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偽る方が正解
ある日突然、人の体の周りに黒いモヤが出ることが確認された。様々な人が解析したところ、そのモヤの大きさは話している人への嫌い度を表すものということが判明した。その話はすぐに広まり、問題の種となった。昨日までラブラブだったカップルが今日は見るだけで蕁麻疹が出るというほどに険悪になっているなんて日常茶飯事だった。ただ最も被害が大きかったのは学校だ。仲良しだと言っていた4人組のうち3人が1人のことが嫌いだと分かると、同じ人たちを集めていじめに発展する。そう、敵を作ることも信頼できる味方を作ることも簡単になってしまったのだ。学生は大人よりも異常者を排除し、味方を多く付けるのに必死になる。異常者認定されると人間としての価値などすぐ、ないに等しくなるから。そして、それがダメなことだと理解していない弱者だから。
私は黒いモヤなんてどうでもいいと思っている。だって、誰にでも嫌いな人はいるもので穏便に済ませたいから好きなフリをして生活するものだ。わざわざその嘘を広めて誰かを殴るきっかけにするのは違うと思うのだ。嫌いだと分かっても頑張って好きなフリをしているんだと優しく見守っていればいいのに。
こんなだから私は今1人なのかなぁ。
でも1人は悪くない。誰にも気を使わないし自由に好きに過ごせる。
バァン
私の机を叩く音。驚いて咄嗟に叩いた犯人の顔を見る。たまに話すクラスメイトだった。周りには彼女の取り巻きが数人いて、ケラケラ笑っている。今は静かに本を読んでいたのに、、、
「私、お前のこと大っ嫌いなんだよねぇ‼︎」
確かに黒いモヤは他と比べ大きいように感じられる。、、、なんでこいつは堂々と嫌い宣言をするんだ?
「おい、無視するなよ!」
「、、、」
グサッ
は、、、?
「お前がそんなに私を無視するからだよ‼︎」
私が読んでいた本が彼女の持っていたシャーペンでぐちゃぐちゃにされた。
「まだまだ物足りないよね〜」
ハサミを取り出し本をビリビリにする。あ〜あ、本が可哀想。
特に反応しない私に彼女はかなり腹が立っているようだった。
「なんとか言えよお前!?
、、、あっしゃべらなのって〜私に嫌い度見せたくないからとか〜?」
わーすごい。馬鹿にしてはよく考えたじゃないか。
「もしかしてお前、私が好きとか〜?」
は?何ふざけたこと言ってるんだこいつ。お前のどこに好きになる要素があるんだよ。
「私のこと好きなの嫌い度見られたらバレちゃうからーーー
彼女が倒れる。周りの机に寄りかかり、訳がわからないと言った顔をする。正しいことをちゃんと伝えてやるとしようか。
「私がお前のことが好き?逆だな。大っ嫌いだ。お前よりもな。」
周りの野次馬が色々な声を出す。私を非難するものや、先生を呼びに行くもの、ただ悲鳴をあげるもの。殴られた本人はいまだに声を出していないというのに。
「馬鹿なお前に教えてやろう。一体私がどれぐらいお前のことが嫌いなのか。」
「ひっ、、、!?」
彼女も野次馬も一気に表情が固まる。見たことがないのだろう。
だって私の彼女に向けた黒いモヤはこの教室全体を軽く覆えるほど大きかったのだから。
「さて、お前は私の本を台無しにした訳だがどうするんだ?私、お前のこと大っ嫌いだからこんなことされたら、、、ねぇ?」
「ひっ!ごめんなさいごめんなさい謝ります。許してください」
嫌いな奴の無様な姿を見るのはなかなかいいものだな。
「あっそうだ!」
笑顔で周りの野次馬を指差す。
「私、お前らの事も
END-11 「正直になった子」
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