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「りゅう?」
「りゅう!!」
「……っ!」
俺は一体何をみていたんだ、?
たしか手を合わせた途端に誰かの記憶のような、何かが流れてきて…。誰かが俺にクローバーを…。
「急にぼうっとしてどうしたんだ?何か具合でも……」
「大丈夫。心配ありがとう。」
「本当か?ならいいけど。」
りんが口を挟む。
「ねぇ、詳しく聞かせてよ」
別に言ってもいいよな?
「わかった」
「…って言うことがあったんだけど…」
「ふぅーん?ここの神社での出来事を見たって感じかな。なんなんだろうね」
僕たちが考えていると、しょうがぼそっと呟いた
「それが記憶なんじゃないの?思い出したんだよ。きっと」
「そんな訳…あるかも」
そうだ。
ここは俺の思い出の場所の一つ。
いまから13年ほど前…小学4年生の時、僕はこの神社に通っていた。理由は単純だ。人があまり来ない神社、それなりに遊具のある公園、優しいおばちゃんがやっている駄菓子屋。子供がはしゃぐのには、十分すぎる立地だ。
そこに僕たちは秘密基地を作っていた。
と、言っても簡単なもので、だけれど。
学校から帰ってきたら、ゲームを持ち寄って遊んだり、時には公園で鬼ごっこをした。
そんなある日、偶然たこ焼きが売っていることに気づいてしまった。当時はわんぱくだったもので、食べ物が目に入ると我慢せずにはいられない。少ないお小遣いを使って、ソースがいっぱいかかった、中どろっと、外カリッなたこ焼きを買ったのだ。
だが、カラスに一個取られてしまった。
なけなしのお小遣いで買ったたこ焼き一個は、よほど大切なものだったらしく、泣きじゃくってしまったのを覚えてる。
でも…
「それならいっこあげる」
……は?
いまの、なんだ?
「ねえ、どうする?」
「どうするも何も、おんぶしかないだろ」
…笑い声がする。おそらくりんとしょうだろう。
「あはは、とんだ貧乏くじだね」
「本当だよ。気絶から目が覚めたと思ったら、また寝るし。」
ふ、っと目が覚める。でも、まだ早いといわんばかりに瞼が動かない。
(…?
「この道来るんじゃなかったなぁ。まぁ起きなくてよかったけど」
少しの沈黙が続く。相変わらず目は動かない。
「……どゆこと?」
「あ!…っと、んーほら、たこ焼き屋さんあるでしょ?ほら、好きだっ」
「たこ焼き!?!?」
その言葉が合図のように、目を覚ました。
「起きてたんだ?」
「楽しようとして?」
「いやそんなことないけど……」
そんなことを言いながら僕たちはホテルへと向かう。ゆっくりと、太陽と影が遠ざかって行った。
…ひらりと舞う蝶が僕らを追い越す。季節外れのそれは、危なっかしく、されど確かに宙を舞って行く。
(珍しいな。
誰でも思いつく、簡単な思い。でも、その言葉以外に合う言葉がなかったのならば、それは仕方がないのだ。