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#夢小説
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#stxxx
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数日経った。あの日からまた数回放送で呼びかけはあったが、一度怪しいと思うと一気にそれは胡散臭くなった。
えーちゃんはそれからというもの、モルと自殺未遂を繰り返していた。
えーちゃんは精神と身体が弱い。きっとストレスの立て続けに耐えられなかったのだ。えーちゃんは、最初は遺書を書いていたが、日に日に様子が変になり、一人でほっておくとすぐに死のうとしていて、今では包丁や紐などは持たせないようにしている。あたしのその行為は、まるで介護のように思えた。
あたしはえーちゃんの為なら何でもするよ。こんな雑用も嫌じゃないし、えーちゃんといれてあたしは嬉しいよ。
「さっちゃん……」
「どうしたの?」
「なんでここまでするの」
「えぇ〜今更?」
「…えーちゃんが大好きだからだよ」
「どこが?」
もうボサボサになってしまった綺麗な髪は、天井の明かりを受けて吸い込まれていった。今は手の届く所に君がいて、あたしはえーちゃんの長くなった横髪を退かし目を発見した。
「そりゃ、声とか見た目とかもそうだし、あたしのことも許してくれるし、笑い声が好きだし、…とにかく、えーちゃんの全部が好きなところだよ」
ふーん、とえーちゃんは呟き、じゃあ、とこちらを真剣に見た。
「じゃあ私の今から言うことにも聞いてくれる…?」
「…なに?」
「一緒に、死んでくれる?」
はっきりとした聞きやすい発音は、フェードアウトしながら消えていった。
「え、なんで?やだよ、」
「もう、私、現実に耐えられない。」
「回るの。ずっと、世界は、円になってるの」
「終わりがないの」
「それが、苦痛で、嫌なの」
「そんなの、!今だけだよ」
「なんで?勿体ないよ!せっかくここまで来たのに!!」
「…勿体ない?」
「は、はは、さっちゃん、よくそんな事言えるね」
「何?」
「私は人を殺した。」
「えっ、」
えーちゃんは儚くて、絹みたいにキラキラしてて、あたしを受け入れてくれて、たまに笑うところが好きで…………
こんなの、えーちゃんじゃない。
「いつ?嘘だよね…?」
「本当だよ。私が生きていたから、代わりに死んだ人がいるの。それだけで、もう十分罪なんだよ。」
多分、これはあんちゃんの事だと判断した。
「それは、人殺しに入らないよ…」
「さっちゃん、さっちゃんはさ、」
「自分が何人殺したとか、覚えてる?」
「さ、3人…」
「違うよ。5人、さっちゃんは人を殺したの。」
「…覚えてない…のは、きっと、動揺してたから…」
「本当に大事なことはずっとその言い訳をするね。そんなに私に嫌われたくない?」
「うん、そうなんだね。いいよ。もう、」
「それでも私はさっちゃんを見捨てないから」
「十分、私はもういいよ。
…、今度は、私たちが罪を償う番」
「いいじゃん、そんな事、気にしなくても…」
「…あんちゃんは、ここはいいところだって言ってたけど…」
「私は、あっちの方が幸せだった。」
「この現実は、重いよ。」
「ねえさっちゃん、私、死にたい」
「死にたくて死にたくて、死ぬことがずっと頭にこびりついていて、苦しくて、辛くて、助けてもらえなくて、苦しい。」
「…私が、えーちゃんを幸せにするよ」
「実はね、私、主の声が聞こえるんだ。」
「主はね、アドバイスしてくれるんだ。あの冬にコールをしようと言ったのも主だし、寝て起き上がろうと思えるのも、主のおかげ。どんな行動も、今の私がいるのも、主が助言してくれたからなんだよ。」
「放送を聞いて、さっちゃんの所へいけって言ったのも主なんだよ。あはは、主は直ぐ側にいるのに、主が待ってるって…変なの、」
「きっと、私は本当に、主に選ばれたんだよ。」
どんどんえーちゃんが、えーちゃんじゃなくなってきている。汚れた布雑巾みたいに、距離が近く感じて、そばにいるんだって、実感できるくらいに。そんな物に恋した私がバカにされてるみたいで……。
酷く暑い部屋だ。
「嫌だよ。私は死にたくない。」
「本当に?」
「本当だよ」
「今のさっちゃんの生き甲斐って、何なの?」
「えーちゃんと一緒にいること」
「じゃあ私の生き甲斐は?」
「あたしといること…?」
「そう、私達は2人でひとつなんだよ。」
「2人はいつも一緒じゃなきゃダメなんだよ」
「分かる?」
「うん、だから、私はえーちゃんにいなくなってほしくないから、私も生きるし、えーちゃんも生きなきゃ駄目だよ」
「本当にそうかな」
「このまま生きたとして、私達は生きれるのかな」
「食べ物が無くなったら?仕事でずっと会えなくなったら?私達が喧嘩したら?本当に、…ここは、私達が暮らしていたところではない。考えも、行動も、やる事も、礼儀も、生活も、全部違う。それでも、生きられるのかな」
「私、今幸せだよ。幸せだから辛いの。埋もれていた霧が、うっすらと見えていた壁が、もうそこまで見えている感じがするの。」
「一緒にいることが目的なら、生きていても死んでいてもどうでもいいでしょ?別の世界でまたあそぶんだよ」
「つらくなる前に、一緒に心中しよう?」
「私たちでコールすれば一生2人でいられるよ」
「……………………」
「………ねぇ……」
分からないよ。
「一生のお願い、もう息をしたくないの」
「………………………………………」
えーちゃんのかんがえてること
ーーーーーーーーーー
そこは綺麗な川だった。大きな大きな川だった。
手をつないでいた。外は寒くて、今にも凍りそうだったけど、片手だけは温かかった。
「はあ、はあ、はあ」
「…………行こう」
目を閉じて、足を落として、浮遊感に叫び、水で遮られた。寒い。冷たい。
川って、泳げれるのかな
えーちゃん、もう手はとっくに冷たくなっちゃった
えーちゃん、えーちゃん、苦しいよ
あたし、まだ生きたいよ。
ーーーーーーーーーー
「どうやってそれで死ぬの?」
「石炭を焚いて酸素を薄くして、細胞を止めるの。」
「苦しいなんて無いよ。睡眠薬をその前に飲むの」
「この部屋じゃ大きすぎるから、襖でしよう」
「遺書は書かなくていいの?」
「誰がみて得するの?」
確かに、私たちしか私達を知ってる人は居ない
「これ、睡眠薬。一緒に飲もう」
「わ、こんなに飲むの?」
「もう二度と目を覚まさないようにね。」
「そうなんだ…」
「ねぇ、私達、生まれてくるべきじゃなかった。」
入り口にガムテープを張り、更に敷布団を置く。そうすることで空気の通り道を無くした。
「何処に行っても居場所は無い。生まれてくる星を間違えたんだ」
火のついた石炭は、白い煙を残して新しい煙を生成する。
「ふあ…、眠くなってきた。」
「まだ話足りないかもなぁ…」
真っ暗の中、至近距離の君の黒い目は確かに見えた
「…バカみたい」
「今頃後悔みたいな感情が出ちゃった。」
汗が流れて、暑くて、蝉の音が聞こえて、握った手はビチャビチャになって、息苦しい。
「このぐちゃぐちゃはなんていう名前なの?」
「今すぐ取り除きたい」
あたしという布が上に被っているみたいで、現実を感じているのか、非現実を味わっているのか、ここで終わりなのかとか、涙は出すべきなのか、出さないべきなのか、ずっと「本番」で、………なにをすべきなのか分からない。
「…さっちゃん、寝た?」
「…さっちゃんて、昔からそうだよね、」
「おもしろくて、何処までも身勝手で」
「そこがいいところでもあるんだけどね」
「だから、…嫌いだよ。」
「私はさっちゃんのこと、嫌いだよ。」
「げほっ……それでも、仕方ないよね」
「私はいつまでもCグループなんだから」
「罰であり、お似合いだよ。」
「さっちゃん…………」
「ごめんね…うぅ、」
「私には、さっちゃんしか……っけほっけほ」
「……………………」
「………………………」
「……………………………」
「…………………………………………」
「………実はね」
「私も死にたくない…」
「助けてもらえるなら、生きたかったよ……」
「さっ………ちゃん……………………」
「……くる…しい……………ょ……」