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「🍏短編集 MGA」とは一風変わった雰囲気でいきましょう。
大森元貴 自傷行為
「なんか今日高い声出にくい?」
ちょっと言われただけだ。なのにずっと頭の中でこの言葉を反芻する、いや反芻してしまう
最近ちょっとした言葉ですぐに傷つくようになった気がする。
若井だって、僕を傷つけるために言った訳ではないはず。
でも、言葉は頭から離れてはくれない。
疲れてるのかな?
少しの言葉が自分の心にナイフを刺す。
何度も何度も刺されて、フラッシュバックして、
その度に吐きそうになる。
動悸がする。
助けて。
自分を責めてしまう
はぁ、はぁ、はぁ、
動悸が止まらない
涙も溢れてきた
苦しい
なにも考えない時間が欲しい
この反芻を止めたい
もう自分の力ではどうにもならない。
と、なると…
残った手段は
自傷
切って、飲んで、楽になろう
ああ、楽しい
ザシュッザシュッザシュッ
血が垂れる
気持ちいい
なにも考えなくていいのだ
ザシュッザシュッザシュッザシュッ
ザクッ
ああ、深くなっちゃった
カッターが刺さってしまいそう
深くなったらバレちゃうかな?
あしたのレコーディング行きたくないなぁ
高い声が出なくなった僕に
存在価値はあるのかな?
……..いや待って違うのか?大丈夫か?
若井は「今日ちょっと高い声出にくい?」と言っただけだ
高い声が全く出なくなったわけではないかもしれない
そうだ、そう思うことにしよう
あしたは出るかもだし
……….やっぱり無理かも
やっぱしんどい
切りたい、切りたい、切りたい、切りたい、
ザシュッザクッ
気持ちいなあ
薬も飲みたい。たくさん。
たくさん飲んで死にたい
いや…待って…..
…なんか思い出さないといけないことがあるような
あ、
やばい、
はぁッ、はぁッ、はぁッ、
やらかした、やらかした、
若井が前に「切りたくなったら連絡してって言ってた…」
若井を裏切ったのか…
ぼくは。
若井はぼくのためを思って言ってくれたのに。
ごめんなさい
読んでいただきありがとうございます
また後半で。
すとむ🌸でした