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第三話「褪せた瞳」.
ー注意ーー
前話参照の為割愛させていただきます。
苦手な方は予めご了承ください。
ある朝、shpは目を覚ました。
彼の隣には、いつものように穏やかに眠るrbrがいた。
しかし、その瞳がshpを捉えた瞬間、shpは凍りついた。
彼の瞳には、何の光も宿っていなかった。
それは、見知らぬ他者を見るような、冷たい視線だった。
「……誰、です?」
rbrの声は、感情を全く含まない、無機質なものだった。
その一言が、shpの心をナイフで切り裂いた。
全身から力が抜け、その場に崩れ落ちる。
彼の絶望は、底なし沼のように深く、どこまでも沈んでいくようだった。
「rbrさん……! そんな、俺ですよ、shpですよ……!」
shpは必死に訴えかけたが、rbrの瞳には、何の光も宿っていなかった。
まるで、そこに感情を持つ人間がいることなど、最初から知らなかったかのように。
彼は、ただ虚空を見つめているだけだった。
「……誰?」
同じ問いかけが、繰り返される。
その問いが、shpの胸に深く突き刺さる。
shpは、この世の終わりのような絶望を味わった。
愛する人が、自分を忘れてしまった。
これほどまでに残酷なことが、この世にあるだろうか。
彼の心は、張り裂けそうだった。
それでも、shpはrbrのそばを離れなかった。
どんなに辛くても、彼のそばにいることだけが、shpに残された唯一の光だった。
rbrは、shpの存在を認識していない。
ただ、部屋の中にいる人間の一人として、彼を認識しているだけだった。
shpが話しかけても、返事はない。
ただ、人形のようにそこにいるだけだった。
shpは、彼の存在を感じるだけで、ほんのわずかな安らぎを得ていた。
rbrの天使化は、最終段階へと進んでいた。
背中からは、純白の大きな翼が音もなく生え、頭上には光り輝く輪が浮かんでいる。
その姿は、あまりにも神々しく、そしてあまりにも人間離れしていた。
記憶も、感情も、全てを失ったrbrは、ただ、美しいだけの存在になっていた。
しかし、その美しさは、shpの心をさらに深く傷つけるだけだった。
彼はもう、rbrではなかった。
そして、その翌日。
shpは、rbrが窓辺に立っているのを見て、心臓が凍り付くのを感じた。
彼の背後には、生まれたばかりの白い翼が、まるで夜明けの光を吸い込むかのように輝いている。
その視線の先には、どこまでも広がる青い空。
rbrは、空に帰ろうとしている。
本能が、彼を呼んでいるのだ。
shpの胸に、冷たい鉛が流れ込む。
「rbrさん! ダメッ !」
shpは叫んだ。
しかし、rbrは振り返らない。
彼の瞳は、ただ空を見上げているだけだ。
shpは、狂ったように家中の窓という窓を塞ぎ始めた。
カーテンを閉め、鍵をかけ、家具を運び込んで塞ぎ、光を遮断する。
手から血が流れ出ても、痛みすら感じない。
rbrをこの部屋に閉じ込めることで、彼の空への旅立ちを阻止しようとしたのだ。
ポタ〃とshpの手から滴る血は静かに床を染めていった。
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コメント
13件
アカウト消したからコメント消えてて草( ᐛ )𐤔 もう一度、全部読み直したら、目から汗が大量に出てきてヤバイ😱(´;ω;`)
見に来るの遅れた((( 毎回面白すぎる〜!
続きが楽しみです sypくんかわいそう