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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ーあなたが愛してるのは私じゃない。とっくに、知ってますから



彼女は、そう言い笑った。




ーーー昭和×年.


10年ちょっと。

ずっと片想いしていた女子が居た。

その子は、何だかほおっておけないような雰囲気で、無邪気で__…幼なじみ…

おさげをしていた女子。

紅く.綺麗な着物を身にまとい……

良家へと嫁いでいった女子。


どうしてあの時止められなかったのか

もし、気持ちを伝えていれば__…

何か、変わったのだろうか?



ーーーー

大人になったら略奪でもしてやろうか。

なんて思っていた少年時代から、早数年。

結局、私の縁談も決まってしまった。

目の前に居るのは、少しツリ目できの強そうな女性。

髪は後ろで団子にしており、紅い綺麗な簪をさしている。


ああ、くそくらえ。

何かあるたびに、女子幼馴染のことを思い出してしまう。

もう私の縁談は決まったことだし、彼女はとっくに嫁いでいる。

きっと、今は幸せなんだろうに


縁談相手と過ごした夜も、朝も。

心の隅には常に女子が居たように感じる。

あぁ、久しぶりに彼女の母へと写真を送っていたのだったがな。

凄くべっぴんで、可愛い子供と共に映っていた。

もう女子では無い。1人の、女性と成っていた。




あの晩、縁談相手は、上の空である私を見て、くすりと笑った。




ーーーーとっくに、知ってますから。


その一言が痛かった。


ちくりとガラスに刺されたような苦しさがあった



________銃声が行き来し、視界が揺らぐ今でも


胸の中には、幼馴染が居た。


縁談相手の名は、思い出せもしなかった。


顔すらも。


“あの言葉”だけはガラスのように突き刺さっているというのに。


どうして、思い出せぬのだろうか


どんな風に、笑っていたのだろうか


縁談後10数年居たものの何も覚えていない私を


彼女は怨むのだろう。


あぁ、自業自得だ。





____後悔というものは



終わりがない。





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