テラーノベル
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卵のような君。
ブロマンスです、安心してください
mzybshpさんと、
個人勢ciさんの
学パロであり…な、
一話完結のお話。
没故長い
⚠死ネタ⚠
かもしれない。
◇◇◇
彼には、羽があった。
成長するための翼があった。
でもまだ、卵のように脆い気がして───。
「…ょぴ!!」
「shp!!!!」
[舞台はyb高……の、使われなくなった旧校舎の立ち入り禁止の旧美術室]
「もしや魂が抜けている…?」
「ん?あぁ、なんか変なこと言うてんなって思って聞き流しとったわ」
「えーybいmzめ村の話聞いてやー」
ybいmzめ村。
“4年以上前に”にダム底に沈んだ村。そこはciの出身地。
なんで今その話が出てくるか、なぜciが今もあるかのようにその村の話をするのか。
その意味を、ずっと考えたくなかった。見て見ぬふりをした。
「…、もうすぐ、卒業?」
「まだ秋やろ。」
「もうそろ冬。」
ciは、たまに現実を突きつけてくる。
「後悔はするな、」と訴えるように。
◇◇◇
「……さみしくなるなぁ、お前が卒業したら、俺もう“2度と”お前に会われへんやん」
「…………、俺はせいせいする」
「ひどっ!!」
「…そう言う割には、shpお前、毎日ここ来るやん。嘘は良くないんだぞ~~~」
「何いいように俺の思考を妄想してんねん。しばくぞ(嘘)」
「…いいやろ、お前が卒業すんの、考えたくないねん」
───俺だってそうだ。
◇◇◇
「俺さ、この命授かったときに神様に言われたんよ。『出会いなさい。さすれば、あなたは来世で必ず、幸せになれることでしょう。』…うそくせぇwそう思ったよ。なんだよ『出会いなさい』ってw」
「陽キャのciさんには簡単やろうな」
「うるさいなー。」
◇◇◇
「ciッ、おるか?」
卒業式。
俺は無事に第一志望に合格した。───眩しいほどの未来への希望の光だ。
『これ』以外は。
「はー、何よshp、こんな晴れ舞台にも俺に会いに来ちゃうの。さみしくなったか~~??」
「…うるさい。」
自分でも驚くほど低い声。俺はciの腕を力任せに掴んだ。
…空振った。どうしても、空振る。
ciの色が夕日と混ざって見えた。
「……………、俺さ、こんな身体やけどさ、『出会』えてよかったと思う。ショッピと。」
「この期に及んでッ、」
「邪魔すんなって。最期にひたってんねんから。…………、俺『出会』えたやん?来世、幸せになれるかなぁ。」
「俺無しで?」
「それ今言う?俺涙流されへんのに。……そう、お前なしで。……無理……………かもな。……でも、お前は『出会』ってくれた。」
◇◇◇
ずっと考えたくなかった。
もし、ciが『地縛霊』だったら。
『地縛霊』。
この地域では、神からの宿命を果たし、いままでいなかったかのように消える命を与えられし霊のことを言う。
地縛霊に選ばれる霊の対象は、『急死』。
可哀想に。
えぇ?まさか!
ciがそんな『急死』したわけないやろ。カルトに決まってる。
そうやろ?
…でも、調べていくうちに、『地縛霊』の伝説はほんとだって分かった。
『少年、旧美術室で謎の美しい死を遂げる。』
そんなキャッチコピーの記事。
“4年以上前に”書かれた記事。
まだ、ただ時系列が都合良すぎるだけならよかってん。
…でもな、この記事、
書かれている少年の特徴、学校名、場所。
それぜーんぶ、ここと、ciの容姿の特徴と、完全一致。
笑えるよな。
───もし仮に、ciが地縛霊だとする。
今までの話を聞いていると、ciの宿命は『出会うこと』。
そう。
何と?
◇◇◇
「そうやな、俺がお前と出会ってあげた。…あげたってのもおかしいけどな」
「いや!あげたでええわ。いい思い出〜!」
「じゃ、俺はこれで。卒業式も終わったし。またこん、」
「shp。教えてあげる。『地縛霊』ってな?」
「聞きたない。」
「…自分が地縛霊なん生きてる人にバレちゃったら…宿命果たしたあと、」
「喋るなッ、」
「その人の前で消えなあかんねんで。………お前は、俺を……知りすぎてん。ごめんな。」
「…な、に、?…なんでお前が…謝んの、?」
「だからね、shpが『外』に行っちゃうと、俺さ、ちゃんと逝けない。……あ!最期に、…教えてあげる。気になってたよな?」
「ち、ci?落ち着け。」
「これでもな!………落ち着けてる方やねんか。なァ、お前、『何と』か気になってたやんな?教えてあげようと思ってさ。」
「……なんで、知ってッ、」
「………『大切な人』。」
「…、ッ!?、、」
「w……俺の宿命さ、『地縛霊』と相性悪かったみたいでさー!、お前が『大切』になったせいで、俺逝き難いねんな?……………なに泣いてんの。」
なんで泣くんだよ、なんで、
「泣いてなんかッ、」
「泣いてるよ。泣いてるやん。……一緒に、泣けたらよかったんやけどさ、この体、泣けへんみたいやわ。……この感情が昂ぶれない体で、ここまで『大切』や、って思えたんって、やっぱりすごいことやねん。」
「そ、うやな、ッ、」
「来世は、お前と一緒に、」
「お前と一緒にッ?」
「来世のことに関して話したら、神さんに怒られちゃうんやったわ。また“今度”、聞いて。」
ciの身体が、夕日へ溶けていく。
あの白くて綺麗な、でも脆そうな翼が、ようやく飛べるようになったと訴えるように、ciがゆっくりと浮遊していく。
「………は?また“今度”??なに言うてッ」
「お前以外、誰も俺のことに気づいてくれへんかった、」
「行かんとって、ちー、」
「また会おうな、shp、大好き。」
「待ッてッ!」
消える直前。
ciの冷たい両手のひらが、俺の頬をぎゅっと、力強く、掴んだ気がした。
その顔は、泣き笑いしていた気がした。
気が、したんだ。
全部、俺の妄想であれ、そう思った。現実逃避だとか、自己嫌悪に苛まれた。後悔なんて、この人生でしてこなかったのに。
「ゔ、ぁ゙ぁ、ッ、ci ゙ッ、」
止まれなんて言っても、流れ出るものが止まってくれるわけがなかった。
こんなに都合が悪いときに限って、身体は正直なんだ。
入ってきたドアの前には、相変わらず『立ち入り禁止』の看板がある。
あの謎の死が原因だろうか。
ただ、一人が消えただけの旧美術室が、夕日に飲まれてあまりにも美しくて、儚くて、まるで、最初からいなかったかのようだった。
咽び泣いた。
情けなく。
彼の名前を声がかれるまで叫んだ。
旧校舎の廊下に響くくらいに。
でも、いつもみたいにふざけた返事はない。
なんであのとき、「せいせいする」、なんて言ったんだろう。
気づいてたはずやのに。
◇◇◇
寿命。
いつか訪れるもの。
俺は、それを終えて、新しい命を手にした。人間だ、幽霊ではない。でも、『記憶は保持したまま』の状態で。
◇◇◇
「 お一人様ご案内でーす 」
2度目の人生、というものは難しい。
今までやった勉強と苦楽を繰り返すだけ。
とても前世と変わったものはなかった。
「また“今度”か、」
「いつ、なんやろうな」
今世も行きつけのカフェ。
相変わらず全てのメニューが美味しい。
今日はなぜかあんこの気分だったので饅頭を頼んだ。
「お待たせ致しました、こし餡饅頭で、…………す。」
俺、この方になんかしましたか、すごく動揺されてるんですけど……、
顔が見られない。
「人違いでしたら申し訳ないんですが、」
「“shp”って名前に聞き覚えはありませんか?」
「…えッ?」
それは、前世の名前、誰も知るわけがない。
もし、ciが、生まれ変わって俺のことを覚えていてくれてるなら…!
もはや賭けるしかあるまい。
「人違いでしたら申し訳ないんですが…」
「“ci”さんですか?」
〈 こらー!お客様と長話をしないー!
「あっ、すみません、また明日のこの時間、ここに来てください。店長がお呼びなので、w」
◇◇◇
「ci、前世と容姿変わってないやんけ、」
羽がなくなったこと以外は、何も変わりがない。
「あッ!昨日の人~~!!」
「もういらっしゃたんですね、」
ciの声で敬語なん違和感しかないな、
「ci、なんでしょ、どうせ。」
「気持ち悪いから敬語外してもらっていいですかね?」
「……そ、そうやけど、しょ、shp、」
「俺のこと覚えてんの?」
まあ、そうよな。俺も記憶持ってるなんてどう考えてもおかしいし。
「なんか知らんけど、人生2回目やね」
「そっか、なら一安心。」
そう言って当たり前のようにカフェに歩き出すci。
もちろん待ち合わせ場所はカフェだった。そこでお茶でもするつもりだった。
でも、なんかもう違う気がしてきた。
「ci、待って、」
俺はciの腕を力任せに掴んだ。
…掴めた。どうしても、なにをしても、空振らない。
ciの色は今度は夕日とは混ざって見えなかった。くっきり見える。
「…ぁ、」
「ci、ちゃんとおるな」
「うん、生きてる。shpも!!」
ciの温かい両手のひらが、俺の頬をぎゅっと、力強く、掴んだ。
その顔は、満面の笑みだった。
もう、脆くともなんともなかった。
以上、幸せ空間なshpciでした
世界にshpciを増やしてください(定期)
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kae / フォロ、1位感謝
1,337
@MAN BO
5,719
コメント
1件
ああ、これ…読み終わってしばらく動けなかった。冒頭の「卵のような君」というフレーズからして、何か脆くて尊いものを予感させられる書き出しだったんだけど、まさかああいう形で回収されるとは思わなかった。 地縛霊という伝承を軸にしながら、単なるホラーや悲恋で終わらせず、“来世での再会”へとつなげた構成が見事。特に「大切な人」って宿命が明かされる場面は、それまでのふざけた口調のciの本心が一気に伝わってきて、ページをめくる手が止まった。 最後のカフェでの再会シーン、ciが「生きてる」って言ったところでやっと息ができたよ。羽がなくなって、温かい手で頬に触れる——あの描写だけで全てが報われた気がした。切なくて、でも最後はちゃんと温かい、すごく好きな作品です。