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会場の熱気が、自由を包み込んでいた。
キラフェスのラストステージ――この瞬間が来ることを、自由はずっと感じていた。しかし、実際にその時を迎え、胸が苦しくてたまらない。
入野「……ああ、こんな気持ち、言葉にできるのかな。」
小さく呟き、深呼吸をする。
彼はその瞬間、舞台袖に立っていた。見渡せば、親しい仲間たちが並んでいる。岡本信彦が肩を叩き、「行こうぜ、自由くん」と笑顔で励ましてくれる。木村良平が静かに頷き、江口拓也が少し肩を引いてリラックスさせてくれる。
浪川大輔が、やや遅れてその場に現れると、「今日はお前が主役だからな、思いっきり歌えよ!」と言って拳を突き上げた。
その言葉に、自由の目に涙が浮かびそうになった。
そして、声がかかる。
神谷「自由、行こう。」
神谷浩史が、いつもの落ち着いた声で言う。
自由は静かに頷き、舞台へと歩み出した。
幕が上がり、客席の熱気が一気に彼に注がれる。
入野「……みんな、ありがとう。」
その一言で、自由の心が震えた。
彼はファンの目を見つめながら続ける。
入野「今日が、キラフェス最後のステージです。僕にとって、この場所は本当に特別なもので、みんなと一緒にここまでやってこられたことを心から感謝しています。」
言葉が詰まる。
涙がこみ上げてきたが、必死に抑えながら言葉を続ける。
入野「でも、これが最後なんです。僕たちの最後のステージ。だからこそ、最後までみんなと一緒に、この想いを届けたいと思います。」
その瞬間、岡本信彦が最前列から叫んだ。
岡本「自由くーーん!みんな、最後まで応援してるぞ!!」
ファンの声援が、自由の胸に響く。
その声が支えとなり、自由は深呼吸してから再びマイクを握り直す。
入野「じゃあ、行くぞ!最後まで、一緒に歌ってくれ!」
すると、ステージ裏から次々に仲間たちが集まり、全員が彼の周りに立つ。
木村良平が、少し照れくさい笑顔を浮かべながら言った。
木村「自由くん、一緒に歌おうな。最後まで、みんなで。」
江口拓也も力強く頷く。「今までずっと、みんなと歌ってきたんだ。これからも一緒に。」
浪川大輔が拳を握りしめ、叫ぶ。「お前が笑顔で歌えば、俺らも嬉しい!最後の瞬間まで楽しませてくれ!」
よっちんこと吉野裕行がにっこり笑い、「俺たちの歌声、届けようぜ!」と掛け声をかける。
神谷浩史が、穏やかな笑顔で言った。
神谷「自由、お前の歌が大好きだ。みんなで、最後の瞬間まで大切に歌おう。」
その言葉に、自由の目から涙がこぼれた。
そして、全員で並んで、歌が始まる。
入野「ありがとう――」
その歌声が響き渡る。
そして、ステージが一つにまとまり、全員の声で「ありがとう」が会場を満たしていった。
――ステージのラスト、最後の一曲。
自由はマイクを握る手を震わせながら、ステージの中央に立っていた。
入野「……ありがとう、みんな。今日が、キラフェスの最後のステージです。」
客席からは声にならない嗚咽や、応援の言葉が飛ぶ。
入野「僕は……本当に、Kiramuneに出会えて、みんなに出会えて、幸せでした。」
イントロが流れ出す。
彼のソロ曲――思い出が詰まった、あの歌。
一音一音を噛みしめるように、涙をこらえながら歌い出す。
でも、2番のサビに差し掛かったところで、彼の声が震え、止まる。
入野「……っ……っ……ごめん……」
マイクを持ったまま、崩れるように膝をついた。
その瞬間だった。
舞台袖から駆け寄ってきたのは――
浪川、神谷、岡本、木村、江口、吉野。
神谷「……自由!」
誰よりも早く抱きしめたのは、神谷だった。
神谷「泣くなって……お前の歌、大好きなんだから……最後まで、ちゃんと届けろよ……!」
一人、また一人と、Kiramuneの仲間たちが彼を囲み、抱きしめる。
木村「自由くん……ずっと一緒にやってきたじゃん。最後もさ、一緒に歌おうよ。」
岡本「自由くんがいたから、ここまで来れたんだよ……」
彼らの言葉に、涙が溢れる。
自由は顔を上げた。
入野「……うん。ありがとう。……一緒に、歌って?」
全員が頷く。
そして、再びイントロが流れる。
今度は全員の声で――
“ありがとう”が響き渡るステージ。