が呆然としたように一言を吐き出すと、
「……俺が、いけなっかたんだ……」
その後に、私自身思ってもみなかった言葉を続けた──。
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