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「はいこちら掃除科。ターゲットを見つけた。四人同時に。今追いかけているところ。何人か向かわせて」

夜。岸は、スマホを片手に走っていた。ターゲット…殺し屋たちを見つけたようだ。

『あぁ〜…今行けるのは…あ、あと誘惑科は今は動けないみたい。殺人科の子引っ張ってくるね』

「はぁ!?誘惑科が動けない!?全く何してるんだよ…」

『彩が毒にやられたそうです』

「はいはいご愁傷様ですー。じゃ、掃除してくるわ」

『がんばれー』

岸は電話を切り、再び走り出す。もうめんどくさいので一人でやってしまおうという考えだ。

「あれ?いない…?」

しかし相手はプロの殺し屋。それも4対1。

「はぁ…ん?」

ドン

死角から、銃を持った男が一人。岸に向かって撃ったようだ。

「油断はできないっぽいか…じゃ、まず先にお前から掃除しよう。跡が残らないよう、綺麗に」

次の瞬間、岸は男に向かって素早くナイフを心臓にぶっ刺した。

「まず一人目…か」

任務は、順調に進んでいるようである。


「こちら殺人科。怪しい動きをしている二人組を発見。殺っちゃってもよろしいかしら?」

『さぁ…一般人だったら私たちも犯罪者になっちゃうから…慎重にね、リリー先輩』

「了解。まずは接触を試みますわ」

リリーは、一歩踏み出した。

後ろには兄、相馬も。

やはり敵は、上の階に…


「ひらりさん、なにか仕事ありますか…?できれば、人殺さないやつ…」

「蒼くん…と、遥人。ま、私たち普通科は暇だしね。あ、じゃあ部屋で彩のことを見ててくれないかな?7階の客室で。そうすれば水梨ちゃんたちも動けるし、人も…多分殺さないで済むと思う」

「そうですか…よし、行きましょう」

「…なんで俺まで…?」

と、疑問を抱く遥人も、蒼の後ろに渋々ついていったのだった。

そして7階。先程まで蒼達がいた階よりは高いため、敵がどこかに潜んでいてもおかしくない。二人は細心の注意を図り、客室へと向かう。

コンコン

まずノックをした。

「敵!?…って、凪野くんたち…?どうしたの?」

「ひらりさんから言われて、彩さんを見守るようにって。水梨たちが任務にいけるしさ。交代ってわけ」

「あ、なるほど…じゃあ、よろしくね」

「うん」

水梨達は、武器を持った後、部屋から出た。

「凪野、あの子と仲良いんだ。へー…」

「どうかした?」

「いややっぱり誘惑科って可愛い人多いなって…」

「…」

改めてそう言う遥人に、蒼は少し引く。けれどすぐに、もしかしたら誰かが扉をぶっ壊して侵入してくるかもしれない、壁を壊して誰かが…と不安になってきて、青ざめた。

そう言う経験があるからである。

「ここの壁とか、扉って、頑丈だよね…?」

「え?まぁ、頑丈だとは思うけど、なんで?」

「いや、扉とか壁をぶっ壊して変な人入ってこないかなって…」

「はぁ?そんなの、入ってくるわけないじゃーん」

「だ、だよな…」

とうなずく自分は本当はされたことがあるのだけれど。言わなかった。余計不安になるから。

「でもそれって、フラグ立てちゃったんじゃ…」

「あ」

次の瞬間。

ドン バキバキッ

「ここの部屋から、只者じゃない気配がしたぞ。お前ら、あっち側の人間だな。そっちで寝てる女は悪魔だろ」

「あああああああああああああああーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっっっ!!!!!!」

二人は同時に大声を上げた。まさか、こんなふうに侵入してくるとは…

「ん?うるさいよ二人とも…ってあれ?なんで二人ここにいるの?」

さっきの大声で、さすがの彩も目覚めたようだ。

「い、いま、この人が、扉をバキバキッっとやって、侵入してきて…それで…」

「あ、殺し屋さんじゃない。よかったわねー、ターゲットが直々にやってきて。手間が省けたじゃない」

「に、にににに逃げましょう!!早く!」

「何言ってるの?私たちはこの殺し屋達を殺すためにこの船に乗り込んだのよ?」

彩が、ぽかんとした表情で、こちらをみている。反対に、二人は青ざめている。

「わかったわかったそっちの二人は見てて。私が片付けるから。一人でしょ?」

「ま、まぁ…」

「じゃ、寝起きの運動といきますか…ふわぁ…眠い」

「凪野。俺たちだけでも逃げ…」

「無理ですよ!!」

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