紫のメッシュが入った綺麗な顔をした男の人は
ふわっちと言うらしい。
叶くんの友達でローレンのバンドメンバー。
見た目がかなり派手だから少し構えてしまったけど
優しい顔で笑う人で一瞬にして緊張なんてなくなった。
「でねー、都愛そのまま泊まって一緒のベッドで寝たのに手出されず帰ってきてるのよ」
話題はもちろんわたしの失恋話、
叶くんもふわっちも相手がローレンなんてことはもちろん知らない。
わたしの話題なのに黙っているのはなにかおかしな気がしたから
ローレンに気は使わずわたしもその会話に参加する。
「ちゃんと好きって言ったのにまともに返事も貰えずにねえ」
「都愛ちゃんこんっなに可愛ええのに……」
よしよしと2人から頭を撫でられる。
や、優しい……。ちょっとだけ沈んでた心が
2人のおかげでじわ〜と暖かくなった。気がした。
「クズ代表ローレンくんは女の子と同じベッドに寝るなんてなったら即手出すよね?」
「叶さん俺のことなんだと思ってる?出さねースよ」
「嘘つけ出すやろ」
「黙れ」
クズ代表のローレン、叶くんが言うなら代表なのかも。
気まずさからなのか普段わたしの前では基本吸うことのない煙草を
とてつもないペースで吸っている。
叶くんの香水の匂いとふわっちの香水の匂い、
あとローレンの吸っている煙草の匂いが混ざって少しクラクラした。
「あ、都愛髪にソースついちゃう」
さらりと叶くんに掴まれた髪はあと少しでソースにつかりそうになっていた。
ありがとうと言うと僕髪ゴム持ってるし結んだげるよとのこと。
このままだとさっきみたいなことになりかねないのでお言葉に甘えて結んでもらうことにした。
「僕と同じポニーテールにしちゃおっと」
『ふふ、お願いしまーす』
持っていた小さめのコームを叶くんに渡す。
サラサラとコームを髪に通したあと一つにまとめてあっという間に同じ髪型に。
鏡で確認するととても綺麗に仕上がっていた。
なんだか嬉しくてお礼を言おうとすると変な顔で固まった叶くんと鏡越しに目が合う。
「ねえ……ふわっち、これ」
「……ん!?都愛ちゃんこれ誰につけられたん」
『な、なんの話?』
ここ、首の後ろを指さされてもそんなところ自分で見えるわけがない。
鏡で見てみなと言われ急いで見ると赤い跡。みたいななにか。
「どう見てもキスマなんだけど?都愛?どういうこと」
コメント
3件
繋がってる!?話しの描き方うますぎてするする想像できすぎます~!