テラーノベル
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中学三年生の夏、死のうと思った。今の人生に、疲れてしまったから。誰にも言えない儘、こんな憂鬱な日々を送っていく事が出来そうになかったから。
……ただ、神様は実にタイミングが悪い。せっかくの、私一人だけの時間だったのに。
「…貴方、こんな時間にこんな場所で…何をしに来たの?」
突然話しかけられて、少し驚いてしまった。私の隣に急に現れた人は、セーラー服を着てて…私より、大体5歳くらい年上なのかな?…そして、私は……その人の問いに答える事が出来なかった、…声が出なかったんだ。
「……まぁ、何をしようと貴方の勝手でしょうけど…。一応、一つだけ…溺死はとんでもなく苦しいからやめておいた方が良いわよ。遺体も綺麗に残らないって言うし、ね。」
………えっ、…何?
…頭に最初に浮かんだのは、戸惑いだった。私を止める訳でもなく、…人生の素晴らしさを語るわけでもない。……私は、この人の事がよくわからない。だけど…ほんの少し、死ぬ前に……この人の事が知りたくなってしまった。
「ふーん、…なるほどねぇ…。……貴方も、大変なのね。少し同情するわ。」
私は、……今まで誰にも言えていなかった自分の現状を、無意識にその人に話していたらしい。正直、全く意識がなかったけど…
「……多分、貴方が気づいていないだけで…頼れる人、貴方の周りに沢山居ると思うわよ?」
……えぇ…本当かなぁ…?きっと、私なんかがお姉ちゃん達とかにそうだとしたって、お姉ちゃん達に迷惑をかけるだけで、何も変わらないんじゃ…
「…まぁ、どうせ死ぬなら……やれそうな事、全部やってから死ぬのはどうかしら?……それじゃあ、今日はもう帰るわ。」
「……次は…多分、一週間後くらいにまた来るわね。…名前、気になるんだったら…せいぜい、その時までは生きていると良いわ。」
そう言って、その人は私に背を向けて帰路に着いてしまった。……去り際に、あんな一言を添えて。…そうだな、……せめて、あと少しだけ…生きてみるのも、悪くないと思えた。あの人の名前を知らないまま死ぬのは…なんだか、未練が残ってしまいそうだったから。
あれから一週間が経った。あの日、あの人と出会った海辺で…私は、あの人が来るのを待っている。
「……あら、生きていたのね、…⬛︎⬛︎。」
……ちょっと待って欲しい。…なんで、この人は私の名前を知っているの?私、教えた記憶が無いんだけど…。……あぁ、多分…胸ポケットに突っ込んだ学生証が見えていたのかな?
「…へぇ…良かったじゃない。良いお友達とお姉さん達が居て。」
…あの後、お姉ちゃんや…あるクラスメイトの子に相談したら、トントン拍子に事が解決してしまったのだ。……こうなるなら、もう少し早く相談していても良かったかもしれない。まぁ…どれもこれも、一番最初に私を変な形で止めてくれたこの人のお陰だ。せめて、もう二度と会えなくても…名前くらいは知っておきたい。
「……名前?…なんだ、本当に気になってたのね。…良いわよ、それくらいなら教えてあげるわ。」
「…アタシは⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。……そうね…ただの、ほんの少し運が悪かった女子高生よ。」
約2年の月日が経った。時の流れというものはあっという間だ。私は今は高校二年生になって、⬛︎⬛︎ちゃんは…22歳、かな?で、今はある有名な会社に勤めているらしい。⬛︎⬛︎ちゃんとは今でも時々会う仲で、最近は⬛︎⬛︎ちゃんのお兄ちゃんとも会ったんだ〜。向こうも向こうで、大分複雑そうな人生を持ってるらしいけど……
…私は、少なくとも今の人生がとても幸せだと思ってて、大好きだ。私の人生を救ってくれた⬛︎⬛︎ちゃんには、感謝してもしきれない。
だから、今度は私が……⬛︎⬛︎ちゃんと、そのお兄ちゃんが…私みたいに、明るくて楽しい人生を送るためのお手伝いを、私なりのやり方でしたいと思っている!
ファイル02.「私なりのやり方」/⬛︎⬛︎ ⬛︎⬛︎
コメント
3件
作者より ここで考察のヒントを投下! 一話のキャラクターと二話のキャラクターには繋がりがあります 一話より腕が落ちておる…
読み上げ人より 「…本当に、恵まれた女の子ね。素敵な友人とちゃんとした倫理観を持ち合わせた家族…そうそういないんじゃない?」
わあ…第2話、めっちゃ沁みたよ〜😭💕 「死のうと思った」って衝撃的な出だしから、海辺のミステリアスなセーラー服のお姉さんとの出会い…「溺死は苦しいわよ」って止め方も独特で、めっちゃ気になるキャラだよね! 一週間後に生きてるかどうかって言い残すところとか、ズルすぎるでしょ…!✨ それで主人公がちゃんと生き直して、2年後には今度は自分が支える側に…って展開がもう尊すぎるよ…🥺💕 「私なりのやり方」ってタイトルも、このラストで効いてくるね!続きめっちゃ気になるから早く読みたいよ〜!!🌸
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