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注意事項
・knkz
・空想りすなー
kn→「」 kz→『』
コラボ配信のあと、叶は他のメンバーと二次会に呼ばれてた。
「葛葉も来る?」
『いや、俺はいいや。疲れたし』
「そっか。じゃ、また明日ね」
叶はいつも通り優しくて、何も変わらないはずだったのに。
その夜、葛葉は眠れなかった。
叶の笑い声が他の誰かに向けられてるのを、切り抜きで見てしまったから。
──なんで、モヤるんだよ、俺。
配信後の打ち上げボイス、思った以上に距離が近くて、
叶が誰かのことを「かっこいい」って言ってたのを聞いた時、
喉の奥が詰まった。
(俺のこと、そんなふうに言ったことねーじゃん)
そのまま翌日。いつも通りの時間に叶が通話をかけてきた。
「葛葉、起きてる? 昨日のボス戦、リベンジしよ」
『……いいよ。やるか』
ゲーム中も、ずっと落ち着かなかった。
叶の声はいつも通り。
でも葛葉の返事はどこかそっけなくて、雑談も弾まない。
「ねえ、葛葉。なんかあった?」
『別に。何もねぇよ』
「僕のこと、避けてる?」
『は……? なわけねーだろ。お前が誰とコラボしようが、俺には関係ねーし』
叶はふっと息を吐いて、少しだけトーンを落とした。
「……葛葉、それってさ、もしかして、嫉妬?」
『ちげぇっつってんだろ!』
「でも、僕が誰かと楽しそうにしてると、目そらすし。喋らなくなるし。
――僕のこと、特別に見てるなら、ちゃんと言ってくれないと」
『っ……』
言えるわけがなかった。
ずっと「相方」で通してきたんだ。今さらそんな感情、言葉にできるわけがない。
でも、叶はそんな葛葉の沈黙に、そっと重ねてきた。
「僕はね、葛葉が誰かに取られるの、やだよ。……ずるいよね、僕だけ言って」
『……』
「答えなんて、すぐじゃなくていい。
でも、“俺も”って思ってくれてたら、……ちょっとだけ、期待してもいい?」
葛葉は画面越しの叶を見ながら、喉まで出かけた言葉を噛み殺す。
『……ばーか。勝手に期待してろよ』
照れ隠しでしかないその言葉に、叶は少しだけ笑って、
「うん、じゃあ“勝手に”期待しとく」
そう言ったその笑顔が、たまらなく優しかった。
そして次の日――
リスナーとの雑談配信中、何気ない一言でまた空気が変わる。
“葛葉、昨日より声軽いじゃん。どうしたの?”
『……まあ、なんか……ちょっとだけ、肩の力抜けた』
【葛葉デレ期!?】【え?誰の影響?】【まさか叶くん???】
『――うっせ。バカ共、黙ってろ』
でもその言い方は、いつもより少しだけ柔らかくて。
叶がそれをアーカイブで見て、思わず笑ったのは、また別の話。