ぷりまぜ 真ん中 バースデー 記念 連載 。
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地雷 さん ばっく 。
えせ 関西弁 ちゅーい 。
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街灯の光が雨に溶けて 、 アスファルトという名のキャンバスに 、 淡い水色の飴を零したように広がっている 。
その甘やかな輝きが 、 今の俺には 、 触れれば指先を切り裂く冷たいガラスの膜にしか見えなくて 、 一歩踏み出すことさえ拒まれているような気がした 。
肺に吸い込む空気は 、 微かな鉄の匂いと 、 自分の中から少しずつ剥がれ落ちていく体温が混ざり合って 、 ひどく泥臭い 。
ずぶ濡れのパーカーが重く肌に吸い付くたび 、 自分の存在が水を含んで崩れていく紙細工のように思えて 、 俺はただ 、 どこまでも続く暗いアスファルトの地平を見つめて立ち尽くすことしかできなかった 。
「( … どこ行ったらええんやろ 、 )」
喉の奥に張り付いたその問いは 、 声になる前に薄い銀色の雨に溶けて消えていく 。
数時間前に飛び出した家の玄関も 、 自分を縛り付けていたはずの憂鬱な日常も 、 今はもう 、 遠い銀河の端で起きた出来事のように現実味がない 。
俺の境界線は 、 この雨の冷たさに侵食されて 、 少しずつ 、 けれど確実に消失しかけていた 。
__ その時 。
パレットの上で絵の具が濁っていくみたいに 、 水たまりに反射する淡い世界を、誰かの靴が 、 無造作に踏み荒らす音がした 。
「… 君 、 何してんの 。」
唐突に降ってきた声は 、 雨の音を鮮やかに切り裂く薄い刃のようで 、 俺の鼓動を強く射抜いた 。
顔を上げると 、 そこにはビニール傘の向こう側から 、 俺を覗き込む男がいた 。
暗闇を鋭く 、 けれどどこか熱っぽく射抜く 、 その瞳の光 。
それは 、 凍えきった俺の心臓を熱い針で突き刺すような鮮烈さを放っていて 、 俺のモノクロだった視界を 、 無理やり塗り替えていく 。
その光が 、 何色なのかを確かめる余裕なんてなかった 。 ただ 、 その瞳に映る自分の惨めさが 、 鋭い硝子片となって胸に突き刺さる 。
「… 別に 、 … ほっといてください 、」
拒絶したはずなのに 、 俺の指先は 、 その瞳の奥にある熱を孕んだ静寂を求めて 、 無意識に 、 自分から彼のパーカーの袖を掴もうとして空を切った 。
彼からは 、 煙草の匂いと 、 この夜にはあまりに不釣り合いな 、 乾いた体温の匂いがした 。
「… 行くところないなら、ウチ来る ?」
あまりにも身勝手で 、 あまりにも救いのようなその誘い 。
俺は 、 その言葉の先にある棘に気づかないふりをして 、 自分からその淡い地獄のような安らぎへと 、 一歩 、 足を踏み出した 。






