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ライブのアンコールが終わった舞台袖。
さっきまで数万人の前で歌い踊っていたリムルを、苺プロダクションの**斉藤壱護(社長)**と、スタッフたちが包囲していた。
アイは無邪気に「すごかったねー!と笑っているが、社長の目は笑っていない。
「……おい、ガキ。さっきのアドリブは100歩譲って許そう。だがな……」
社長が一歩詰め寄り、リムルの顔を覗き込む。
「お前、マジで誰だ? どこの事務所だ? なんで演出の予定にないのに、空から降ってきてステージの真ん中にいた?」
スタッフたちもザワつき始める。
「警察呼ぶか?」「いや、でもあんなにバズってるぞ……『謎の美少年』ってSNSでトレンド1位だぞ」
「……えーっと、それは……」
リムルが冷や汗をかきながらシエルに助けを求める。
(おいシエル! どうすんだよ、設定とか考えてないのか!?)
『告。全て計算通りです。マスター、ここは「記憶喪失」および「家出少年」という設定を使用することを推奨します』
「(設定がベタすぎるだろ!)」
「あー、その、俺……。実は、記憶があんまりなくて。 気がついたら空を飛んでて、気づいたらあそこにいたっていうか……」
「そんなわけあるか! バカにしてんのか!」
社長が怒鳴ろうとした瞬間、アイがリムルの前に割って入った。
「いいじゃん、社長! リムル君のおかげで今日のライブ、今までで一番盛り上がったんだよ? まさに**『神懸かり』**だったじゃん!」
アイはリムルの手をギュッと握り、その星のような瞳で社長を見つめる。
「ねえ、社長。この子、私が預かるよ! 私、この子のこと気に入っちゃった!」
「アイ、お前な……。相手は身元不明の不審者だぞ?」
「まあまあ、いいじゃん!可愛いし~?」
「というか、うち来る?いえないんならさ~」
「え、いいのか? ……じゃなくて、そんな簡単に決めていいのかよ!?」
こうして、リムルはシエルさんの(適当な)作戦とアイの直感によって、**「星野アイの家に転がり込む、謎の記憶喪失美少年」**という、さらにややこしい立場になるのだった。