星空

目黒の家のソファで、うつ伏せになって眠っている渡辺。晩ご飯が出来たから目黒が起こしにきた。

目黒ー爆睡じゃん。

渡辺ー・・。

そっと頬にキスして、小さな声で名前を呼ぶ。

目黒ー翔太くん？翔太？

渡辺ー・・。

目黒ー翔太くん？

渡辺ー・・ん・・。

くぐもった声で、返事をし、また眠ってしまった。目黒は、顔の辺りに座り、もう一度頬にキスして名前を呼ぶ。

目黒ー翔太くんを食べるのと、晩ご飯を食べるのと、どっちが美味しいかなぁ。

渡辺ー・・ばか・・ふ・・ん・・。

また眠ってしまう。

仕事が、そんなに疲れたのだろうか？

モゾモゾ動くだけで起きない。具合が悪くなったんだろうか？

目黒ー大丈夫？疲れてる？

渡辺ーん〜・・寝よ？・・。

目黒ーどうした？なんかあった？

渡辺ーん・・ふ〜・・。

目黒ーやっと起きた。

渡辺ーふ〜・・ん・・ここで・・一緒に寝よ？

目黒ーご飯だよ？

渡辺ーふぁ〜。

目黒は、渡辺の作ったスペースに横になった。胸元に引っ付いてくる。渡辺は、そのまま眠ってしまった。目黒は心配になる。どこか具合悪いんじゃないか？

目黒ー翔太くん？翔太くん？

渡辺ー・・。

目黒ー翔太！

渡辺ー・・ん？

目黒ーどうしてそんなに眠いの？仕事で疲れた？

渡辺ーだって、もう夜中だろ？

目黒ーまだ、8時過ぎだよ？

渡辺ーえっ・・。

がばりと起き上がる。腕時計を見れば確かに8時過ぎ。

そのままソファに倒れてきた。目黒が受け止めて顔を見たら赤い。

目黒ー翔太くん、勘違い？

渡辺ーいや、あの、ん〜。

目黒ー夜中になんかあるの？

渡辺ーもういい、ご飯食べる。

目黒ー隠さないで？

渡辺ー勘違い、勘違い。

目黒ー嘘、なんかある。

訳を話さないと晩ご飯を食べさせてくれそうにない。だが、渡辺は恥ずかしい。目黒が抱きしめてくる。首に腕を回して抱きついてキス。耳元で小さな声で話し始めた。

渡辺ー帰ってくるとき、タクシーの運転手さんが言うんだ。

目黒ー何？

渡辺ー今日は寒いから空気が澄んでて、東京でも、星が綺麗に見える。夜中なんか凄く綺麗だって。

目黒ー見たかったの？

渡辺ーお前、星見るの好きだろ？ちょっと早く寝て、夜中に起きて散歩して星見ようと思ってアラームかけて・・

目黒ー翔太くん！

渡辺ー俺、もう晩ご飯食べて、風呂入って、寝てるって思ってた。

目黒ーふふふ。

目黒は渡辺を強く抱きしめて頬にキスをする。