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5 - 第5話 ライト①

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2025年03月27日

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【お願い】


こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります

この言葉に見覚えのない方はブラウザバックをお願い致します

ご本人様方とは一切関係ありません


犯罪組織と戦うメンバーさんの、戦闘パロ のお話です




その日、深夜になってようやく子供組とあにきが家に帰ってきた。


ないこは風呂から出てきたきり部屋にこもっている。

俺も自室でチューハイの缶を開けていたが、やがてそのドアがノックされた。


返事をすると入ってきたのはあにきで、「邪魔するでー」と朗らかに言いながらほとけのベッドに遠慮なく腰かける。

そんな当のほとけは、帰ってきてまっすぐりうらとしょにだの部屋にゲームをしに行ってしまったらしい。



「おつかれ、まろ」


労いながら乾杯をするように、あにきは持ってきていた缶を掲げる。


「ん。あにきもおつかれ」


ベッドの上で足を組んで、あにきは手にした缶に口をつけた。

喉に染み渡る酒に「くー」と嬉しそうに笑った後、改めて俺の顔を見据える。


「どうやった? 初任務」


尋ねられて、小さく息をついた。

チューハイで喉を潤しながら「ないこは何て?」と質問に質問で返す。



「楽勝やったって言うとったで」

「…ふぅん」



イキがってるわけでも、強がってるわけでもないんだろう。

ただ子供組やあにきに心配をかけないように…リーダーとしてそう言うしかないことは分かる。

自分の弱さや迷いは、メンバーの不安を煽るだけだから見せないようにしているに違いない。



「なんかあったんやろ」


あにきにはお見通しらしく、そう言葉を続けてくる。

その目を見つめ返すとあにきはいつものように穏やかに笑っていた。

残りわずかになっていた缶の残りを呷り、飲み干してから俺は今日の出来事を説明した。



「…なるほどな。そんでまろは、ないこのことどう思った?」


『どう』…? 問われた意味を脳内で咀嚼しながら思考を巡らせる。


「言葉を選んで言うけど…。ちょっと優しすぎん?」


俺の返事に、あにきはニヤッと笑った。


「言葉を選ばへんかったら?」

「『甘すぎる』」


即答した俺に、あにきは今度は苦笑いを浮かべてみせる。



「まぁそこがないこのいいところでもあるんよなぁ」


言いながら、缶のプルタブを意味もなく何度か指先で弾いていた。



「あれでも結構ドライなとこあるんやで? 自分に益のない人間はばっさり切り捨てれるし。やけどあれやな、一旦心を許した人間は全部救おうとする」

「……」

「ないこがこの仕事に向いてないと思う?」



尋ねられて、俺は小さく頭を振る。

…違う。向いてないとかそういうことじゃない。


ただ…



「危なっかしいとは思う」

「うん、俺もそう思う」


俺の言葉に同意して、あにきは一つ頷いた。



「俺もそう思ったから、お前を呼び戻したんやもん」

「……俺?」



眉を顰めてあにきを見つめ返す。

ベッドの上に腰かけた態勢のままあにきと同じように足を組み、空になった缶はローテーブルの上に置いた。



「ないこはさ、いつでも正しいんよ。弱さとか一切子供組や俺には見せへん。子供組の前では強い自分でありたいんやろうし、俺には心配かけまいとしとるんやろうな」

「……」

「でもそんなん、いつかパンクするやん? ないこ自身が弱さをさらけ出せるような…全部受け入れてくれるような存在が必要やん」

「…それで何で俺?」

「まろの実力は確かやし、頭もいいし年も近いし。俺らの中の誰よりも一番、ないこの右腕になってくれると思て」



続いたあにきの言葉に、思わず自嘲気味の笑みが漏れる。



「じゃあ俺がしんどなったときは誰に受け入れてもらったらいいん?」

「頭撫でるぐらいならいつでもやったるわ」


冗談まじりの俺の言葉に、あにきは笑いながらそんな返事を寄越した。



「でな、そんなまろにもう一個頼みがあるんやけど」



改めて口火を切るあにき。嫌な予感がしたけれどとりあえず続く言葉を待つ。



「何も聞かんと、頼まれてほしいねん」

「…めっちゃ無茶言うやん」

「お前にしか頼まれへんねん」



冗談めかしていたあにきが真顔に戻って言うものだから、俺は小さくため息を漏らした。


「…何?」



降参するように両手をオーバーに挙げて、尋ね返す。

雰囲気から自分に拒否権はないと悟った。



「明日俺ら、また今回の任務で外に出なあかんねん。多分、夜通し帰ってこられへん」

「…うん?」


さっきまでまっすぐ俺を見つめていたあにきは、そこでふと視線を逸す。

その頼みごとをするには少し申し訳なさか後ろめたさがあるのか、じっと床を見据えていた。



「俺のベッド使っていいから、明日の夜はこっちの部屋で寝てほしいねん」

「………は?」



…何て?

釈然としない面持ちで、目の前のあにきをじっと凝視する。



「そんで、寝るときは絶対電気消さんといて」

「え、俺照明は全部消さな寝られへんねんけど」

「アイマスク貸したるやん」



…そういうことじゃなくない?

言いかけた言葉を何とか飲み込んだ。


あにきは自分が突拍子もない頼みをしていることを自覚しているのか、少し気まずそうな表情を浮かべている。



「…ないこと同じ部屋で寝ろってこと? 何で?」

「理由は聞くなって言うたやん」

「……」

「大丈夫。多分何も起こらへんから。保険みたいなもんや」


いや、意味がわからん。

それでも何も聞くなというあにきの雰囲気からは、それ以上尋ねたところで答えてくれないだろうことだけは分かる。



「しゃあないなぁ。あにきに貸し1な」


吐息まじりに拳を突き出すと、あにきはそこでようやく俺の顔を見た。



「悪ぃな、まろ」



申し訳なさそうに笑って、目の前の俺の拳に自分のそれをこつんと当てた。






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コメント

4

ユーザー

青さんと黒さんの保護者な会話が...!😣💞 言葉を選んで言う青さんがしっかりしてるんだろうなと思わせられます...正直に言葉を選ばないとこも含めて😸 桃さんと寝る時に電気を消さないといけない理由、気になりますねっ👉🏻👈🏻💕 今日も元気を貰えました...🙌🏻︎‪💕

ユーザー

黒さんはやっぱり年上の大人って感じがしますね…!!

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