TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

注意事項

・knkz

・空想りすなー

kn→「」 kz→『』





最近、叶の声を聞くたびに、胸が苦しかった。


相変わらず優しくて、笑ってて。

だけどどこか――本当に少しだけ、距離を置かれてる気がして。


「葛葉、何考えてるかわかんないって、よく言われるでしょ」


叶に笑いながら言われた、その一言がずっと頭から離れなかった。


(そうだよ……俺だってわかんねぇよ。自分の気持ちなんか)


でも、わかっちまったんだ。


叶の声が、誰かと楽しそうにしてるだけで、心がきしむ。

叶の名前が他の人の口から出るだけで、イライラする。


もう、認めるしかなかった。



その夜、通話が繋がるとすぐに、葛葉は呼吸を整えた。


『叶』


「ん?」


『……ちょっと、黙って聞け』


「え? なにそれ、こわ――」


『っ、俺……お前のこと、ずっと“相方”だって、そう言い聞かせてたけど』


声が震えた。口の中が乾いて、喉が詰まりそうだった。


『でも、最近、配信のあとも……寝れねぇんだよ。

お前の声、頭に残って、誰かと笑ってるの思い出して、

……勝手にムカついて、勝手に苦しくなって。意味わかんねぇだろ?』


「……」


『俺、こんなふうになんの、お前だけだよ。

他の誰でもねぇ、お前じゃなきゃダメなんだよ』


苦しそうに、搾り出すように、葛葉は言った。


『逃げたくても、どうしたって、もう……お前のこと、好きなんだよ』



沈黙が重くのしかかる。

でも、もう後戻りはできなかった。


『……だから、叶。俺と、付き合ってくれ』



叶は言葉もなく、ただ静かに呼吸を整える音だけが聞こえた。


葛葉は耐えきれずに、笑ってしまう。乾いた、情けない声で。


『……やっぱ引いた? だよな、急すぎるし、こんなん重いし、

俺、言い方も下手で、タイミングも最悪で――』


「……違う」


叶の声が、割り込むように届いた。


「僕は……葛葉が、そこまでの覚悟で言ってくれたのが、嬉しい」


『え……?』


「ほんとはさ、僕も何度も期待しちゃって、でも怖くて、何も言えなかったんだ。

だから、今、ほんとに……救われた」



小さく息を吸って、叶が言う。


「付き合おう、葛葉。……僕も、お前のこと、ずっと前から好きだった」


『……マジかよ……っ』


葛葉はそこでやっと、息を吐いた。

息が震えて、膝が抜けるほど安心して――

ほんの少しだけ、涙が滲んだのを、マイクに拾われないようにした。


『……ほんとバカだな、俺……』


「でも、そんなバカが僕は、好きだよ」



画面越しの二人は、ようやく同じ場所に立った。

ずっと遠かった距離が、一気に縮まった瞬間だった。

振り回してくる恋心

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

546

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚